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扶桑会について

指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】 

入会希望者が参加可能な公開稽古は4月29日(月・祝)13時30分から16時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。

扶桑会のYouTubeチャンネルでは「メンバー限定動画」の配信を始めました。一般公開の動画ではカットしている口伝や、道場でしか見せないコツを取り上げています。
興味のある方は 「Aiki-Kobujutsu」チャンネルホームページ にアクセスして「メンバーになる」から購読手続きしてください!
【扶桑会がTV放送されました!】 縦に使う1 
NHKWorld「J-arena」(↑上の画像をクリックすると無料視聴できます) 
 

【関連商品】 縦に使う1 扶桑会DVD「柔(やわら)の力の完成」←Amazonへリンク   
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【動画解説】其の四百七十一 肚で投げる 大東流合氣柔術 扶桑会  




このところ末端の力を使わず、肚(丹田)から力を発するという身体操作法を連続して取り上げている。

無論、大東流の動きのどれをとっても、小手先の力だけで完結するものはないのであるが、今回紹介するのは、その中でもより中心からの力、また手先足先の脱力が求められる操作法となる。



肚で投げる4



と言っても内容的には新奇なものではなく、座った状態で両手を掴まれたところを手刀を使って詰め上げ、投げ倒すという、いわゆる「合気上げ」の鍛錬である。

この日は冒頭で受身の訓練も行ったため、膝行しながら次々に相手を変えて合気投げを連続していくという形で稽古してみたのがこの動画である。







このように前後左右あらゆるところからの攻撃に、常に動きながら対処することは良い修練になる。

ともすれば静止した状態から始めがちな合気上げの稽古であるが、準備の整わない状況を敢えて作ることで、肩に力を入れず、肚から力を出し続ける感覚を磨いていく。



肚で投げる3



熟練者はさらに、相手が来るのを待つだけでなく、自分の方から膝行して相手に近づいていく動きも加味してみると良い。

そうすることで、自分の骨盤の上に上半身を垂直にのせた状態を維持するというポイントの重要性がはっきりするだろう。



肚で投げる1



前のめりになったり、後ろに傾いたりしてしまうと、必然的に小手先の力を出さざるを得なくなる。

力を発揮するためには、自然体を崩さないことがいかに大事であるかを理解するのにも良い訓練法である。



肚で投げる6



受けを取る側は、自部が投げられる方に爪先を向け、柔らかく身体を使って大きく受身を行うこと。

複数組で修練する場合には、他の組の受け手と衝突しないように注意しながら訓練してください。






Posted on 2024/01/27 Sat. 19:02 [edit]

category: 両手捕

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tag: 大東流  合気柔術  中心  古武術  受身 
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【稽古日誌】令和6年1月11日、14日、18日 大東流合氣柔術 扶桑会  




大東流合氣柔術 扶桑会の稽古日誌、今回は1月中旬の修練の内容について記します。

扶桑会は毎年一つの文字を選んで稽古場所に掲げます。
稽古の中で大事にしたい心構えや考え方を目に見えるようにしておこうという試みです。

今年は「今」を選びました。



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「一大事と申すは今日唯今の心なり」とは、禅の世界でよく語られる教えですが、神道にも「中今」という概念があります。

過去にこだわらず、先々にとらわれず、今この瞬間だけに心の焦点を当てること。
古武術の修行とは究極を言えばその境地にたどり着くことだと考えています。

あらゆる雑念を排し、純粋に「今」に没入して稽古をやり通すことができるか否か?
この一年をかけて取り組んでいきたいと思います。



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さて、1月11日(木)の稽古です。
この日は湾岸地域にある民間体育施設での稽古となりました。



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いつもの稽古場とは東京の西と東に大きく分かれるため、通うのに負担がある人もいると思いますが、それをものともせず集まった会員さんたちと熱気高く修練しました。



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柔術としての大東流は、合気道や柔道などとは違い、投げ落として終わりではありません。
昨年までの反省点として、痛みを伴う関節固定などを省略してしまうことも多かったことがありました。

しっかりと固め、極めを施して動きを奪い、技を完成させることを心がけていきます。



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続いて1月14日(日)の稽古。

重心移動を使った固定方法や、相手の自由を奪うための位置取りなどをテーマに修練しました。



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力ずくで押さえ込んだ場合、相手の反発する力に負けた時点で逆転を許してしまいます。

全身の連動を使って、筋肉の力ではない理合で固めることを目指さなければなりません。



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また、関節の捕り方、身体のどこに密着させると効果が出るのか、ディティールの部分も重要です。

全体を大きくとらえながら、細かいところへの目配りも忘れずに。



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まさに日常生活でも求められる教訓ではないでしょうか?

大東流の口伝は、古武術以外にも活かすことのできる含意の宝庫です。



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最後は1月18日(木)の稽古。

基本の形を修練した後、この日は二カ条の動きで手首を制する鍛錬に取り組みました。



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身体の位置取り、捌き、指の使い方…。

理屈はわかっていても相手を前にすると、自分の思う様に動けないのが実際です。



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想定と違ったことが起きても、小手先の力で無理やりにこね回さないことを意識して稽古をするのが大事です。



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少しずつ、感覚をつかんでいってください!



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Posted on 2024/01/22 Mon. 20:28 [edit]

category: 稽古日誌

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tag: 大東流  合気柔術  古武術  手刀  連動  重心 
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【動画解説】其の四百七十 まわる 大東流合氣柔術 扶桑会  




今回も、肚を「力の出所」にする身体操作について、引き続き解説していきたい。



まわる3



これまで剣を振る動きと膝行で足運びをする場合に、身体の中心から「肚から動く」という意識を持つことによって、大東流合氣柔術の様々な操作に応用できる感覚が養成できることを見てきた。

特に前々回「其の四百六十八 肚で動く」では足と腕を同時に操作する鍛錬法で、強引に肚を使って動く意識付けを行った。







それでは前方後方に複雑に動き回る膝行であればどうなるだろうか?
慣れない動きであるがゆえに、どうしても足先に推進力を頼ったり、上半身による反動を使って身体を進めてしまいがちだ。



まわる5



ここで有効なのは「力は出すものだ」という古武術ならではの思考法である。

どのようなスポーツであっても、あるいは日常生活、仕事においても、私たちは口癖のように「力を入れる」と口にする。
たとえば「力を入れて頑張ろう」、「もっと力を入れなさい」という具合に。



まわる1



今回の動きが特にわかり易いのは、「力を入れる」場合、その部位としては足先と上半身の胸から上になることだ。
実際に試してもらえると良いが、明らかにその部分にしか意識がいかないことに気付かれると思う。

反対に「力を出す」という意識を持ちながら、前後左右への膝行を行ってみてほしい。



まわる4



身体の中心である丹田(肚)の辺りを起点として、放射状に力が発揮される感覚に導かれて、滑るように身体が移動していくはずだ。

ちょっとした意識の違いが、実際の操作においてかくも大きな効果を生む。
「力を出す」という概念については、今後も引き続き研究を重ねていきたい。








Posted on 2024/01/20 Sat. 19:00 [edit]

category: 基本動作

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【稽古日誌・動画解説】其の四百六十九 令和6年1月8日 稽古初め 大東流合氣柔術 扶桑会  




大東流合氣柔術 扶桑会、令和6年最初の稽古日誌です。
今回は一年の古武術修行の始動となる稽古初めについて、その内容を記していきます。

同時に「稽古初め」と題してYouTube動画も公開しましたので、そちらにも若干の解説を加えてみたいと思います。



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1月8日(月・祝)、神道扶桑教世田谷太祠にて、「稽古初めの儀」が執り行われました。

扶桑教は中世から続く富士山信仰「富士講」の流れを汲む教派神道です。
世田谷太祠にはその大教庁(本部)が置かれています。

この日は厳粛な雰囲気の中、古式の神道作法に則って神事が進められました。



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神道に限らず、古来から伝わる儀礼や祭式は、現代になってその継承が危ぶまれているものも多くあります。
それらは単純な形式を保存しているのではなく、所作や動きの「形」の中に込められた精神性を伝承していると、私は強く感じています。

一つの儀礼、祭式が失伝するということは、そこに込められた古(いにしえ)の人々の子孫への思いが忘れられてしまうことにほかなりません。







古武術という、現代においては軽視されがちな伝統技術に携わる我々にとっても、こうした現状は共通の課題です。
今を生きている人間は、数えきれないほどの多くの先人の命を受け継いでここに存在しているのだということを、心にとめておくべきであると思います。



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稽古初めでは、毎年恒例となっている神前奉納演武も行いました。

一年の初めに、これまでの蓄積と、これから目指す武術の方向を神前で披露します。



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動画の中でも見ていただけますが、今年は古式の柔術技を多く取り入れた演武としました。
また、神前での所作をこれまで以上に意識しています。



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現代武道でも、厳格な所作を行うところもありますが、私たち扶桑会では、その所作の意義を知り、さらにその精神性を体現することを目指します。



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相手とつながり、そのつながりを失わないように技を終える。
その意識は周囲の環境への配慮を失わない心得に通じ、ひいては実生活において自他の関係性を良好に保つことへと転じていきます。



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令和6年も、心楽しく充実した稽古に邁進していく所存です。

本年も、大東流合氣柔術 扶桑会の動画解説ブログ、稽古日誌をよろしくお願いいたします。



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Posted on 2024/01/13 Sat. 19:13 [edit]

category: 稽古日誌

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【動画解説】其の四百六十八 肚で動く 大東流合気柔術 扶桑会  




  【謹んで新年のお慶びを申し上げます】
 令和6年、大東流合気柔術 扶桑会は創設から10年の節目の年を迎えました。
 私たちはこれまで動画、画像、テキストなどを駆使しながら古武術の思考法や技術を発信してきました。
 そのスタイルは今後も変えることなく、さらに新たな展開を模索していくつもりです。
 今後も、扶桑会の活動をよろしくお願いいたします!




肚で動く1



自動車は大変便利な文明の利器だ。人を乗せ、重い荷物を遠くまで運び、人の労力はたかだかアクセルやブレーキを踏む程度の脚力と、ハンドルやレバーを操作する腕力があれば良い。
昔は井戸や泉まで桶を担いで水を汲みに行くことで得られた飲み水も、現代では指先で水道の蛇口をひねれば手に入る。

欲しい品物はスマホ画面をタップするだけで自宅に届けられ、人と交渉するために遠い道程を移動することもなく、コンピュータ端末を指で操作すれば海外の人ともビデオ映像を通して会話ができる。

2020年代、私たちの社会はさらにこうした「体の末端で何でもできる生活」への傾斜を強めていくだろう。
バーチャル世界の一般化が進めば、脳と機械が直結するような極端な現実感覚が到来するかもしれない。







現代人が作り上げたこの「身体の末端を使うだけで生きていける世界」は、はたして文明として進化しているのだろうか?

いうまでもなく、人は呼吸しなければ生きていけないし、食物を摂取し消化吸収しなければ肉体を維持できない。
空気や血液を循環させるための各臓器が全身に配置され、片時も休むことなく連携しながら私たちの身体の奥底で働き続けている。
人間の生命システムは常に全体として機能し、どれ一つ欠けても身体は成り立たない。

文明が極限まで進んで、身体の末端で「生活を処理する」社会が出現することに、生命体としての人間は根源的な不安を感じ始めているのではないだろうか。
先進国での精神疾患や孤立は増加の一途をたどり、その病理を解明する立場からは「身体性」を取り戻す必要性が指摘されている。自分の身体を、自分のものと感じて生きられないことが耐え難いストレスを生んでいるのだという。

人間は宇宙の一部として、その全身を使って生きるのが自然な姿なのだ。



肚で動く5



さて、今回の鍛錬法「膝行素振り」はまさにその全身を連動させて使うというコンセプトがその中核をなす。

足を使って体を進め、腕を使って剣を振るという操作を同時に行うのだが、その時に体の中心、つまり丹田(肚)を起点に力を発していく意識を働かせる。
足の爪先や剣の柄を握る手に力がこもってしまいがちだが、むしろ体の末端は柔らかくし、肚の中心から力を放出するようにして進んでいく。



肚で動く3



足と腕を同時に使うことによって、却って末端への執着が薄くなる。
始めはぎこちない動きに苛立つことがあるかもしれないが、繰り返し鍛錬していく中で、いつしか身体の中心を発したエネルギーが全身をくまなく通過する感覚に気付くだろう。

その時、身体の奥底に閉じ込められていた人間本来の生きる喜びが湧き出てくるのだ。



肚で動く2



これは、末端だけを使って「生活を処理していく」科学文明に対する、生命の側からのアンチテーゼである。

大仰に聞こえるかもしれないが、これからの時代を生きていく人間にとっては重要な視点ではないだろうか。





Posted on 2024/01/06 Sat. 19:00 [edit]

category: 基本動作

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【動画解説】其の四百六十七 剣を振る 大東流合氣柔術 扶桑会  




扶桑会では脱力のための鍛錬法として、木剣による素振りを推奨している。
これは通常立位で行うことを想像されると思うが、今回紹介するのは座ったままで振り下ろす方法である。



剣を振る1



立って行う素振りは、足の前への踏み込み、あるいは後退と合わせて全身の連動を用いて行う。

動画で説明しているように、立位の場合でも腕の力を使うのではなく、肚(丹田)から発した力を剣に乗せ、切っ先の軌跡が最大円周を描くように振る。







ところが坐位の場合には足の移動を伴わないために、肚の意識をより深く持たなければ、先に述べたような感覚で振ることはできないのだ。
はじめのうちはどうしても肩から先で剣を操作してしまいがちだ。足を使えない分、立って剣を振るよりも難しさが増すという実感を抱かれる方が多いのではないだろうか。
その分、鍛錬としての実は上がる、と私は考えている。



剣を振る5



さらに、我々の鍛錬法として坐位での素振りが適しているといえる理由に、東京の地域的事情として公共の場で木剣を振ることが難しいということがあげられる。
立った状態で自由に木剣を振り回すことができるほど、自宅に広い庭があれば話は別であるが、多くの人はそのような恵まれた環境を持っていない。

公園で模擬刀を使って居合の修練をしていた人が警察に捕まったという笑えない話もあるほどだから、深夜であっても人目につくところで剣の素振りをするなど、憚られるのが都会の実情なのだ。



剣を振る6



その点坐位で行う剣の素振りは部屋の中でも安全に行うことができる。
畳一枚のスペースがあれば家族に迷惑をかけることもなく、納得いくまで鍛錬が可能だ。



剣を振る4



少々情けない話ではあるが、かくのごとく普通の社会人が武術の稽古を行うのには、若干の制約がある。
それを知恵と工夫で乗り越えていくのも、現代の武術者に課せられた命題だとせざるを得ない。





Posted on 2023/12/30 Sat. 19:00 [edit]

category: 基本動作

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【稽古日誌】令和5年12月24日稽古納め 大東流合氣柔術 扶桑会  




大東流合氣柔術 扶桑会の稽古日誌。今回は12月24日(日)、令和5年の稽古納めの記録です。



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「結」をテーマに掲げて行った今年の稽古。

武術的には相手と接触するその瞬間に、どれだけ集中してつながりを作り切れるかということを、追求しました。



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攻撃をはじき返すのではなく、押し込まれてしまうのでもなく、柔らかく受け入れたうえで「結び」をつくる。

「結び」「つながり」がない合気柔術は、単なる力のせめぎ合いに過ぎないのだと、会全体の共通認識ができました。



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一方で、単に武術にとどまらず、周囲の人々、社会、環境との「結び」も、私たちの日常においては重要なことです。

それぞれが社会的、個人的な役割を担いながら、この世の中で活動する中で、やはりお互いが支え合い、影響し合っていることを忘れた人生は不完全なものだと、私は考えます。



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この世界のうちで誰一人、何一つ欠けても、今の通りの自分ではありえない。

そうした深い自覚をもって、人と、環境と「結び」を作っていくことも隠されたテーマでありました。



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扶桑会ではいつも、「稽古は練習、日常が本番」ということを合言葉のように確認し合います。

「結」の精神は来年以降も、皆さんの日常に生かしていってほしいと思っています。



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稽古終わりには、いつもにも増して丁寧に拝殿内の清掃を行いました。

毎週私たちを受け入れてくださった神道扶桑教さん、また、神聖な神殿で騒がしく身体を動かす私たちを見守ってくださった神様に、深く感謝の思いを込めます。



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納会は明大前の居酒屋で。



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漸く感染症の影響も去り、ゆっくりと皆で語らいながら一年の稽古を振り返らせてもらいました。



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このブログを読んでくださっている皆さまにも、今年一年の感謝を申し上げます。

来年も扶桑会の稽古日誌をよろしくお願いいたします。



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Posted on 2023/12/28 Thu. 17:00 [edit]

category: 稽古日誌

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【動画解説】其の四百六十五 乗せて沈む 大東流合氣柔術 扶桑会  




今回は相手の力を受け止め、つなげたまま引き落とす操作法について解説してみる。

単純な動きに見えるが、大東流合氣柔術の重要な思考法を含んだ身体操作だ。



乗せて沈む



ちなみに今回、技術展示しているのは、普段は受けに回ってくれている会員である。
今後は少しずつ、自分なりの技術の解釈を公表していく機会を設けていきたいと考えている。

人に見てもらうということは、批評にさらされるという点で大変厳しいものではあるが、その一方で非常にたくさんの気づきを得る経験でもある。
技術向上の良い契機となることを期待したい。







前置きが長くなってしまったが、動画のタイトルにあるように相手が両手で掴んできたその力を、自分の身体に「乗せて、沈む」。

簡単に言うとそれだけの操作だが、この二つの動作のあいだに、相手とのつながりを維持することが非常に難しい。



乗せて沈む1



動画の中で「どこを押しているか分からなくする」という言葉が出ていることに注目してほしいのだが、相手が掴んできたときに単純に押し返してしまうと、相手は攻撃の目標を定めやすくなる。

そうなると、力押しに突破されてしまう。



乗せて沈む4



つかまれた両手で対抗するのではなく、腰、骨盤のあたりで受け止めることで、相手は力の向けどころを失う。
その反対にこちらとしては、相手の身体の深いところを捕まえたような感覚を得られる。

これがつまり「つながる」ということなのだ。



乗せて沈む2



腰で捕まえた相手の力を、今度は真下に向けて誘導する。
二つの動作を断絶することなく、一つの流れで行うことで「つながり」を失わない感覚をつかんでいただきたい。






Posted on 2023/12/16 Sat. 19:00 [edit]

category: 両手捕

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【稽古日誌】令和5年12月3日 7日 10日 大東流合氣柔術 扶桑会  




大東流合氣柔術 扶桑会の稽古日誌。今回は12月上旬の修練内容について記していきます。

まずは12月3日(日)の稽古。



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肘関節に対する操作を中心に基本の形から。

いくつかの口伝を中心に修練しました。



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大東流合氣柔術は相対的に筋力が強くない人でも十分に使える技術であるということが、その特徴です。

それは部分的な筋力に依拠しない術理を用いるからです。



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逆に言うならば力に頼った身体操作を行っていては、合気柔術の本質を会得するのは難しいということでもあります。



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鍛え上げた筋肉によるパワー・スピード全盛の現代にあって、時代遅れのようではありますが、孤塁を守るつもりで術理の継承を行っていきたいと考えています。



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続いては12月7日(木)の稽古。
この時期にしては暖かい日が続いていましたが、グッと冷え込んできた中での修練でした。



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扶桑会では昇段して黒帯を取得するに至るまで、少しずつ昇級の階梯を登っていく仕組みを採用しています。



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具体的には一カ条30本の形を習得することになりますが、初心者にとっては形を覚えるだけでも難易度高く思われるものです。



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先行した修行者が、自分の得た術理を惜しまずに後に続くものに対して分かち合い、その手助けをする…。

そうした好循環が、扶桑会の修練では機能しています。



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良い「受け手」であることがすなわち良い武術修行者である。
これは日常を生きる者としても通じる真理であると思います。



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最後は12月10日(日)。この日は12月の本稽古となりました。



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肚(丹田)の意識、軸の意識をテーマに3時間の稽古。



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最初の一時間はひたすらに膝行、足捌きを訓練しました。

日常では決して行わない身体操作ですので、身体への負担は大きかったと思いますが、だからこそ古武術大東流の理解には欠かせない考え方を得ることができるのです。



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手足や指先など末端のみを動かして生活することが主体になっている現代人の脳は、スマホなどメディアからの視覚的に入力される大量の非現実情報に圧倒されています。

そうした中では身体による切実な感覚を通して外界とかかわっていく、人間本来の認知能力を損なっていく恐れがあるのではないかと、私は考えています。



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古武術大東流の継承によって、少しでもその流れが良い方向へと変わることを望んでいます。



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Posted on 2023/12/16 Sat. 17:38 [edit]

category: 稽古日誌

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【稽古日誌】令和5年11月23日 26日 30日 大東流合氣柔術扶桑会  




大東流合氣柔術 扶桑会の稽古日誌。今回は11月下旬の修練について記していきます。

まずは11月23日(木・祝)の稽古。
中心をとらえるための基本動作から始めました。



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この日は現在の日本では「勤労感謝の日」という祝日になっていますが、戦前の日本では「新嘗祭」という、日本人の心に大きな意味合いを持つ日でありました。

「新嘗祭」は、私たちに収穫物などの恵みを与え、いのちを繋げてくれている超自然的な存在に対して、天皇陛下が感謝をささげる儀式を行う、日本に古来から伝わる重要なお祭りです。
もちろん宮中では今も変わらずに執り行われているのですが、昔はそれを国民全体で共有し、寿いでいたのです。



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「勤労感謝」は現在を生きる具体的な「人」に対する感謝で、それはそれで大事なことではありますが、やはりなにか本質的なものから視線が逸れていくような気がするのです。

人智を超えた存在を感じ、畏敬の念をもって、今の自分の生命があることに対して感謝する。
自然体を目指して修行する私たちにとって、本質とはそこなのではないかと、私は考えています。



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「中心をとらえる」という修練は、物事の本質をとらえるということにほかなりません。
身体と精神を使った稽古を行ないながら、人として奥深いところにある本質を見つめ直すことも大切にしていきたいものです。



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続いて11月26日(日)は遠く鹿児島からやってきたゲストが大東流を体験しました。

古武術に触れるのは全くの初めてとあって、緊張感の中でスタート。



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作法や基本動作はひとまず置いて、合気柔術の動きの不思議さを感じてもらいました。



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扶桑会の自慢できるところは、初心の人に対する、経験ある会員さんたちの手厚いフォローです。
この日来てくれたゲストたちも、先輩会員たちの丁寧な指導で楽しんでくれたようです。



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そんな中、この日は2級、3級の昇級審査も開催。



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うって変わってピシッと張り詰めた空気の中で演武が行われました。

裂帛の気合とともに、熱の入った技術を披露して、無事に認定を受けました。



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盛りだくさんの内容で、あっという間に時間が過ぎた稽古でした!



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最後は11月30日(木)。

この日は比較的人数も少なかったため、受身や攻撃の心得などの基本的な考え方に取り組みました。



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相手とのやり取りの中で大きく受身を取る訓練は、安全のために広いスペースが必要です。



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こういう時こそ、思い切って全身で技をかけることを心がけます。



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お互いにコミュニケーションをとって、有意義な修練となりました。



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Posted on 2023/12/05 Tue. 19:02 [edit]

category: 稽古日誌

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

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