扶桑会について
指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
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稽古日誌 4月23日 29日本稽古 30日二部稽古 大東流合気柔術扶桑会 
大東流合氣柔術扶桑会の稽古日誌、今回は4月下旬の稽古の様子を記します。
まずは4月23日(日)の稽古。

この日は扶桑会にとっての重要イベント、昇段・昇級審査を開催しました。

競技(優劣をつける試合形式の結果発表)のない古武術において、審査という形をとって演武を行うことは、現時点での修行の到達地点を自他共に確認する大切な節目であると私は捉えています。

他者と競い合うことなく、己の最大限の力を発揮することに焦点を置き、努力することによって得られる成果を真摯に求めること。
今の時代に、試合形式を規定してこなかった古武術の思想性が、独自な価値を示しているように思えてなりません。

唯ひたすらに、己の向上のみを目指して進むことには、競争に勝る以上の謙虚さと自己研鑽が要求されます。

今回の審査会に参加した会員の皆さんもまた、そうした思いを新たにされたのではないかと感じています。

続いては4月29日(土)の本稽古。
5月の大型連休の初日にあたる、この日の主題は「手刀の使い方」でした。

これまでに幾度も取り上げてきた技法ですが、今回は特に「摺り上げ」、「縦に使う」、「掴ませたままにする」という具体的な要素について研究しました。

いつもより長く、4時間にわたっての修練でしたが、工夫を凝らした操作法に笑いの絶えない稽古となりました。

難しい思考法や思うままにならない操作法は「楽しくやる」というのが扶桑会のポリシーです。

本稽古の翌日、4月30日(日)は3時間×2回の二部稽古でした。

正面打ちへの対処法を一カ条から四カ条まで多彩に修練。

それぞれの動きの本質をとらえるための稽古です。
一本捕、小手詰、脇詰、内小手。

単に相手との接点における形の違いだけでなく、全身の動き、思考法に至る対応の違いを系統立てて学びました。

ここまで三時間。この日はこの後もう一回3時間の稽古が待ち受けています。

軽く軽食をとった後、後半稽古の始まり。

前半の内容を踏まえつつ、後半はそれぞれが自分の習熟度に応じて技を選び、最後に演武を披露するという形式をとりました。

「自分の最大を発揮する」という目標を明確化したことで、緊張感の中にも伸びやかな動きが展開されます。

心地よい疲労感と達成感で、6時間の長丁場を終えることができました。
この成果を踏まえて、演武形式の稽古をこれからも折に触れて継続していきたいと思っています。

稽古日誌 令和5年4月2日 6日 9日 大東流合気柔術扶桑会 
大東流合気柔術扶桑会の稽古日誌、今回は4月上旬の稽古内容を記していきます。
まずは4月2日(日)の稽古。

重心の移動で相手を制していく考え方を修練。
上のような一見アクロバティックに見える技も、相手と自分の間に適切な空間をあけ、体重移動を行うことで可能になります。

腕の力で無理やりに動かそうとするのではなく、地球が生み出す「重み」に沿うことで相手がひとりでに動いていくように。
まさに自然環境に合致して、抵抗を生まない不可思議な力を発揮していきます。

扶桑会の考える「自然体」というものを、これからも稽古の中で突き詰めていきたいと考えています。

続いて4月6日(木)の稽古。

この日は自分の持つ「軸」を利用して相手との関係性を作っていく考え方を研究しました。

自分の軸に相手を巻き込む、自分の軸を移動させることで大きく崩しをかける…。
「軸」とは自分の身体を通る重みを意識し、把握することで生まれます。
地球の中心に向かって真っすぐに落下していく自分を感じることができるか否か。

突き詰めていけば非常に奥深い感覚ではありますが、まずは「姿勢を正しく保つ」こと。
そうした基本の部分から始めていくことが大事です。

最後は4月9日(日)。一年ぶりに新木場にある民間のスポーツ施設で稽古しました。

広い稽古場で、大きく身体を動かしていく技に取り組みます。
身体を固めず、雄大に伸ばしていく意識が重要です。

関節を捕って力を伝えていく操作では、ともすれば接触点にこだわりがちになってしまいます。
小さな部分を攻めるときこそ、その先にある本体に目を向けなければいけません。

「些事にこだわらず、本質に関与する」
古武術に限定されない、人間としての心構えにも通じる思考法です。

稽古日誌 令和5年3月16日 19日 21日本稽古 26日 30日 大東流合気柔術扶桑会 
大東流合気柔術扶桑会の稽古日誌、今回は3月後半の記録です。
3月16日(木)は世田谷総合運動公園体育館での稽古でした。

普段稽古に使わせていただいている扶桑教太祠が春季例大祭のため、毎年3月は稽古場所の確保がままなりません。
しかし、見方を変えてみればいつも決まった場所で稽古ができる境遇が如何に恵まれていることか。
改めて感じさせられます。

与えられたご厚意やおかげさまのご縁を、当たり前のことではないと知り、感謝の気持ちで古武術修行に向かうことを忘れてはならないと思います。

この日の稽古も基本の動きから積み上げて、じっくりと取り組みました。
いつも繰り返す動きの中にも、常に新たな発見を見出していく気持ちをもって修練していきたいものです。

3月19日(日)も世田谷総合運動公園体育館での稽古。

この日は冒頭で礼、残心といった所作について改めて重点を置いて基本の形を行いました。

古武術の本質は所作にある、というのが扶桑会で重視しているコンセプトです。
それは、人の動きの中に日本人独特の「世界の捉え方」が保存されているからです。
古来日本人は目に見えない「考え方」を重要視し、それらを伝承するために宗教儀礼や茶道や華道、伝統芸能の動きの中に、所作として織り込んでいったのだと、私は考えています。

その伝承経路の一つとして、私たちが取り組んでいる古武術が存在します。
現代社会では顧みられなくなってしまったそうした所作の復権も、古武術を通して我々が再認識していくべきことではないでしょうか。

この日、立派なイチゴ「とちおとめ」の差し入れをいただきました。

稽古の後、みんなでいただきました。甘くみずみずしいイチゴ。
ありがとうございます。

3月21日(火・祝)は3月の本稽古。
この日は春分の日、昼と夜がちょうど半分の長さになる「お彼岸の中日」です。

「国民の祝日に関する法律」によると、「春分の日」は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」ということになっています。
太陽に明るく照らされる昼と、闇に包まれてしまう夜。
古来人々は、この不思議な世界の移り変わりを「目に見えるものと、見えないもの」の交代であると捉え、昼と夜が一日を丁度二分する春分、秋分の日を特別な日と定めたのでしょう。
そうした敬虔な感情が、現代の法律にも「自然や命を尊重する」という精神として残されているのだと思います。

稽古では「相手に掴ませたままにする」というテーマで基本要素を研究しました。
相手を制圧しようとするのではなく、自然の理に則った動きで応じることで、自分の活路を見出していきます。

脱力や、全身の連動、接点から反れたところで操作する意識など、大東流合気柔術の極意につながる思考法が数多く含まれる動きに丁寧に取り組んだ三時間でした。

続いて3月26日(日)、この日は稽古後に近くの公園で「花見」をする予定でしたが、あいにくの雨模様で残念ながら中止となりました。

とはいえ、稽古はしっかりと。
こちらから相手に働きかけて、体勢の崩れを作り出していく「掛け手」の技法をいくつかの動きで修練しました。

大東流では相手の攻撃に対応して技を発揮する操作が多いと感じる方も多いと思います。
しかし、私たちの取り組んでいる琢磨伝では、「掛け手」の技法が相当数含まれます。

武術として奥を極めていくうちに、相手から攻撃を受ける場合の動きの質も自ずと変化していきます。
ただ相手の攻撃を待つのではなく、「相手に攻撃させる」「自分の有利な位置に攻撃を誘う」というような考え方が必要になってきます。
この日の修練で、そうした思考法の片鱗が感じ取れたでしょうか。

最後は3月31日(木)、この日から稽古場所がいつもの扶桑教太祠 本殿に戻りました。
神前での稽古はやはり心が引き締まって良いものです。

基本動作として、「手刀の使い方」を中心に修練。

肩から先だけを動かしてしまいがちですが、手刀もまた「刀」です。
剣を使うがごとく、全身で操作していく意識がなくては、力が発揮できません。

脱力するとともに、身体の中心からエネルギーを放出するように。
基本の考え方として、常に意識して稽古していきましょう。

稽古日誌 令和5年2月16日、19日、23日、26日 大東流合気柔術 扶桑会 
大東流合気柔術 扶桑会の稽古日誌、今回は2月後半の稽古内容を記録していきます。
まずは2月16日(木)。神道扶桑教世田谷太祠での稽古です。

形の稽古は複数の動きを組み合わせて行うため、初めて触れる人には難解に思われることもあります。

そういう時には、何よりもその動き全体の本質をとらえることが重要です。

どこを崩そうとするのか、どういう力を伝達すれば打開できるのか?
一つひとつのプロセスにこだわりすぎず、大づかみに流れをつかんでください。

続いて2月19日(日)の稽古です。

相手が掴んできた手首をつかませ続ける意識。

全身を一体化させて動く操作。

どちらも接触点を脱力し、中心(腰)からの力を発揮することが重要です。
稽古では分かりやすい状況を設定して訓練しますが、これをどのような状況においても咄嗟にあらわせるかどうかが試されます。

2月23日(木・祝)は世田谷区総合運動公園体育館での稽古。

手刀の使い方から始めました。
基本的な考え方を繰り返し身体に練り込みます。

それぞれのレベルに応じて、身につけていることは異なりますが、大東流合気柔術の基本動作、思考法を洗練させていくというミッションは同じです。

扶桑会では、紙を一枚一枚積み重ねるように、着実に向上していくことを目指します。

最後は2月26日(日)、扶桑教太祠本殿での稽古。

この日も、大東流合気柔術の核心的技法を研究しました。

相手の攻撃を全身で受けとめ、脱力して手刀を活かす…

初伝の形の習得にも必要となっていく、これらの核心的思考法を軸に修練を重ねていきます。

稽古日誌 令和5年1月19日 22日 26日 29日 大東流合気柔術 扶桑会 
大東流合気柔術 扶桑会の稽古日誌。今回は一月後半の稽古内容です。
まずは1月19日(木)、扶桑教世田谷太祠 本殿での稽古です。

この日は「中心を攻める」を主題にして研究しました。
中心と一口に言っても、そこをどのようにとらえるか、お互いが動いている中でそれなりに難しいものです。

ただ単に相手の中心を見つけ出すだけではなく、次には自分の中心力を発揮することも必要になります。
筋力に依存した力任せの操作では、相手とぶつかってしまいがちです。

形稽古を通じて、流動的な動きに備えた感覚を養成していきます。

続いて1月22日(日)の稽古。

この日は前日に公開したブログの内容「其の四百十八 受け止める」をおさらいする形で進めました。
相手の力を受け止めるとき、自分が力を内に込めてしまっては、はじき返すような形になり、合気柔術の動きとは言えません。

自分の中心から放射するように「力を出す」。
そのためには身体を「伸ばす」ことが必要です。

理論で裏付けた操作法を、実践して身体に練り込む。
毎回の稽古でその過程を着実に踏んでいきます。

1月26日(木)も扶桑教太祠 本殿での稽古です。

前回に引き続き「伸ばす」動きに焦点を当てて修練しました。

さらには「沈む」動きで切返。

複雑に見える形に取り組むときほど、基本の身体操作に立ち返って反復練習します。
我々扶桑会では、そうした核心の身体操作、思考法を「要素」と呼んでいます。

1月29日(日)は、今年初めての本稽古でした。
この日のテーマは「手刀」の使い方。

これまで日常の稽古の中で何度も取り上げている考え方ですが、改めて体系的に「一から」捉え直す機会としました。

人体の一部を「道具」に見立てて使うことの意味と、その具体的な運用法。
「剣の理合」に基づいた動きが、いかに効果的な力を発揮するか。

3時間の稽古の中で、実感できたのではないでしょうか。
月に一回の本稽古では、こうした基本の考え方に、基礎からじっくりと取り組んでいきます。

稽古日誌 令和5年1月8日稽古始め、12日、15日 大東流合気柔術 扶桑会 
大東流合気柔術 扶桑会の稽古日誌です。
今年になって会の名称を「扶桑会」に変更し、気持ちを一新して修行に励みます。

そんな「扶桑会」の稽古始めは1月8日(日)でした。
まずは、会の名前をいただいた、神道扶桑教さんの世田谷太祠にて初詣を行うことから一年を始めます。

続いて、いつも稽古場にさせていただいている本殿にてお祓い、御祈祷を受けたあと、恒例行事となっている新年奉納演武。
今年は5人が、合わせて13の形を神前に納めました。
技術の巧拙にとらわれず、健康な身体で稽古できる感謝の気持ちを演武に込めます。

その後行った稽古では、奉納演武の内容を全員で修練しました。

当日は正月から続く晴天で気温も暖かく、こころから清々しく、楽しく汗を流すことができました。

扶桑教の管長から、「扶桑会」を名乗ることについても允許状をいただき、皆さんの前でお披露目。

これからの一年、心を合わせて進んでいきたいと思います。

続いては1月12日(木)、世田谷総合運動場体育館での稽古。

部分的な力に頼らず、全体を意識して動くことを中心に修練しました。

言葉にするのは簡単ですが、やはり実際にやってみるとなかなか思うようにはいきません。
言い換えるならば、いかに日常の中で、小手先の動きに終始してしまっているかを実感することにもつながります。

一日の稽古でできることは限られていますが、普段から意識して生活することができれば、必ず進歩していきます。

1月15日(日)は扶桑教太祠 本殿での稽古。

今年の稽古のテーマである「結ぶ」の字を稽古場に掲げました。

武術的には「相手と接触するその瞬間を大切にする」という意味を込めています。
攻撃してきた相手を、どう捉え、受け止め、こちらの意思を伝えていくか。

この考え方は武術だけにとどまらず、様々な局面で応用できるはずです。

「初動」の大切さを、どこまで意識できるか。
古武術修行を通じて、それぞれの生活にも何か良きものをフィードバックしていきたいものです。

其の四百五 手刀で崩す 大東流合気柔術 東京稽古会 
さて、前回から大東流合気柔術における「手刀」というものの捉え方について詳しく見てきた。
今回は実際にそれを運用していく。

動画は「手刀詰」という操作であるが、この動きは相手がつかんできた手首を柔らかく握らせたままにしておいて、そのうえで手刀を使って斬り込んでいく。
この時に重要なのが相手に自分の手刀の「刃」を向けていることだ。
初心の修行者ほど、力で押し込もうとして掌を向けたり、腕の力で持ち上げようとして手の甲で押し上げようとすることが多い。

引き続き述べている通り、それでは手刀は効果的に力を発揮しないのだ。

自分の中心から相手に向けて、手刀の「刃」の部分、すなわち小指、尺骨の側を正確に向ける。
そうすれば自ずと、親指側は自分の方を向く。
手刀における刃と峰が「縦の関係」となっていることに合点がいくと思う。

「剣の理合」と言い伝えられる通り、刀をもって斬り込む意識をもって修練してほしい。
稽古日誌 令和4年9月15日、19日本稽古、25日 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術 東京稽古会の稽古日誌。今回は9月中旬から下旬にかけての記録です。
まずは9月15日(木)、世田谷総合運動公園体育館での稽古。

基本の形から修練を始め、その変化・応用へと段階を追って進みます。
この日は立襟捕など、後ろからの攻撃に対する考え方を取り上げました。

正面からの攻撃と違って、後ろから接触された場合にどう臨むか。
予期しない攻撃に対して反応するために必要なものは何か?

そうした「心構え」的なものを練り上げていくのも、古武術修行の現代的な意義です。

9月19日は9月の本稽古。
この日は「正面打」をテーマに、大東流合気柔術の基本的思考法について学びました。

正面打ちの打ち方、受け方に始まった稽古は、「受け」が「攻め」そのものに転じることや、身体の中心を使うこと、全身を柔らかく運用することなど、大東流の核心的な思考法を身体操作に置き換えていく刺激的なものでした。

一カ条から、二カ条、四カ条まで、正面打ちという動きを使って様々なバリエーションの形に取り組みます。

最後は同じ思考法で「胸取」にも応用が可能であることを確認。

今後の稽古に活かしてほしい、重要な術理を学べた本稽古となりました。

最後は9月25日(日)の稽古。
この日は相手の攻撃してきた身体の部分を「盾」にして使う考え方から稽古を始めました。

これは胸をつかんできた相手の腕の陰から攻め込んでいく動き。

お互いの動きをどう感じ、どう修正すればよいかを話し合うことが、充実した修練につながります。

さらにその考え方を使って、片手取りの四方投げなど。
変化応用は基本の考え方のベースによって理解度が深まります。

この日は帯の色が同じ人同士がそれぞれの習熟度に合わせて自由練習にも取り組みました。
お互いが切磋琢磨して技術向上を目指していきます。

其の四百一 入身投 大東流合気柔術 東京稽古会 
初伝一カ条「入身投」。大東流合気柔術に特徴的な、自分が坐位で、相手が経った姿勢で攻撃をしてくる、いわゆる「半座半立」の形である。

この操作にも、実は「沈む」動きが大きく関係している。
初動で大切なのは相手の攻撃(両手取り)を受けた時、それを押し返さずに自分の腰に乗せたまま前方に膝行することである。
これを力で対抗すると、必ず失敗する。

自然体であることを要諦とする合気柔術にあって、立った状態で前傾して攻撃を加えてくる相手は、制しやすいのである。
逆説的に聞こえるかもしれないが、動画で行われている操作をみてもらうとわかるはずだ。

前方に重心移動したら、その場で180度転換をして相手と背中合わせになり、手刀を前方に斬り落として投げる。
この転換の際に、一瞬立ち上がるのであるが、「沈む」動きはここで用いられる。
腰に乗せた相手の重心を、一瞬沈むことで体の崩れを誘い、それに乗じて大きな方向転換を行うのだ。

地球の引力に合致した真下への沈み込みである必要があるのは言うまでもないが、やはり腕力に任せて振り回そうとするとうまくいかない。
脱力を心がけて、鍛錬してほしい。
稽古日誌 令和4年8月18日、21日、25日、28日本稽古 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術 東京稽古会の稽古日誌。今回は8月後半の記録です。
まずは8月18日(木)の稽古から。

この日は基本の動きの後、四カ条の裏落、抱首などの動きを修練。
普段はあまり馴染みのない操作法が出てきますが、考え方は変わりません。

技の難易度が上がるにつれて重要なことは、受手側の攻撃が中途半端にならないことです。
攻める気持ちがない者を制することは出来ません。大東流合気柔術の思考法の根幹がそこにあります。

受け手に一定の技量がなければ、難しい技を充分に習練することは出来ないのです。
相互に上達を図りながら、稽古をしていくことが重要です。

続いては8月21日(日)。

この日は相手が後ろから攻撃してきたときの対処法、「後捕」を中心に習練しました。

正面から攻めてくる場合に対して、相手が何をしてくるかわからない「後捕」。
その初動は、相手の攻撃を瞬時に想定して、それを無効化するものでなくてはなりません。

形の稽古とは言え、そうした意識を充分に持ったうえで修練することが必要です。
東京稽古会では、単純な形の反復ではなく、そうした心構えの部分を大事にして稽古を重ねていきます。

この日の稽古後には、扶桑教さんから甘いスイカの差し入れをいただきました。
本殿の畳の上でスイカ。夏らしい光景です。

8月25日(木)も、扶桑教太祠 本殿での稽古です。

相手の攻撃を押し返すのではなく、全身を使って乗せてしまう動きを研究しました。

一カ条車倒、立襟捕、2カ条半座手刀詰などなど…。

稽古の最後には、大東流合気柔術の核心技法でもある合気上げの秘伝ともいえる考え方を伝えました。
東京稽古会独自である重要な秘伝です。
これまで、技がかからなかった会員も、突然相手の身体が動いて、びっくりの経験でした。

最後は8月28日(日)、8月の本稽古です。

相手の手首を攻める操作、受け手からすれば手首を強くする鍛錬法を連続して行うために。

四カ条合掌捕、一カ条小手返、三カ条手鏡、二カ条小手詰と、順を追って修練します。

各個の操作法を使って流れるように動き、相手の身体の中心を制していきます。

とどまらず、こだわらず、柔らかく。
大東流らしい考え方を再確認した稽古となりました。
