扶桑会への入会について
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)の2回行っています。通常稽古は会員限定です。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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其の三百六十七 肘を掴む 大東流合気柔術 東京稽古会 
前回に引き続いて、「肘」の構造を利用して相手の動きを止める、大東流合気柔術の思考法を紹介する。

肘は内側には曲がるが、外側には曲がらない、一方向にしか可動域を持たない関節である。
前回はその肘を「曲げる」ことで相手を無力化したが、「伸ばす」ことによっても同様の効果が得られるのだ。
肘を外側に曲げようとするとき、曲げられる側には無意識に肘を守ろうとする規制が働く。
すなわち可動域を超えることで、肘関節が折れてしまうことへの恐怖心が生まれるのだ。

これは当然の心の働きだが、身体の構造を利用することで、こうした心理的な反射を誘うところに古武術としての妙味がある。

肘を守ろうとする心の動きは、身体の硬直を生み、術をかけられた側はかかとが浮き上がってしまう。
この状態から相手を崩し制することは容易だ。

初動において肘関節を外側に向けて伸ばしていく操作では、手刀の動かし方などに修練を要する。
ここでは触れていない口伝や操作のコツも数多いが、まずは基本の考え方を押さえておくことが第一歩である。
其の三百二十五 握手崩し 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回は古武術の思考法を使った「遊び」を紹介する。

握手を求めてきた相手の腰に崩しをかけ、倒してしまうというある意味で無作法な動き。
シンプルなだけに面白い。
これを見た目通りに、掴んだ手の握力をもって力づくでねじ伏せようとしても、おそらく相手はびくともしない。

毎回言っていることではあるが、手首からの入力を相手の体幹部分に到達させるためには、脱力と、全身の連動が必須になる。

大東流合気柔術の術技には、相手の攻撃に対して応じることで展開していくものが多い。
自ら仕掛け、相手の体勢の崩れを誘う術の体系も存在するのだが、好んで闘争を求めるものではない。

それは、古武術とは「生き延びるため」の技術であるからで、そのためには命を失う確率が高くなる行動には出ないのが原則だ。
その意味で、今回の動きは「遊び」としてとらえてほしい。
其の三百十五 交叉取一本捕 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術は、その技術体系の根っこに「剣の理合い」を持つ。
聞きなれない言葉ではあるが、人間の身体を操作するとき、刀を使う際の動きを応用するというほどの意味である。

今回の動きもまた、その「剣の理合い」を考えると、理解しやすい。
刀を構え、敵と相対した時に、手先だけで振り回すと、傍目にもみっともない。
例えば幼児が棒っ切れを振り回してチャンバラごっこしているような。
刀を両手で保持して、振ってみる。
さらに斜め前の目標を想定して、斬り下ろす。
そのとき、自然にその剣は自分の中心で振れているはずだ。
もちろん、両の腕がバラバラに動くことはあり得ない。

シンプルな操作だが、これを徒手で剣を使わずに行うところに、大東流合気柔術としての妙味がある。
そして、この思考法を「ガイド」として設置してくれたところが先人の凄味といえるだろう。

こうした古武術の中の知恵をかみしめながら、稽古を進めていきたいものである。
其の三百十四 交叉取小手返 大東流合気柔術 東京稽古会 
たびたび言うことではあるが、大東流合気柔術では腕力に頼ってはいけない。
端的に、それでは技がかからない。

相手は攻撃するつもりで掴んだり打ってきたりするわけであるから、こちらもそれに応じた気構えや対応をとるのは当然だ。
だからと言って、その対応が腕力に任せたものになったのでは思う結果は得られない。
「力は入れない。力は出すもの」というのが、稽古中に再三出てくる言葉であるが、それはまさに至言である。
この小手返の操作においてもしかり。
掴みかかってきた腕の力に、こちらも力を入れて跳ね返そうとした途端、相手の抵抗を受ける。
抵抗は力のぶつかり合いとなって腕の動きがそこで止まる。

そのぶつかりに対応しようとさらに力が入り、さながら力比べの様相を呈する。
これでは合気柔術を標榜することはできない。

今回取り上げた操作法の初動において、まさにその「力を出す」という思考法を使っている。
相手の攻撃にぶつからない方向に、手刀を差し出す。
その操作一つで、以降の動きに腕力を使わずとも相手を制するきっかけを作り出している。

大東流合気柔術の核となるこの考え方だが、詳細に興味がある方は、ぜひ稽古会に参加してみてほしい。
其の二百四十五、曲げて崩す 大東流合気柔術東京稽古 
相手の肘を曲げることで、体幹部分をコントロールする動きです。
前回やった手首の接点を通じて全身を崩す操作法のバリエーションでもあります。

手首からの入力を相手の身体の中心に届けるには、肩に通った力が抜けてしまわないように動かしていくことが重要でしたね。
今回の動きは、その部分に注目してみましょう。
まずは動画を見てください。
交叉取に取ってきた相手の手首に、外側から手刀を絡めます。
手刀を自分の中心で動かしていくと、相手の肘が自分の目の前に来るはずです。

そこで、相手の肘関節のやや高手(肩の方)側をつかんでください。
必要以上に力を入れないでください。関節のすぐそばに、痛みを感じる点がありますので、正確にそこを挟むようにしてみましょう。
これが決まれば、相手のかかとを浮かせることができます。

次に、手首と肘の接点を相手の中心線をなぞるように操作して斬り落としていきます。
誘導していく所は相手が重心を保つことのできない「三角点」。相手のつま先を底辺とした二等辺三角形の頂点です。

このとき、接点を引っ張るように動かすと、たちまち肩に通っていた力は抜けてしまいます。
また、手首と肘をバラバラに操作すると、これも相手の体幹に力を及ぼすことができなくなるんですね。

いずれの操作も、やはり実際に対人稽古を行うなかでしか感得できない部分があります。
東京稽古会で、一緒に修練してみませんか?