東京稽古会への入会について
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)の2回行っています。通常稽古は会員限定です。
入会希望者が参加可能な本稽古は 6月26日(日)14時00分から17時00分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
東京稽古会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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其の三百九十 まっすぐ入る 大東流合気柔術 東京稽古会 
あたかも自由落下する物体のように自分の身体を制御することで、一見すると不思議な操作を行う。
日本古来の武術である大東流合気柔術では、そうした思考法がいくつもみられるが、今回の動きもそうした中の一つだ。

先ほど述べた「自由落下する身体」というのは、簡単に言うと自然体のことである。
地球の重力(引力)をそのままに受けて、力みを取り、体にかかる重みのままに動く。
動画にみられるように、相手の身体に力を伝えるときに肩から先の腕力を以ってすると、自然体の力は発揮されない。
それはあくまでも筋力であって、古流武術が使う力とは異なるものなのだ。

ここで術をかける側が戸惑ってしまうのは、どうしても「相手の手首をつかむ」という操作にとらわれてしまうところだ。
最初のうちは、ここに力の作用点があると考えてしまいがちだ。

大東流では、ここで「掛け手」という技法を使う。
相手がつかみかかってくる勢いを殺さずに、反対に相手の手首を取りかえす。
そして、手首を取る場合においても、ただ小指をひっかけておく程度のやわらかい接触にとどめておく。

この「掛け手」の操作を用い、さらに自然体による相手の前面に入り身することによって、術者が踏みしめている地面のパワーが相手にダイレクトに伝わる。
飛び上がるような痛みを感じて、受け手の身体がコントロールされるのには、こうした理由があるのだ。
其の三百四十 連続極 大東流合気柔術 東京稽古会 
手首関節を様々な形で刺激することで、相手の身体を操っていく技法は、古流体術に特徴的なものである。
古武術としてその遺産を受け継ぐ大東流合気柔術にも、その体系が存在している。

今回取り扱うひとつながりの動きは、手首を攻める動きを連続的に用いる。
身体の方向転換や手刀の使い方の変化も理に適っており、効率的に操作法を学ぶことが出来る。

また、受け手側も手首を様々な手法で攻められることから、関節極めに対する鍛練にもなる。
無理に抵抗せず、可動域を広げていくとよいだろう。

捕り手側は肩から先の力に頼ることなく、全身の連動を意識して稽古してほしい。

外形上は手首の攻めではあるが、関節を通じて相手の体幹に力を伝えることが目的である。
東京稽古会では今後もこの操作を日々の鍛錬に取り入れ、一層の技術向上を目指していく。
其の三百三十六 搦め運ぶ 大東流合気柔術 東京稽古会 
「搦める」という大東流の技術は、各種演武大会などでも発表され、その様態の不思議さに注目を集めることが多い。
もちろんポジティブな反応もあるが、それ以上に否定的に捉えられることが大半ではないだろうか?

技術の内容が理解できれば、そうした否定的な見方は解消されるのだが、合気柔術の核心的な要素が複合的に含まれているだけに、その「理解」に至るまでに時間がかかる。
「掛け手」で相手の手首を捕るタイミングと姿勢。
脱力によって全身の力を効かせる極意。

中心を外さず、相手の体幹部分を攻める意識。
上半身で操作せず、腰に相手の重心を乗せてしまうこと。

ここに列挙したのは一部に過ぎず、さらに多くの技法が相関をなし、ひとつの技となって現出する。

稽古するたびに沢山の気付きを得る。修練とはそういうものである。
技に完成はなく、奥義に行き停まるところはない。
其の三百八、両小手返 大東流合気柔術 東京稽古会 
手首関節を取って、全身を投げ、崩す小手返の技は体術の諸流派の中にも数多くある。
今回はその小手返の原理を使って古武術らしい身体の使い方を研究してみた。

小手返と言えば、片方の手首だけを極めることが多いが、今回は両手ともに捕ってしまう。
あくまでこれは手首の鍛錬、および手刀の使い方の修練の一環でおこなうのであって、実際にこう言った攻撃への対処を想定しているわけではない。
これまでにも取り上げてきたように、掛け手に取ることで相手の重心を前に誘導する。
大東流の技術体系では初動が最も重要だが、ここでも相手のバランスが崩れていない状態ではそのあとが効かない。

動画で解説している通り、小手返は小指の締めで力を伝えていく。
初めのうちは親指の力で押してみたり、握力を使って相手の手首に圧力を加えてみたりということが続くと思うが、それらはすべて逆効果だ。

あくまでも剣を操作するように、手刀の意識をもって操作しないと、相手は動いてくれない。
現代人の力の使い方とは異なる感覚で、もどかしいことこの上ないが、我慢して稽古してもらいたい。

日本人がかつて有していて、今は失ってしまった身体感覚をとりもどすのは、一朝一夕にはいかない。
だが、それがまた大東流合気柔術を修行する愉しみのひとつでもあるといえる。
其の三百六 合わせて張る 大東流合気柔術 東京稽古会 
相手の筋肉を伸張させ、身体に張りを作ることで無力化する操作法を紹介してきたが、
今回はその動きを使って、少々「お遊び」的なことをやってみよう。

決して実践に使えるような類の技術ではないが、身体の構造や、力の出し具合、微妙な方向性・バランスをつかむためには役に立つ。
なにより、普段の身体の動きの常識とは違う反応を観察できるところにその面白さがある。
「張り」を作るために必要なのは、これまでも触れてきた通り脱力して操作することだ。相手の身体に緊張が出ると、こちらの思った反応を作り出すことは難しい。
そのために、初動では「掛け手」を使う。こちらから掴みに行くのではなく、相手に重心を崩させるように誘いをかける。

そうして体勢を崩した相手を、今度は自分の身体を柔らかく伸ばすように使うことで、無力化していく。
相手の身体を伸ばすためには、まずは自分から。
この辺りに古武術たる大東流の面目が躍如している感があって面白い。

初動で重心を崩し、脱力して準備が出来たら、次は接点同士のバランスをとり、伸ばす方向の調整を行いながら相手の身体を伸ばしていく。

精妙な感覚が要求される操作ではあるが、天才でもない以上、これも稽古を重ねるほか会得する道はない。
東京稽古会では一般からの参加者も受け入れています。ブログ内の問い合わせメールフォームからどうぞ。