大東流合気柔術 東京稽古会スケジュール
次の本稽古は 4月18日(日)16時30分から19時30分まで
開催場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)に開催しています。通常稽古は会員限定です。
東京稽古会への参加を希望の方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
開催場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)に開催しています。通常稽古は会員限定です。
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其の三百一 相対当身 大東流合気柔術 東京稽古会 
当身について、前回から引きつづき。

大東流合気柔術における当身は、打突によってダメージを与えることが目的ではないのだけれども、
それ以上に大きく戦意を喪失させる動きの予備的な操作。
即ち、投げ、固め、身動きできなくするために当身を繰り出していくということ。
今回は、そうした当身の運用について相手と対面しながら、訓練してみよう。

相手と向き合うと、どうしても遠慮して打突を外してしまいがちだが、それでは当身を打つ意味がない。
自分の中心線上にまっすぐ腕を伸ばすこと。そしてその時につま先、膝が当身と一直線上に乗っていることが重要。
さらに、後ろに引いた足が半身の状態で45度に近い角度で相手の方に向いていることにも留意してほしい。
これで、自分の中心が相手に向く。

向き合った体勢をとったら、リズムを合わせながら互いに打ち合ってみよう。
前回やったように、下から振り上げて打つこと。
このときに力を込めて打つのではなく、柔らかく上体を使って腕を操作したい。

力が入ると、筋肉が固まってしまい、動きを察知されてしまう。
相手をけん制し動きを止める、当身の所期の目的がはたせない。
大東流とは、柔(やはら)の術。
そこを心がけて、稽古してください。
東京稽古会への参加申し込みはブログ内に設置のメールフォームからどうぞ。
其の三百 当身 大東流合気柔術 東京稽古会 
三百回目を迎えた東京稽古会の動画ブログ。これからも精進してまいります。

今回は大東流合気柔術の技法である当身です。
読んで字のごとく、相手の身体に拳や手刀、または足などを当てる操作ですが、他流の武術のようにこの打撃そのもので相手にダメージを与えるという狙いのものではありません。

では、何のための技法なのでしょうか?
動画を見てください。
初めにも書きましたが、大東流の当身は、相手に苦痛を与えて状況を打開するものではなく、相手をけん制し、動きを止めるために使うことが多いんです。
この技を効果的に使うことによって、自分が動きやすい、相手を崩しやすい体勢を作り出します。
初心者の方に当身を指導するときは、これはいわゆるパンチとは似て異なるものだということを繰り返し教えます。
はじめはボクシングのストレート、フック、空手の突きをイメージした打撃になってしまいがちですが、先述した通り、これは相手の動きを止めるための操作です。

まず、手を腰のあたりから振り上げるようにして、相手の目、もしくは鼻のあたりに差し出してください。腕は曲げず、力を抜いて伸ばしてください。
慣れないうちは拳を握らず、指を開いて掌底を打つようにしてもかまいません。
こうすることで、相手は視界の外から突然手が出てきたと感じ、思わず動きを止めます。

もう一つ重要な点として、手を振り上げる際に肩から先の操作にならないようにすることです。
腕と連動して、足を踏み出し、腰を相手に近づけましょう。全身の連動で当身を打ってください。膝の向いている方向に、腕が伸びているかどうかもチェックしてください。

これらのことに注意しながら、まずはひとりでフォームの確認をしてみましょう。
身体の中心をしっかりと相手の方に向けることも忘れずに、練習してみてください。
次回は、相手をつけた状態で当身を打つ訓練をやってみますよ。
其の二百九十 四方投裏 独習法 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回も東京稽古会が取り入れている一人稽古法です。
大東流一カ条両手取の四方投には、手刀を使って真っすぐ前に出たのち体を転換させる「表」技と、反転して手刀で相手を攻めたのちに転換する「裏」の二種類の崩し方があります。

どちらも、相手に近い方の手刀を主に使うことで、相手に力を伝えていくところは同じです。剣を相手に向けて、外さないところも共通して重要な点です。
今回はそれに加えて、特に意識したい点を中心に解説していきます。
まずは動画を見てください。
両手を取ってきた相手の掌を、斬り上げるようにして喉元に短刀の切っ先を向けます。
これは「表」技と同じ。
次に相手の隣に並ぶように足を差し出します。
脚の小指と小指を合わせるようにして、反転する準備をします。

実際の相対稽古においては、ここは一瞬の流れのうちに通り過ぎる過程ですが、あえてこれを一つの動きとして抽出しているのには理由があります。
反転する過程において、短刀が相手から外れてしまうことが多いんですね。
実際に相対稽古では、この部分で引っかかり力技に陥ってしまうことが多く見られます。

丁寧に、正確に相手を狙って動きましょう。
反転して隣に並んだ時も同様です。構えた短刀はあくまでも相手に力を伝えるための道具であることを意識してください。

剣を構える際に重要なのが、自分の軸上で剣を操作することです。重心を乗せて、剣を身体全体の力を集中させる道具としてつかいましょう。

そして、それとほぼ同義になりますが、骨盤の上に垂直に上半身を乗せた正しい姿勢を維持しつつ動くことも重要です。

この二つのポイントを意識して四方投の裏を修練してみましょう。
剣の使い方のエッセンスが含まれた、非常に効果的な鍛練法になります。
其の二百八十九 四方投表 独習法 大東流合気柔術 東京稽古会 
東京稽古会では、自宅で出来る稽古法として、体幹トレーニングや木刀を使っての基本動作・形の鍛錬を取り入れています。
活動自粛期間中はそれぞれの自宅をオンラインで結んでの稽古ですが、2か月近く継続することで古武術の身体感覚を失わずに過ごすことが出来ていると思います。

今回は、大東流合気柔術でも代表的な形である四方投の動きをひとりで修練する体操法です。オンラインでの自宅稽古でも行っているものです。
前回、前々回取り上げた一本捕、逆腕捕と同じく、剣(短刀)を使うことで、大きな効果を生みます。
動画を見てみましょう。
短刀を使って行うこの鍛錬では、相手に剣を向け、自分の腰の力を剣を通じて伝えることを意識することが重要です。
両手首を掴まれたと仮定して、短刀を相手の喉元を突き上げるように立てます。
この時に腕の力を使って剣を持ち上げるようにするのではなく、身体全体の力を剣に集約するような操作をします。

このあとのすべての動きに共通する考え方ですが、肩から先の腕を動かして短刀を操作しては、この鍛練の効果は出ません。
腕を脱力し、腰を中心に動いていくようにしてください。

外側に踏み込み、内側の足を寄せ足。さらに内側の足で相手の裏に踏み込んだら、木刀を額の前に斬り上げて、180度体を転換します。
この間、短刀の刃は常に相手に向けて斬り込んでいるという意識を継続させます。

さらに、腰と連動させるために短刀を自分の中心軸上で構えることが重要です。
一人稽古ですが、実際に手をとられたときの重みを仮想し、感じながら修練することで、実際に相手をつけたときにも通用する身体の動きをつかんでいきましょう。

また、相手を付けずに稽古することのメリットとしては、抵抗を受けないことで姿勢を正しく保った状態で動けることです。骨盤の上に上体をまっすぐのせ、常に重力を垂直に感じながら操作しましょう。

脱力と、姿勢。古武術において非常に重要な感覚の養成に役立ててください。
次回は同じ四方投の裏を取り上げる予定です。
其の二百八十八 逆腕捕独習法 大東流合気柔術 東京稽古会 
東京稽古会が行っている、一人でもできる古武術の修練法を紹介しています。

今回は、逆腕捕をマスターするための要素を織り込んだ体操です。前回の一本捕と同じように、短刀を使うことで、その効果が高まります。

ひとりで行う体操ではありますが、相手を想定しながら行うことで、古武術全般に応用の効く身体の動きを練り込んで行きます。
また、相対稽古とは違って抵抗がないので、力を入れずに正しい操作の道筋を反復できることもメリットの一つと考えられます。
では、さっそく動画を見てください。
1、相手が胸倉をつかんできたことを想定して、攻撃線を外しつつ、相手の肘に手刀を当て制します。
2、短刀を持った腕を、前方に伸ばし当身を入れます。この時、腕だけを伸ばすのではなく、全身で前に出る意識で行います。
さらに肘に当てた手刀と、伸ばした短刀は一直線に並ぶように操作してください。これで相手の肩が詰まり、抵抗が出来なくなります。

3、胸をつかんでいる相手の手首を逆腕捕の掴み方で握ります。
小指を小指丘に引っかけ、親指の外側を包むように握ります。
これは、小指丘側を刃とし、親指側を峰と考えたとき、刀の柄を握り込んだ時の手の形と同様です。
つまり、短刀の柄の部分が相手の手であると仮想できるんですね。

4、この状態で、相手の手首を斬り上げます。
重心を移動させ、足を踏み込みながら短刀を操作しましょう。
同時に肘に当てた手刀も連動させてください。一人稽古ですが、相手の腕を操作していることを忘れずに行います。
5、短刀を斬り下げて、鼠径部(腰骨の下)に付けます。
この時も4と同様に両腕を連動させます。
相対稽古ではこの操作で相手の身体が崩れ、倒れます。

6、腰に短刀をつけたまま、身体を開きます。
相対稽古においては相手の肩がさらに地面近くに落ち、バランスが崩れます。
7、相手の脇に膝をつけるつもりで足を動かし、さらに脚幅を開いてスタンスを取ります。
身体を前傾させずに、相手を支えるためです。上半身は骨盤の上にまっすぐ乗せたままにしてください。

8、腰を相手に向けて切ります。
短刀はしっかりと腰骨につけたままです。この操作で全身を使って相手の身体を極めます。
9、肘をつかんでいた(と想定していた)手刀を外して、とどめを打ちます。

10、残心しながら、元の位置に戻り、自然体に。
動画の中でも言っていますが、これはあくまでも一人で行うためにアレンジした体操法です。
大東流の形としては、最終的には流れるように、一筆書きで相手を制するところを理想としますので、この細切れに動きを止めるやりかたは、あくまでも考え方の整理としてとらえてください。

ただ、こうして要点を意識化することで、あらためて技の理合いが見えてくることもあります。
特に短刀を使って、力の道筋を視覚化することは非常に有効な稽古法です。
ひとりで行う稽古の一環として活用することをお勧めします。
また、東京稽古会の自宅稽古では、初めに体幹トレーニングを行います。
以前このブログでも紹介した、
ストレッチ http://kobujutsu.jp/blog-entry-333.html
体軸バランス http://kobujutsu.jp/blog-entry-334.html
体幹トレーニング http://kobujutsu.jp/blog-entry-335.html
この三種を組み合わせることで古武術に必要な身体感覚を養成します。
脱力、軸の感覚、深層筋の活用など、古武術の動きに対してもメリットが大きい鍛錬法ですので、ぜひ取り入れてみてください。