扶桑会への入会について
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)の2回行っています。通常稽古は会員限定です。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
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其の二百八十三、手刀 大東流合気柔術 東京稽古会 
東京稽古会では月に一回の本稽古で、大東流合気柔術の基本的な考えかたを学び、実際に修練し体感する稽古を行っています。
今回取り上げるのは、手刀の使い方です。

これまでにも何度か動きの中で言及してきた手刀の考え方ですが、今回は改めて、双方が手刀を使って行う修練方法のなかで、その理解をはかります。
まずは、動画を見てみましょう。
手刀とは、まず第一義には自分の手を刀とみなして操作する考え方です。
小指側を剣の刃、親指側を峰と仮想して、刀を使うように操作します。
これが大東流の「剣の理合」につながっていきます。
丹田を発した力が、腕の中心をとおって掌の真ん中にある「労宮(ろうきゅう)」というツボから放出されるイメージを持ってください。

指を柔らかく開き伸ばすことで、手の先全体からその力が出ていきます。
指先は力でガチガチにするのではなく、「芯を作って脱力」させましょう。これも、手刀を意識することで得られる古武術的な身体の使い方のひとつです。
その状態で、剣を振るように手刀を上段から斬り下ろしてください。
これが正面打ちです。

正面打ちを何度も繰り返して、脱力しながら手刀を使うことを修練してください。
それが出来たら、相対稽古です。
向かい合って、受け手が正面打ち、捕り手はそれを手刀で受けます。
この時、剣が直角に交差したり、相手の刀をはじき返すように受けるのではなく、相手の剣先に自分の剣先が添うように受けてみましょう。

また、動画の中でも解説していますが、腰を引かず、身体の中心は相手の方を向いていることが大事です。
目安として、両方の膝が相手の方を向いているかチェックしてみると分かり易いでしょう。

こうして、手刀を体の中心で使うことができると、一本捕をはじめとする、多くの型の要点が理解できるようになってきます。

毎日の稽古でも、手刀の概念を頭に入れながら、修練してみましょう!
其の二百五十一、握って詰める 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回から、何度かにわたって「なんば」の動きを取り上げていきます。
東京稽古会では、大東流合気柔術の修行を通して、古来から日本人が身につけていたけれども、西洋化したことによって失われた身体の使い方を取り戻していくということを、一つの目標に掲げています。

「なんば」に限らず、稽古会で取り上げる身体操作法は、そうした考え方のもとに修練してほしいというのが、私自身の思いです。
ともあれ、動画を見てください。
両手を取らせるようにして、相手が前荷重になったところで、逆に相手の両手首を取り返します。「掛け手」ですね。
この時に、力を込めて握るのではなく、小指からひっかけるようにして握るようにしてください。

同時に、片方ずつ相手の腕を立てるようにして肩を詰めていきます。
この時に、手の力だけを使うのではなく、足から腰の動きを腕の操作に合わせるようにしてみましょう。
さらに言うと、腕を動かすのではなく、足腰の動きに腕の動きを追随させるような感覚で操作できるとより良いです。

このように、操作しようとする側の腕と、同じ側の腰を同時に動かすのが「なんば」の動きです。これによって、相手の重心を自分の膝の上に乗せていくような意識を持ってみましょう。

最初はどうしても、手首だけの力で、相手の腕を動かそうとしてしまうと思います。
できるだけ握り込む力を緩め、小指でひっかける感覚をもって、身体全体で相手の肩を詰めてください。
これに足の踏み込み、相手を乗せる意識などが積み重なっていくことで、徐々に感覚が掴めてくるはずです。

お互い切磋琢磨して、上達していきましょう!
其の二百四十八、捌いて合わせる 大東流合気柔術東京稽古会 
肘を合わせて全身を動かしていく操作法の応用編です。
前回は合気上げ鍛錬法のひとつの方法として、互いの上腕部を一直線上に置き、肘を合わせるやり方を取り上げました。

同じ動きを、今回は立った状態でやってみましょう。
まずは動画を見てください。
相手が片手取で手首をつかんできます。
そのままの状態では反対の手からの攻撃がありますので、まずはそれに対応して外側に捌きます。
同時に手刀を使って相手の攻撃を防ぎます。
この時に、相手の肘と自分の肘を直線上に置くように操作してください。

この操作で、相手の動きを止めたところで、肘の角度を維持したまま互いの腕の下をくぐって、相手の後ろに回り込みます。
手刀を相手の背中につけるようにして、肘を押さえ、固めてください。
大事なことは、相手の肘と自分の肘を合わせることですが、この時に腕だけを動かすような操作をすると相手の全身を動かすことができません。

必ず捌きを入れ、全身の動きで手刀を操作するように意識してみてください。
動画にもあるように、剣を使うように動くと、上手くいきます。
自分の身体を転換して回り込むときも、体を回すことだけを意識すると外れやすくなりますので、剣の意識を忘れないようにしてくださいね。

東京稽古会では、日常行う稽古で大東流合気柔術の基本的な考え方を修練しています。
興味のある方は、上のメールフォームからお問い合わせください。
其の二百四十七、肘を合わせる 大東流合気柔術東京稽古会 
東京稽古会では、大東流合気柔術の基本術技を自主稽古などを通じて継続的に鍛錬していますが、そのうちでも多く取り上げているのがこの「合気上げ鍛錬法」です。

合気上げには鍛錬の目的や方法によってさまざまなアプローチの仕方が考えられます。
今回はそのうちのひとつを紹介しましょう。
動画を見てください。
双方が座ったまま、捕手側は軽く肘を曲げ、手を相手の方に向けます。
受け手は相手の手首を握り、中心に向かって押し込んでください。
捕り手側はこの時、押し込んできた相手を跳ね返すようにはせず、からだ全体で受け止めるように意識します。

最初は反射的に腕で押し返してしまうことが多いのですが、そこを重点的に鍛錬してください。
押し返さず、受け止めることで、相手が押してくる方向が感じられるようになります。
次に手刀を作り、相手に肘と、自分の肘が、上腕部で形成される一直線上に並ぶように操作します。つまり、「肘を合わせる」んですね。

肘を曲げて行っている場合は、比較的容易に合わせることができるでしょう。
肘と肘を合わせる感覚が掴めたら、そのままの状態で相手の肘を動かしてみてください。手刀を使い、からだ全体の操作を意識してください。
肩から先の力で強引に持っていくと、うまく行きませんよ。

からだ全体で操作するためのひとつのポイントですが、背中を丸めず、正しい姿勢で技を行うことです。
稽古を通じて細かい部分の精度を上げていくことで、古武術独特の身体の使い方を会得していってくださいね。
其の二百四十五、曲げて崩す 大東流合気柔術東京稽古 
相手の肘を曲げることで、体幹部分をコントロールする動きです。
前回やった手首の接点を通じて全身を崩す操作法のバリエーションでもあります。

手首からの入力を相手の身体の中心に届けるには、肩に通った力が抜けてしまわないように動かしていくことが重要でしたね。
今回の動きは、その部分に注目してみましょう。
まずは動画を見てください。
交叉取に取ってきた相手の手首に、外側から手刀を絡めます。
手刀を自分の中心で動かしていくと、相手の肘が自分の目の前に来るはずです。

そこで、相手の肘関節のやや高手(肩の方)側をつかんでください。
必要以上に力を入れないでください。関節のすぐそばに、痛みを感じる点がありますので、正確にそこを挟むようにしてみましょう。
これが決まれば、相手のかかとを浮かせることができます。

次に、手首と肘の接点を相手の中心線をなぞるように操作して斬り落としていきます。
誘導していく所は相手が重心を保つことのできない「三角点」。相手のつま先を底辺とした二等辺三角形の頂点です。

このとき、接点を引っ張るように動かすと、たちまち肩に通っていた力は抜けてしまいます。
また、手首と肘をバラバラに操作すると、これも相手の体幹に力を及ぼすことができなくなるんですね。

いずれの操作も、やはり実際に対人稽古を行うなかでしか感得できない部分があります。
東京稽古会で、一緒に修練してみませんか?