fc2ブログ

扶桑会について

指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】 
  
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
  
【関連商品】扶桑会DVD「柔(やわら)の力の完成」←Amazonへリンク

其の四百三十五 柔らかく開く 大東流合気柔術 扶桑会  




「柔らかく」という言葉は、この大東流合氣柔術において、とかく誤解を受けがちだ。

ふにゃふにゃと、いわゆる「柔弱」であるのとは異なる柔らかさであり、むしろ圧倒的な質量を感じさせるものが、この「柔らかい」概念の中には存在する。



柔らかく開くサムネ



この動画では、少しでもその理解に役立ててもらえたらという意味を込めて「開く」という言葉を連接して動きを紹介してみた。







一義的には「手(手のひら)を開く」ということではあるが、手だけを開くのではなく、同時に「全身を開く」のである。

最初は感覚がつかみにくいとは思うが、手のひらを開く場合に、そこから遠い足先、頭の先を開くような意識を持ってみてほしい。
エネルギーが充満して、身体の外に溢れ出していくようなイメージと表現するとわかり易いだろうか。



柔らかく開く2



この「開く」操作がうまくいくと、受け手は掴んでいる手首を離すことが出来なくなる。

手のひらに密着した手刀の部分が、思いがけない大きな力で動き出し、それに受け手は追随していかざるを得ないような感覚に陥ってしまう。



柔らかく開く1



冒頭述べたように、それは相当に「大きく強い力」として感知される。

それは受け手が握っている接点を通じて、捕り手の身体全体の力が減衰することなく流入してくるからである。
この時に捕り手が少しでも身体を固くし、肩から先の筋肉の力で動かしてしまうと、この魔法は解けてしまう。



柔らかく開く4



現時点で私が感得している「合気」という概念は、おおむね上記のような表現で説明しているところである。







スポンサーサイト



Posted on 2023/05/20 Sat. 19:00 [edit]

category: 片手捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀  転換 
tb: 0   cm: 0

其の四百十七 肘を挫く 大東流合気柔術 扶桑会  




<令和5年より、我々は東京稽古会から
 「大東流合気柔術 扶桑会」と改称して活動してまいります。
 今後ともよろしくお願いいたします>



今回の動きは初伝二ヶ条の「肘挫」という形である。

肘を逆関節にとって極め上げることで腰を浮かせて身動きが出来ないようにするのだが、技として最も重要なのは相手が攻撃を仕掛けてきたところを受ける、その瞬間である。



肘を挫くサムネ2



こめかみを目がけて手刀で打ちかかってくる相手に対して、こちらも手刀を伸ばし、頸動脈を打っていく。

気を付けてほしいのは、肩から先の腕の動きだけで打つのではなく、しっかりと膝を進めて、腰を使って打つことだ。







腕だけで打つと、どうしても上半身が前に傾いてしまって力が伝わらない。

腰を前方に運ぶことで、身体を安定させた状態で手刀打ちを行ってほしい。



肘を挫く3



こうすることで、ただ相手の横面打ちを受けるだけでなく、同時にこちらの攻撃を行うのだ。

むしろ首への手刀打ちを受けた相手の方が大きく体勢を崩すように動くことが重要だ。



肘を挫き2



この初動で相手を崩れを誘ったならば、全身を一体化して方向を180度転換する。
するとあっけなく相手の身体は仰向けにひっくり返る。

このようにして倒すことが、その後の肘を挫く動きにつながっていくのだ。



肘を挫く1



裏を返せば、初動が不十分だと、柔術的な極めに持ち込むことは難しい。

肘を使った固め方については、今後機会を改めて解説していくこととしたい。






Posted on 2023/01/14 Sat. 19:00 [edit]

category: 横面打

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀  連動  転換 
tb: 0   cm: 0

其の四百一 入身投 大東流合気柔術 東京稽古会  




初伝一カ条「入身投」。大東流合気柔術に特徴的な、自分が坐位で、相手が経った姿勢で攻撃をしてくる、いわゆる「半座半立」の形である。



入身投サムネ3



この操作にも、実は「沈む」動きが大きく関係している。







初動で大切なのは相手の攻撃(両手取り)を受けた時、それを押し返さずに自分の腰に乗せたまま前方に膝行することである。
これを力で対抗すると、必ず失敗する。



入身投3



自然体であることを要諦とする合気柔術にあって、立った状態で前傾して攻撃を加えてくる相手は、制しやすいのである。
逆説的に聞こえるかもしれないが、動画で行われている操作をみてもらうとわかるはずだ。



入身投



前方に重心移動したら、その場で180度転換をして相手と背中合わせになり、手刀を前方に斬り落として投げる。
この転換の際に、一瞬立ち上がるのであるが、「沈む」動きはここで用いられる。

腰に乗せた相手の重心を、一瞬沈むことで体の崩れを誘い、それに乗じて大きな方向転換を行うのだ。



入身投1



地球の引力に合致した真下への沈み込みである必要があるのは言うまでもないが、やはり腕力に任せて振り回そうとするとうまくいかない。

脱力を心がけて、鍛錬してほしい。









Posted on 2022/09/10 Sat. 18:00 [edit]

category: 両手捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀  古武術  姿勢  中心  重心  転換 
tb: 0   cm: 0

其の三百九十五 中心で攻める 大東流合気柔術 東京稽古会  




両方の手刀を合わせて(合掌して)自分の中心の力を発揮する考え方を、数回にわたって取り上げてきた。
今回はその応用を紹介する。



中心で攻める4



動きとしては大東流合気柔術の四方投ということになるが、最後を投げ落とさず、立極めにしてしまう。







これは実際にやってみればわかることではあるが、立った状態で固め続けるには、腕の力を使っていては難しい。

少なくとも数秒間の間、相手の自由を奪うためには、部分的な身体の出力では維持できないのだ。



中心で攻める3



動画を見て感じ取られる方がいるかもしれないが、立極めに捕っている間、捕り手側は小指を受けての母指球にひっかけているだけである。

このことによって、手首や腕の筋力ではない、中心からの力が発揮される。



中心で攻める2



さらに、合掌こそしていないものの、相手との接点にある手刀の位置が自分の中心線の上にあり続けていることに注目していただきたい。



中心で攻めるサムネ2



足の捌きや、180度転換など、さまざまに体は動くために分かりにくいかもしれないが、相手との接点は常に自分の中心にある。
合掌によって中心の感覚を知ることでより精度の高い操作となるよう、修練してほしい。









Posted on 2022/07/30 Sat. 18:00 [edit]

category: 片手捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀  中心  転換 
tb: 0   cm: 0

其の三百六十二 両手取切返 大東流合気柔術 東京稽古会  




大東流合気柔術の修練の過程では、現代人が常識としている意識の転換が要求される。
そのことをこのところ何度かにわたって繰り返し述べてきた。



両手取切返3



今回の動きについていうと、「両手を掴まれたときに腕の力を使わず、脚を動かして身体全体で対処する」ということだ。







「身体全体で動く」という点についてはイメージしやすいが、「腕の力を使わない」」というところがやはり難しい。
稽古のときに、苦労するのもまさにその部分だ。



両手取切返5



どうしても、肩から先の筋力で相手を動かしたくなる。
だがそれは、相手の体重を自分の腕で支えていることにほかならない。



両手取切返1



肩から先の筋力で対応するということは、自分の腕の力で相手を動かすということだから、相手の全体重が自分の腕にかかってしまう。
古武術として、効率の悪い力の使い方なのだ。



両手取切返2



ここで意識を転換し、相手の重心を自分の体幹の上に乗せてしまう。
すると、驚くほどの力を発揮することが出来るようになる。

そのために、「両腕の筋力を使わない」という思考を自分のものにするための修練を積むのだ。




Posted on 2021/12/19 Sun. 10:00 [edit]

category: 両手捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  古武術  重心  転換 
tb: 0   cm: 0

其の三百六十一 前に置く 大東流合気柔術 東京稽古会  




人間、どうしても変えることのできない癖(へき)というものがある。
日常の嗜好や、ちょっとしたモノの見方に至るまで、習慣やこだわりに捉えらえて全く自由ではない。



前に置く2



大東流合気柔術の修行は、そうした日常生活の執着にまで目を向けさせてくれるから面白い。
今回取り上げたこの動きなども、さしずめその代表的なものと言えるだろう。







両手を掴んできた相手の身体に対し、腕の力を完全に空しくして、ただ下半身の動作によって意思を伝達していく。
動画の後半を見てもらえれば良くわかると思うが、これがまさに意識の転換を要求していて、難しい。



雨に置く1



現代人は長年の習慣から、「動かそう」という意思は、腕や手先の操作によって達成されるのものだと考えてしまう。
良し、悪しをいうのではなく、我々はそういう思考のもとに生活してきている。



前委に置く4



比較的長く修練してきている会員でも、その考え方から脱するのは至難の業だ。
まさに、「こだわりを捨てる」ことにほかならないからだ。



前委に置く3



一方で、素直に口伝を呑み込んで、ただ言われたとおりに脚だけを動かせば、あっけないほどに力は伝わる。

かくして大東流合気柔術は意識の転換を要求する。そのことを実感するために、とても良く適した鍛練法である。






Posted on 2021/12/12 Sun. 10:00 [edit]

category: 両手捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀  転換 
tb: 0   cm: 0

其の三百六十 並んで極める 大東流合気柔術 東京稽古会  




掴んだ手首を何故か離すことが出来なくなり、自分の意志とは裏腹に固め、極められてしまう。
そうした大東流合気柔術の一見不可解にも見える動きを数回にわたって取り上げてみる。



並んで極める3



前回は居捕合気上」の変化応用について考察したが、今ここでは両者立った状態で両腕の手首を掴む攻撃を受けるところから開始する。

掴まれた手首をそのままに相手の隣に並ぶように体を転換すると、肩が詰まったように搦めとられ、動けなくなってしまう。







相手に「掴ませたままにする」というのが、大東流合気柔術ならではの考え方であり、またそれを習得するのが困難なところだ。

だが、考えてみれば元より攻撃を仕掛けようと意志をもって掴みかかってきたのは相手側だ。



並んで極める4



心理的に見れば攻撃の意志があるものにとって、それを瞬時にまた自在に切り替えるということはなかなか出来ないものである。
技をかける方は、その心の動きを理解したうえで攻撃を受けた部分を操作していく。



並んで極める1



つまり「違和感を感じさせないように」掴ませ続けるのだ。



並んで極める2



言葉にすれば容易に思える思考法であるが、これを実地に移すのはかなり難度が高い。
脱力、手刀の使い方についての理解、全身の連動などが統合されて成立する非常に精緻な操作法なのだ。

東京稽古会ではその理論的な裏付けを都度行いながら、体感的に修練を重ねていく。







Posted on 2021/12/05 Sun. 10:07 [edit]

category: 両手捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀  連動  居捕  合気上  転換 
tb: 0   cm: 0

其の三百五十九 くっつける 大東流合気柔術 東京稽古会  




大東流合気柔術に通じるには多くの階梯を経る必要があるが、中でも重要でありかつ難度が高いのが「意識の転換」である。



くっつける2



これから数回にわたって取り上げる操作、思考法はそうした意識の転換によって成立する。
いわば大東流の極意に近づくものと言っていい。







動画で取り上げた動きは、いわゆる「合気上げ」の変化応用形である。
座ったままにして、相手の攻撃を受け入れ、逆に投げ返し、制してしまう。



くっつける1



さまざまな要素がからむ技術であるから、単純に要約することは出来ないが、やはりここでも初動が最も核心だ。
相手の攻撃を受け入れるように、手刀を柔らかく開き、手の甲を接点に密着させる。



くっつける4



常識的に考えて、攻撃してきた相手の掴み手に対して、「柔らかく受け入れる」ということはナンセンスに思われるかもしれない。
上手い譬えではないが、自宅に押し入った強盗を奥の間に招き入れ、お茶を出してもてなすようなものだ。



くっつける3



しかしそうするうちに、相手は何も奪わずに大人しく帰っていく、それが大東流の動きに対して私が抱いている理想のイメージだ。

そのくらいの意識の転換を要求される考え方が、この合気上げ変化技には含まれている。
それを念頭に稽古していただきたい。




Posted on 2021/11/28 Sun. 10:00 [edit]

category: 両手捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀  合気上  転換 
tb: 0   cm: 0

稽古日誌 令和三年 7月22日、25日、30日  




7月22日(木)。この日は五輪競技会開催につき、海の日の振り替え休日でした。
と言っても、そのことに気づいたのは当日のことで、普段は平日の稽古には来られないメンバーが参加。



_20210722_213154.jpg



合気上げからの受け身稽古。肩から先の脱力を養成します。



_20210722_213234.jpg



手刀詰~小手詰めの鍛錬法。腰で操作する感覚をとります。



_20210722_213310.jpg



肘返。腕ではなく腰を使って崩していく稽古。



_20210722_213411.jpg



両肩捻。姿勢に注意して体幹の力を伝えます。

さらに短刀での中段突きを一本捕に制する修練。



_20210722_213651.jpg



このほど、いつもお世話になっている扶桑教の富士吉田本祠が国の有形文化財に登録されました。
本祠は145年前の建築を当時のそのままに保存されており、大変貴重な建造物であるところが評価されたそうです。
まことにおめでたいことですね。



_20210722_213001.jpg









7月25日(日)、扶桑教太祠での稽古。



_20210726_185131.jpg



手首の鍛錬連続技から居捕逆腕捕で二ヶ条をお浚いした後、両手取を「くっつけて」投げる動作…



_20210726_184905.jpg



その動きから体を転換して四方投の裏



_20210725_201939.jpg



受け身もしっかりとれています。鍛練を重ねて動きに迷いがなくなって来ました。



_20210725_201714.jpg



その後は習熟度に合わせて鍛錬。
肘返、裏落に取り組むチームと…



_20210726_185029.jpg



搦投、切返の重量級組…



_20210726_184946.jpg



猛暑もあって、いささか消耗したようです!



_20210726_232950.jpg



立会の正面打一本捕に丁寧に取り組んだ初心者組。



_20210726_184743.jpg



猛暑の中でしたが、充実した稽古となりました。



_20210726_233350.jpg










最後は7月29日(木)、扶桑教太祠での稽古です。



_20210730_082321.jpg



合気上げ鍛錬法



_20210730_103132.jpg



立合い胸取に対して逆腕捕。



_20210730_082834.jpg



相手の攻撃線に沿って崩しをかけていきます。



_20210730_103001.jpg



腕の力ではなく、腰を効かせて制するように。

居捕でも同じく。姿勢正しく崩せています。



_20210730_081055.jpg



大東流合気柔術の重要な動きを使いこなすための基礎的な修練でしたが、充実した稽古になりました。



_20210730_081520.jpg



新しく入会した会員を経験者がサポートし、お互いに向上していく良い循環が生まれていますね。

まだまだ暑さは続きますが、気を引き締めて鍛錬を続けていきましょう。

Posted on 2021/08/07 Sat. 15:03 [edit]

category: 稽古日誌

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀  一本捕  正面打  合気上  転換  受身 
tb: 0   cm: 0

其の三百三十五 両肩捻 大東流合気柔術 東京稽古会  




後から掴みかかられたとき、まったく手を触れずに投げ飛ばす。
大東流の後捕「両肩捻」という形である。



両肩捻4



「まったく手を触れず」という表現をしたが、実はこの「手を触れない」というところにこの技の真髄が含まれる。







相手の掴み手は両肩である。これを後ろから強く保持している。
対してこちらは上体を脱力し、骨盤にまっすぐ上体を乗せた姿勢をとる。



両肩捻1



このまま後ろ向きに身体を転換させる。この時に先ほど構えた姿勢を維持することが重要だ。



両肩捻3



相手は強くつかんだ手を離すことが出来ず、こちらの体幹の作用をまともに受けて、大きく崩される。
こちらの手、つまり末端部分で操作しない代わりに、もっとも強力な体幹の力を使えるのだ。



両肩捻2



いかにして腰の回転力を相手に伝えるかという点が問われるが、その際に「千鳥足」の捌きを使う。
「千鳥足」についてはこのブログでも再三取り上げているので、そちらも参考にしてみていただきたい。



両肩捻5





Posted on 2021/04/25 Sun. 09:43 [edit]

category: 後捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  姿勢  転換 
tb: 0   cm: 0

プロフィール

入会はこちらから

大東流合気柔術って何?

これまでの動画と記事

最新記事

最新コメント

カテゴリ

アクセス数

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード


▲Page top