扶桑会への入会について
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)の2回行っています。通常稽古は会員限定です。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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其の四百 切返 大東流合気柔術 東京稽古会 
「沈む」という言葉は単純ではあるが、大東流合気柔術においては決して字義どおりではなく深い含蓄を持つ。
自然体で立っている状態から、重心をそのままに低くなる。
体勢を前傾させたり、反り返ったりすることなく、骨盤の上に沿う半身を真っすぐにのせたまま「沈む」のである。

今回の動画で取り上げた「切返」という形には、その理合が非常によくあらわれている。
この技をはじめに教わるときには、概略
「正面から両腕でつかみかかられたら、その相手の腕をくぐり、相手の裏(後ろ)に踏み込んで倒す」
という説明を受ける。

古武術に通じていない人にとっては、この「相手の腕をくぐり」というところが曲者で、文字通り頭を下げてくぐろうとして失敗してしまう。
攻撃を仕掛けてくる相手は、体勢の崩れを見逃してはくれない。

だから、東京稽古会では「胸を張ったまま体勢を低くして、相手の腕の下を通過するように」と説明をしている。
こうすることで「沈む」という言葉の意味が徐々に腑に落ちてくるのだ。

言うは易しではあるが、適切な言葉を選択して伝えていくことも、古武術継承における重要な要素であると捉えている。
其の二百七十八、真下で乗せる 大東流合気柔術 東京稽古会 
相手の攻撃を、自分の体勢を変えることで無力化させていく動きを取り上げています。
前回は、膝を脱力して沈むことで相手の重心を乗せてしまうという形でした。

さらに今度はその動きを応用して、相手の裏に入り、崩し倒す操作を見ていきましょう。
大東流では切返という形に近いですが、それを簡略化したものとなります。
動画を見てください。
相手が両肩の少し下、二の腕の辺りをつかんできます。
受手側(技をかけられる方)はしっかりと相手の腕を体側につけるように押し込んでください。
受けの攻撃が弱い、もしくは方向が間違っていると、対応する技が変わってきます。

この場合、捕手(技をかける方)が刀を抜けないように、つまり、腕の自由が利かないように押さえることが必要です。
大東流はお互いに徒手で技をかけあいますが、受手は帯刀している、もしくは短刀などの武器を所持しているという前提で稽古すると、技の筋道が明確になりますので、心がけてください。

少し話がわき道にそれました。
攻撃を受けたら、身体を相手の出足の方に捌きます。攻撃線を外す動きです。
それと同時に接点、つまり相手に掴まれた部分の圧力を変えないようにして、沈み込みつつ、相手に並ぶように身体の向きを変えてください。
動画では最初の方で、接点に相手を乗せるために若干腕を上げていますが、これが引っ張り込むような操作になってしまうと、上手くいきません。

後半で修正していますが、上半身は脱力して、ただただ、まっすぐ下に沈み込むようにしてみましょう。
その方が、相手が崩れてくれることが体感できると思います。
相手の重心が自分に乗ったら、裏に踏み込んで、倒します。

真下に沈む動きはこのほかにもいろいろな形に応用変化してきます。
今後もまた、稽古の中で取り上げていきます。
其の二百六十一、腰で倒す 大東流合気柔術 東京稽古会 
相手の崩れに乗じて全身を連動させ、倒していく操作法の発展形です。
大東流合気柔術では、一カ条の腰車という形がありますが、この考え方を使って制していく技になっています。

そこでも、前回までと同様に肩から先の脱力、中心で接点を扱うなどの点は共通します。
まずは動画を見てみましょう。
胴着の二の腕あたりをつかんで押し込んでくる相手に対して、押し返さず、受け止めます。
腕を柔らかく曲げ、相手の肘に触れるように手刀を当てます。
試しに力を入れて、相手の腕を掴んでみてください。途端に相手は力んでしまって、その先の操作が力比べのようになってしまいます。
まずは、脱力。相手の力を受け入れるような意識で技に入ります。

つづいて、身体全体を連動させるようにして腰を外側に開きます。
もちろん相手の肘に当たっている手刀もそれに追随して動いていきます。
ここで、脱力がうまくかかっていれば、相手の身体は崩れます。
腕力で崩そうとしないことが大事です。

最初のうちは腰を動かしたときに、相手の腕に引っかかるような感覚が出ると思います。それに対抗して力を込めてしまい、さらに引っ掛かりが強くなる…、という悪循環にはまってしまいがちです。
前回までやってきた修練を思い出して、相手との接点を自分の中心で扱うようにしてみましょう。

丁寧に、相手を運んでいく意識で。
古武術独特の難しさがありますが、稽古しがいのある操作法です。
東京稽古会に興味のある方は、ブログ内に設置してあるメールフォームまでお問い合わせください。
其の百二十五、切返 大東流合気柔術 東京稽古会 
前回の「捌いて入る」動きを使った型がこの「切返」です。
大東流合気柔術初伝の一ヶ条に出てくる技でもあります。

大東流のどの技もそうですが、全身を上手く使って崩し、投げると非常に大きな力が相手に伝わります。
この「切返」も同様で、全身の連動が決まるとすごい威力が発揮されます。
受けを取る人は、しっかりと顎を引いて、後頭部を守る意識を持って受身をとってください。

後ろに放り投げられますので、初めはどうしても恐怖心が先に立つかもしれませんが、怖がって床に手を着いたりしないでくださいね。手首をねんざしたり、場合によっては骨折をすることもありますので。
日頃行っている受身の鍛錬を信じて、身体を丸くして転がってください。
前置きが長くなりましたが、動画を見ましょう。
相手が正面から両袖を取ってきます。
次に来る攻撃は蹴りか、頭突きか?いずれにせよ、相手の目前にボーっと突っ立っているのは得策ではありません。
相手の出足の外側に身体を捌き、攻撃線を外します。これは前回解説した(「其の百二十四、捌いて入る」)動きを参照してください。
全身を連動させて動くんでしたよね。
下半身の動きに、上半身の動きが追随しないと、相手を崩すことが出来ません。
捌きには「千鳥足」を使います。(「其の百十八、千鳥足(一)」、「其の百十九、千鳥足(二)」)
一動作で腰を切ることが出来るので、非常に実戦的と言えます。

再度言いますが、この時、腰の動きと上半身の動きが連動していることが重要です。
動画を見ると、先生が外側に捌くと同時に受け手側の私の身体が大きく崩れているのが分かります。
相手の脇をくぐり、下から斬り上げるように身体を寄せます。同時に足を相手の後ろ側に踏み込みます。
脇の下をくぐることに気を取られるあまり、前かがみになってはダメですよ。上半身の姿勢を保ったまま、膝をゆるめて低く入っていきましょう。
こうすることで、相手は腕と足の間に挟み込まれるようになってさらに崩れていきます。
肘を地面に向けて突き下ろすようして、投げます。
ここでも、姿勢を正しく、胸を張っていること。
上手く決まれば、相手は後方にひっくり返るように落ちていきます。

連動ですよ。連動。
一つ一つの動きをしっかりと意識して、稽古してくださいね。
其の六十二、触れに行く 
「丹田から出る」意識をテーマにした修練のまとめになります。

以前にやった「裏落」とほぼ同じ原理で技をかけていきます(前回の記事「其の五十二、裏落」)。違うのは今回は両腕をとられているところです。
動画を見てみましょう。
相手の出足を片方の手のひらで触るだけで、倒してしまいます。不思議ですよね。

これもまた、上半身の力で無理やり触りに行こうとしても上手くかかりません。

大事なことは全身で前に出ることです。手のひらが相手の足に触れられるところまで進みます。
その過程で相手の体勢は自然に崩れていきます。

もちろんそのためには、最初の攻撃(腕をつかまれる)を受けた時に、力まずに肚(丹田)で止めることが出来ていなければなりません。
相手の攻撃を跳ね返すのではなく、自分の身体の奥に「引っぱり込む」様な感覚というか…言葉にするとちょっと変ですが。

「丹田から出る」ということは、結局「からだを一体のものとして使う」ことにつながっていきます。
力みをとって、上半身と下半身の動きを統合していくこと。

「全体をもって、事に当たる」。
古流武術である大東流の興味深い思考法だと思います。

以前にやった「裏落」とほぼ同じ原理で技をかけていきます(前回の記事「其の五十二、裏落」)。違うのは今回は両腕をとられているところです。
動画を見てみましょう。
相手の出足を片方の手のひらで触るだけで、倒してしまいます。不思議ですよね。

これもまた、上半身の力で無理やり触りに行こうとしても上手くかかりません。

大事なことは全身で前に出ることです。手のひらが相手の足に触れられるところまで進みます。
その過程で相手の体勢は自然に崩れていきます。

もちろんそのためには、最初の攻撃(腕をつかまれる)を受けた時に、力まずに肚(丹田)で止めることが出来ていなければなりません。
相手の攻撃を跳ね返すのではなく、自分の身体の奥に「引っぱり込む」様な感覚というか…言葉にするとちょっと変ですが。

「丹田から出る」ということは、結局「からだを一体のものとして使う」ことにつながっていきます。
力みをとって、上半身と下半身の動きを統合していくこと。

「全体をもって、事に当たる」。
古流武術である大東流の興味深い思考法だと思います。