大東流合気柔術 東京稽古会スケジュール
次の本稽古は 3月20日(土・祝)11時00分から14時00分まで
開催場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)に開催しています。通常稽古は会員限定です。
東京稽古会への参加を希望の方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
開催場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)に開催しています。通常稽古は会員限定です。
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其の三百四 裏落 大東流合気柔術 東京稽古会 
相手の攻撃をテコとし、無力化して制する。
連綿と続く日本古武術の継承者であり、合気道の源流としても知られる大東流合気柔術の精髄といえる思考法。

今回取り上げる「裏落(うらおとし)」という形は、いろいろな要素を持つが、その中でも崩しにかかわる動きに焦点を当てる。
鍵となるのは「張り」を作って無力化する操作だ。
動画の中にあらわれているのを見て取った諸兄もあるかとも思うが、この「張る」という考え方を成立させるのは、筋力に頼ったパワーではない。
試しに相手との接点を、掴ませている状態から、こちらが掴んでいるように変更して同じ技を行ってみればよくわかる。

体幹部分が動くほどに崩せるのは、技の掛け手の身体が程よく脱力し、受け手の体が硬直していないことが前提となる。
相当程度に体格の差があっても、、相手の体の筋肉がこわばり、いわゆる力の入った状態では、かんたんに崩すことは至難の業だ。

そのために、大東流では相手に掴ませている部分を脱力し、力の入れどころをあいまいにする戦略をとる。
そうすることで、接点と当身によってできた物理的な距離感が「張り」として作用し、無力化することが可能になる。

筋力に頼らず、相手の攻撃を利用することで体幹を崩し、制圧していく。
古武術ではあるがむしろ革新的ともいえる考え方が、今もなお大東流が武術各派の関心を集める理由ではないだろうか?
東京稽古会では、大東流の身体操作法を初心者にもわかりやすく習得できる稽古を行っている。
参加方法はブログ内に設置のメールフォームから問い合わせください。
其の三百三 中心を打つ 大東流合気柔術 東京稽古会 
身体の中心から発した力を相手に柔らかく伝え、制する。
大東流合気柔術の核となる思考法を習得し、体現していくのが我々の会が目指すところだけれども、なかなか一朝一夕にはいかない。

身体の使い方が西洋化してしまった現代日本人にとって、この動画で取り上げているような動きは、感覚ではわかったようでも実際に自分の体を使って表現する段になると、相当な難しさを感じてしまう。
今回の操作は、当身を使って相手の体の動きを止め、さらに相手が自分を攻撃してくる力を上手く利用することで逆に無力化していくという、すぐれて日本古武術的な考え方に則っている。

個々の動きについては、動画内で解説している通りなのでそちらに譲るが、実際に修練してみてどうしてもうまくいかないという場合には、この大東流が「柔(やわら)」の術であるということを思い出していただきたい。

筋力を使わず、のびやかに自らの丹田の力を末端へほとばしり出す。
そんなイメージをもって鍛練に臨まれることをお勧めする。

今回、相手の体に「張り」を作って無力化していくという概念が出てきたが、次回以降、その思考法を発展させた動きを取り上げてみるつもりだ。
東京稽古会への参加については、ブログ内に設置してあるメールフォームから問い合わせください。
其の二百九十三 挟んで斬る 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回は、古武術の動きに合掌(「いただきます」のかたち)が非常に有効だという話をします。
日本人は昔から、自然の恵みや、人知を超えた存在に対して敬虔な気持ちになったとき、そっと手を合わせて感謝の気持ちを表すことをしてきました。

掌を自然に合わせると、口から顎の高さに指先があり、脇が締まります。
肩甲骨は自然に下がり、身体の力は抜けて、重みがの丹田のあたりで感じられるのではないでしょうか。
この感覚で体を動かすことが、大東流の操作法として、とても理にかなっているんです。
動画を見ましょう。
相手が中段突で攻撃してくるところを、体を捌いて外します。
このときに突きこんできた拳(手首)と、肘の急所(前々回「其の二百九十一 肘を斬る」参照)を同時に手刀で挟むようにします。

手首は峰(親指側)で引き付けるように、肘は刃(小指側)で切り込むように伸ばします。
この押し引きのバランスで相手の腕を攻めることで、全身の動きを止めるのですが、両方の手刀の使い方に極意があります。
それが、「いただきます」のかたちなんです。

これまでも大東流の身体操作法を何度も解説してきましたが、伸ばした手刀と、引き込んだ手刀は、どちらも自分の中心で使われていることが重要です。
正しい方法で相手の突きを止めたとき、両方の手刀を合わせると掌はぴたりとくっつくはずです。
このかたちが合掌、つまり「いただきます」になるんですね。

脇が締まり、肩の力が抜け、指先まで柔らかく張って手刀が活きた状態。
この状態が相手を抵抗なく制する、柔(やわら)の身体運用法です。

稽古では、お互いに感謝の気持ちを忘れずに、身体を動かすことのできる幸せを感じながら…とよく話します。
さまざまなことに合掌する気持ちで、修練することも大切かもしれませんね。
其の二百八十五 腰で斬る 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術の考え方を、修練を通して学んでいく東京稽古会の本稽古。
本稽古で基本の動きを習ったあとは、それを型の稽古に落とし込んで繰り返し練り込んでいくという方法で古武術の上達を目指しています。

今回の動きは、手刀を全身の連動で使うということを一つの主題としていますが、大東流の型としては、片手取小手返と呼ばれています。
まずは動画を見ましょう。
片手を掴んで攻撃してきた相手に対し、手刀を活かして肩を詰めます。
前回、前々回から取り上げている手刀の概念をいま一度おさらいしておいてください。
柔らかく指を開き、掌から丹田の力を放出するような意識が重要です。
身体を捌きながら、手刀で外側から斬り込むようにします。相手の親指を斬っていくようなイメージを持ってください。

ここが今回の最大のテーマですが、肩から先の力で手刀を動かしてしまうと、相手の力とぶつかり合って、崩すことはできません。いわゆる、「小手先の動き」になってしまうんですね。
刀を振る時のように、足を使い、腰を動かして手刀を操作しましょう。
相手の身体の中心を、腰を使って斬るような意識で稽古してみてください。

手刀がうまく使えれば、相手の身体は体幹部分から崩れます。
続いて、斬り込んだ手の先を小手返しに捕ります。
小手返しのポイントは動画内で説明していますので、そちらを見てください。
それよりも注意したいのは、この小手を取りに行くときに、手先だけを伸ばさない、ということです。

先ほど今回の最大のテーマといいましたが、手刀を操作するときに小手先だけで動かしたのでは、力を伝えることができません。
ここでも同じように、腰と連動させるようにして、小手返しに手首を極めましょう。
この動きを習慣づけられるようになりましょう。
基本の考え方ですが、非常に効果的で、重要です。

もちろん小手返は、この手刀の操作法だけではなく、ほかにも様々な技法を組み合わせて行われますが、こうした一つ一つのアプローチを引き出しとして習得することで、総合的に技術向上へとつなげていきましょう。
其の二百八十一、体幹トレーニング 大東流合気柔術 
大東流合気柔術 東京稽古会の鍛錬法を3回にわたって紹介しています。
今回は<体幹トレーニング>です。

脱力した状態で、大きなパワーを生み出すことのできる体幹の筋肉。
体幹を鍛錬することで、古武術に必要な小手先の筋肉に頼らない動きを手に入れることができます。
また、インナーマッスルを使うことで、効率的で疲れの少ない身体運用が可能になります。
では、動画を見てください。
【※正しいフォームを取らないと、トレーニングの効果は上がりません。最初は鏡を見たり、誰かにチェックしてもらうのが良いでしょう】

①クランチ(腹直筋)
仰向けに寝る。両膝を立て、腕を体の脇に伸ばします。掌は下向きです。
ドローインして、へそを覗き込むように上体を起こします。
肩甲骨が床から離れる程度にしてください。

起き上がる時に腕を使わず、腕は床と平行になるように肩と一緒に浮かせます。
ゆっくり持ち上げ、同じ速度で戻します。5~8回を1セット。2~3セット行いましょう。

②クロスクランチ(腹直筋、腹斜筋)
仰向けに寝た状態で右膝を立て、左の手を頭の後ろに回します。
ドローインして、右膝からつま先までを床と平行に伸ばし、右膝の外側と左ひじの外側が触れるまで、上体と足を引き上げてください。

ゆっくり引き上げ、同じ速度で戻します。
足の角度を床と平行に保ってください。
息を止めず、呼吸をしながら行いましょう。引き上げるときに吐き、伸ばすときに吸います。
5~8回を1セット。2~3セット行いましょう。手足を変えて同じ動きをおこないます。

③フロントブリッジ(腹直筋)
うつぶせの状態から、肩幅に肘を突き、骨盤幅につま先をついて身体を持ち上げます。
ドローインして、頭の先から尾てい骨までが一直線になるようにお尻を引き上げます。
ゆっくりと引き上げて、同じ速度で戻します。

肘や足の筋肉を使わず、骨盤周りの力を意識して行います。
また、お尻や頭が上がりすぎたり、下がりすぎたりしていては効果はありません。正しいフォームで行ってください。
5~8回を1セットとして2~3セット行います。

④サイドブリッジ(腹斜筋)
横に寝た状態から、肩の真下に肘を突き、上体を持ち上げます。

ドローインして、頭の先から腰までが床と平行になるように腰を引き上げてください。
この時、上から見ても頭から足先までが一直線になるようにフォームを取ります。
ゆっくりと引き上げて、同じ速度で戻しましょう。
頭が前に出たり、腰が後ろに出たりしがちなので、気を付けてください。
胸を張り、骨盤と上体がまっすぐになっていることをイメージしましょう。

肘の力で持ち上げようとするのではなく、脇腹のあたりを意識して使います。
上手くできない人は肘を肩のやや内側につくと、やりやすくなるでしょう。
方向を変えて同様に。5~8回を1セットとして2~3セット行います。

⑤ダイアゴナル(脊柱起立筋)
両手両膝をついた状態で、ドローインします。
右腕と左足を、背中と平行になるように伸ばしてください。
この時、手の指先からかかとまで、横から見たときに一直線になっているように。
また、膝が外側を向きがちですが、まっすぐに引き上げます。

背中が反りすぎると、効果がありません。また、丸くなりすぎても同じです。
テーブルのように、平らに、床と平行になるように調整してください。
背骨の周りの筋肉を意識して使うことが必要です。
ゆっくりと引き上げ、同じ速度で戻しましょう。

古武術に必要な体幹トレーニングを紹介してきました。こうして体幹を鍛錬することで、基礎代謝を上げることができます。
古武術の上達にもつながります。一人でもできる稽古法としてお勧めです。
皆さんも毎日の鍛錬に取り入れてみてください。