大東流合気柔術 東京稽古会スケジュール
次の本稽古は 1月24日(日)14時00分から17時00分まで
開催場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)に開催しています。通常稽古は会員限定です。
東京稽古会への参加を希望の方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)に開催しています。通常稽古は会員限定です。
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其の三百二十 両手取小手返 大東流合気柔術 東京稽古会 
古武術においては初動が肝心だ。稽古の中で常に話しているし、このブログでも何度か取り上げてきた。

一言で初動といってもいささかあいまいな概念だが、大東流合気柔術では相手の攻撃を受ける直前から受けた直後、どういう体勢を取り、かつ動くかというところが、そのポイントとなる。
この両手取の小手返も、その一挙動によって技全体の効力に大きな差が生まれる。
すなわち、両手首を捕られ、押し込まれた瞬間にそれをどう受け止めるか。
上半身の力で、反発するように相手に対してしまうと、大きく崩すことは出来ない。

力のぶつかり合いをせず、相手の体幹部分をコントロールするためには、手刀の使い方を知らなければならない。
姿勢を維持し、相手の身体の重心を自分の腰の上に乗せていくような感覚で力を伝えていく。

初動によってこの体勢を整えられると、相手は自ら掴んで自由を奪ったはずの手首に絡めとられるように、身動きが取れなくなる。
ここに、大東流合気柔術の妙味がある。

この動画にその一端を見せたように、脱力して、力の方向を意識する鍛練が必要だ。
そうした技の成り立ちから丁寧に理解したうえで稽古することを心がけたい。
其の三百十四 交叉取小手返 大東流合気柔術 東京稽古会 
たびたび言うことではあるが、大東流合気柔術では腕力に頼ってはいけない。
端的に、それでは技がかからない。

相手は攻撃するつもりで掴んだり打ってきたりするわけであるから、こちらもそれに応じた気構えや対応をとるのは当然だ。
だからと言って、その対応が腕力に任せたものになったのでは思う結果は得られない。
「力は入れない。力は出すもの」というのが、稽古中に再三出てくる言葉であるが、それはまさに至言である。
この小手返の操作においてもしかり。
掴みかかってきた腕の力に、こちらも力を入れて跳ね返そうとした途端、相手の抵抗を受ける。
抵抗は力のぶつかり合いとなって腕の動きがそこで止まる。

そのぶつかりに対応しようとさらに力が入り、さながら力比べの様相を呈する。
これでは合気柔術を標榜することはできない。

今回取り上げた操作法の初動において、まさにその「力を出す」という思考法を使っている。
相手の攻撃にぶつからない方向に、手刀を差し出す。
その操作一つで、以降の動きに腕力を使わずとも相手を制するきっかけを作り出している。

大東流合気柔術の核となるこの考え方だが、詳細に興味がある方は、ぜひ稽古会に参加してみてほしい。
其の三百十三、親指を攻める 大東流合気柔術 東京稽古会 
手首の関節をとって相手を投げ倒す小手返。
大東流合気柔術に限らず、徒手武術では代表的な操作法だが、初心者が往々にして陥りやすい難所がある。

それは、小手先の動きに気を取られすぎてしまうこと。
型の名前が「小手返」だからと言って、小手先の動きにとらわれると、相手は倒せない。
この技は小手(手首関節)を接点にとっていて、その部分を攻めているように見えがちであるが、実際はそうではなく、相手の体幹(腰)に崩しをかけている。

接点である小手への攻めは重要であり、動画で示したように、そこには正確な位置や操作が求められるが、最終目的は手首をひねることではない。
気ばかり焦って、手元ばかりを凝視しながら技をかけようと奮戦しても、相手の身体は盤石のままだ。

また、手を持ち替え、指のかけ方が気になって姿勢が前に前に傾いてしまうこともある。
こうなると、相手から返し技で反撃を食うことになりかねない。
「小手返は、小手を攻める技ではない」ということを心にとめて修練する必要がある。

名の印象に引きずられてその本質を見誤るというのは、武術だけでなく日常の生活においても起こりがちだ。
だからこそ、こうした古武術の修行を通じて、さまざまな出来事に対処する心構えを養成していってほしい。
其の三百八、両小手返 大東流合気柔術 東京稽古会 
手首関節を取って、全身を投げ、崩す小手返の技は体術の諸流派の中にも数多くある。
今回はその小手返の原理を使って古武術らしい身体の使い方を研究してみた。

小手返と言えば、片方の手首だけを極めることが多いが、今回は両手ともに捕ってしまう。
あくまでこれは手首の鍛錬、および手刀の使い方の修練の一環でおこなうのであって、実際にこう言った攻撃への対処を想定しているわけではない。
これまでにも取り上げてきたように、掛け手に取ることで相手の重心を前に誘導する。
大東流の技術体系では初動が最も重要だが、ここでも相手のバランスが崩れていない状態ではそのあとが効かない。

動画で解説している通り、小手返は小指の締めで力を伝えていく。
初めのうちは親指の力で押してみたり、握力を使って相手の手首に圧力を加えてみたりということが続くと思うが、それらはすべて逆効果だ。

あくまでも剣を操作するように、手刀の意識をもって操作しないと、相手は動いてくれない。
現代人の力の使い方とは異なる感覚で、もどかしいことこの上ないが、我慢して稽古してもらいたい。

日本人がかつて有していて、今は失ってしまった身体感覚をとりもどすのは、一朝一夕にはいかない。
だが、それがまた大東流合気柔術を修行する愉しみのひとつでもあるといえる。
其の二百八十五 腰で斬る 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術の考え方を、修練を通して学んでいく東京稽古会の本稽古。
本稽古で基本の動きを習ったあとは、それを型の稽古に落とし込んで繰り返し練り込んでいくという方法で古武術の上達を目指しています。

今回の動きは、手刀を全身の連動で使うということを一つの主題としていますが、大東流の型としては、片手取小手返と呼ばれています。
まずは動画を見ましょう。
片手を掴んで攻撃してきた相手に対し、手刀を活かして肩を詰めます。
前回、前々回から取り上げている手刀の概念をいま一度おさらいしておいてください。
柔らかく指を開き、掌から丹田の力を放出するような意識が重要です。
身体を捌きながら、手刀で外側から斬り込むようにします。相手の親指を斬っていくようなイメージを持ってください。

ここが今回の最大のテーマですが、肩から先の力で手刀を動かしてしまうと、相手の力とぶつかり合って、崩すことはできません。いわゆる、「小手先の動き」になってしまうんですね。
刀を振る時のように、足を使い、腰を動かして手刀を操作しましょう。
相手の身体の中心を、腰を使って斬るような意識で稽古してみてください。

手刀がうまく使えれば、相手の身体は体幹部分から崩れます。
続いて、斬り込んだ手の先を小手返しに捕ります。
小手返しのポイントは動画内で説明していますので、そちらを見てください。
それよりも注意したいのは、この小手を取りに行くときに、手先だけを伸ばさない、ということです。

先ほど今回の最大のテーマといいましたが、手刀を操作するときに小手先だけで動かしたのでは、力を伝えることができません。
ここでも同じように、腰と連動させるようにして、小手返しに手首を極めましょう。
この動きを習慣づけられるようになりましょう。
基本の考え方ですが、非常に効果的で、重要です。

もちろん小手返は、この手刀の操作法だけではなく、ほかにも様々な技法を組み合わせて行われますが、こうした一つ一つのアプローチを引き出しとして習得することで、総合的に技術向上へとつなげていきましょう。