東京稽古会への入会について
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)の2回行っています。通常稽古は会員限定です。
入会希望者が参加可能な本稽古は 7月31日(日)17時00分から20時00分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
東京稽古会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
入会希望者が参加可能な本稽古は 7月31日(日)17時00分から20時00分まで開催します。
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其の三百八十七 手首を折る 大東流合気柔術 東京稽古会 
相手からの攻撃をうけると、どうしても恐怖心が生まれる。
約束の上に成り立つ形稽古でも、双方気持ちが乗るほどに攻めは激しく、強くなるし、またそうでなくてはいけない。

そんな時に、相手の攻撃を無効化した状態で技をかけていくという考え方がある。
すなわち大東流合気柔術の2ヶ条の捌きでは、相手との間合いを取って向こうの攻撃力を減衰させるという思考法を使う。

攻めを受けたときに、それを柔らかく自分の重心に乗せ、そのまま身体を移動させることで、相手を身動きが出来ない状態に追い込むのだ。

今回の操作では、三角点に重心を移動して爪先立ちにさせ、手刀による接点に相手が寄りかかるような状態を作ってしまう。
言わば、相手がこちらの接点に「頼り切る」ように。

この重心移動において、このところ再三言及している「自然体での捌き」が有効となるが、詳しい解説はまた次項に譲ることとしたい。
其の三百六十三 正面打切返 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回は正面打で攻撃を受けた場合に、切返で制していく動きを取り上げる。
これもまた、大東流合気柔術らしく上半身を脱力させるところにその妙味がある。

相手の打ち込んできた正面打を、手刀で受けとめる。
毎度のことだが、この時に攻撃線をずらし、自分に優位な立ち位置で受けることが重要だ。
次にあばら骨に向けて当身を入れながら、相手と横並びになる。
相手の手刀を受けた接点は自分の中心にあること。

さて、ここから相手の身体を崩すべく攻め込んでいくのだが、この動きがうまくいかない。
接点に近い腕の力で押し込もうとしてしまうのだ。

肩から先の力を使ってしまうと、自分が踏みしめている地面からの力は、切り離されて無効になってしまう。
全身を一つの塊として力を発揮するためには、上体を脱力することが必須だ。

ここのところは、日常の稽古でも常に意識を喚起してはいるのだが、実際に移すことが難しい。
「やわら」の真髄に至れば、拍子抜けするほどあっけなく相手は崩れてくれる。
たゆまぬ修練によって、その境地を進んでいってほしい。
其の三百三十八 手鏡 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術の術理として、このところ重点的に東京稽古会が取り組んでいるものの中に「脱力」が挙げられる。

今回の操作法も、その「脱力」が考え方の中心をなすが、実際に何を遂行すればそこに至るかというところは言葉や文章で説明するだけでは感得しがたいものある。
あえて言語化を試みるとするならば、それは、肩から先の力を極力使わないということになる。
脱力は、身体から力を発しないということではなく、むしろ力は十全に発揮しなければならない。

ただ、その発する仕方に極意があるのだ。

肩から先の力、すなわち「小手先」の力で術に臨んだのでは決して古武術の妙技に達することはない。

どのように力を発するか?
「脱力」の要素をめぐっての考察を、東京稽古会での修練を通じて重ねていただきたい。
其の三百三十七 重心で斬る 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術の核心技法を、東京稽古会では「要素」と呼んで修練している。
そうした要素は、様々な形の中に偏在しており、相関しあって一つの技として成立していく。

この「小手返」も、いくつもの要素が複合しているのだが、今回は重心の移動によって崩すことを核として捉えてみよう。
まず、正面打を受ける際に相手の外側に重心を移して中心線を外す。
次に受けた手刀を使って身体を開くように反対側に重心移動しながら斬り落とす。

この操作によって相手の重心を崩し、さらに大きく逆側に身体を開きながら小手返に斬る。
肩から先の動きでは、このように崩すことは出来ない。

あくまで重心の移動を使うことで全身を連動させ、体幹部分の力を伝えることが重要だ。
今回の「要素」は、以上のように説明できる。

もちろんこの要素だけでは、形を完遂することは難しい。
脱力、手刀の使い方、さまざまな別要素の修練も同時に必要になるが、それはまた稿を改めて紹介する。
其の三百十二 搦める 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術には相手の身体の一部分を使って、その自由を奪ってしまう、いわゆる「搦め」という技法がある。

筋肉や骨格、身体の構造を利用して一見不可解にも思えるような状態を作り出していく操作なのではあるが、成功させるにはいくつかの条件を満たさなければならない。
今回動画で取り上げたような場合では、正面打ちで攻めかかってきた相手の攻撃の道筋を妨げることなく導くことも、その一つだ。

そのために、正面打ちの攻撃線を外しながら受けることが初動の必須事項となる。

それも、大きく自分の位置を変えて受けるのではなく、出来る限り相手に近いところで捌く必要がある。
そうすることで、次の動きの効果が高まる。

害意を持った相手から大きく距離をとるのではなく、「寄り添う」ように立ち位置をとる古武術の考え方は、現代のトラブル対処法としても示唆的であるといえよう。