大東流合気柔術 東京稽古会スケジュール
次の本稽古は 4月18日(日)16時30分から19時30分まで
開催場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)に開催しています。通常稽古は会員限定です。
東京稽古会への参加を希望の方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
開催場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)に開催しています。通常稽古は会員限定です。
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其の三百三十三 外から崩す 大東流合気柔術 東京稽古会 
方手取からの相手の体勢を崩し、帯をつかんで引き落とす。
大東流合気柔術一カ条「帯落(おびおとし)」の変形のような動きを解説してみよう。

今回の動きもまた、相手の攻撃線に対してどう初動を取るかで、技の成否が決する。
すなわち、相手の外側に自分の中心を置き、そこから崩しをかけていく操作である。
さらに手刀は必ず自分の中心で使わなければならない。
相手の力が届かない位置で、自らの力は十全に発揮させる。
再三言っているが、これが我々が修行する上において必須の思考法だ。

外側から、相手の中心を攻める際には、ともすれば手刀を横に振り回すように操作してしまいがちだが、ここも縦に斬り込んでいく意識で稽古してみる。
お互いに、相手の感覚を確かめながら技の精度を高めていくとよい。

崩しの掛け方によっては、相手の力とぶつかることもある。
それはやはり肩から先の力で強引にねじ伏せようとしている場合が大半だ。

脱力し、攻撃線を外し、手刀を縦に使う。
こうした一つ一つの思考法を、当稽古会では「技の要素」と呼んでいる。

上手くいかないときは、こうした技の各要素が複合していないと考える。
本稽古で取り上げる基本動作を繰り返し修練することで、総合的に古武術を捉えていってほしい。
其の三百二十二 脱力 大東流合気柔術 東京稽古会 
古武術としての大東流における核心的な思考法のひとつに「脱力」がある。
相手の入力に対して、こちらも力をもって処するのではなく、それとは異なる方法で打ち克っていくための考え方だ。

力のぶつかり合いは、互いの消耗を生む。
力が強い方が勝つわけだから、力を増大させることが追及され、その追及は果てしなく続く。
戦場で生き残ることを目的に発達した古武術は、力で相手に勝ることを期待できない状態でどう振舞うかを、究極まで考え抜いたところに成立したと、私自身は考えている。

その一つとして、脱力することで相手の攻撃を無力化し、力を失った場合であっても、窮地を切り抜ける技が発達していったのだ。

今回修練した技は、掴まれた接点に意識をやらず、自分の体幹だけを使って操作することを目的とする。
言葉にすれば単純だが、革新的な思考であり、会得するのはさらに難しい。

不断の鍛錬によって、この武術的遺産を身につけていただきたい。
其の三百十三、親指を攻める 大東流合気柔術 東京稽古会 
手首の関節をとって相手を投げ倒す小手返。
大東流合気柔術に限らず、徒手武術では代表的な操作法だが、初心者が往々にして陥りやすい難所がある。

それは、小手先の動きに気を取られすぎてしまうこと。
型の名前が「小手返」だからと言って、小手先の動きにとらわれると、相手は倒せない。
この技は小手(手首関節)を接点にとっていて、その部分を攻めているように見えがちであるが、実際はそうではなく、相手の体幹(腰)に崩しをかけている。

接点である小手への攻めは重要であり、動画で示したように、そこには正確な位置や操作が求められるが、最終目的は手首をひねることではない。
気ばかり焦って、手元ばかりを凝視しながら技をかけようと奮戦しても、相手の身体は盤石のままだ。

また、手を持ち替え、指のかけ方が気になって姿勢が前に前に傾いてしまうこともある。
こうなると、相手から返し技で反撃を食うことになりかねない。
「小手返は、小手を攻める技ではない」ということを心にとめて修練する必要がある。

名の印象に引きずられてその本質を見誤るというのは、武術だけでなく日常の生活においても起こりがちだ。
だからこそ、こうした古武術の修行を通じて、さまざまな出来事に対処する心構えを養成していってほしい。
其の三百三 中心を打つ 大東流合気柔術 東京稽古会 
身体の中心から発した力を相手に柔らかく伝え、制する。
大東流合気柔術の核となる思考法を習得し、体現していくのが我々の会が目指すところだけれども、なかなか一朝一夕にはいかない。

身体の使い方が西洋化してしまった現代日本人にとって、この動画で取り上げているような動きは、感覚ではわかったようでも実際に自分の体を使って表現する段になると、相当な難しさを感じてしまう。
今回の操作は、当身を使って相手の体の動きを止め、さらに相手が自分を攻撃してくる力を上手く利用することで逆に無力化していくという、すぐれて日本古武術的な考え方に則っている。

個々の動きについては、動画内で解説している通りなのでそちらに譲るが、実際に修練してみてどうしてもうまくいかないという場合には、この大東流が「柔(やわら)」の術であるということを思い出していただきたい。

筋力を使わず、のびやかに自らの丹田の力を末端へほとばしり出す。
そんなイメージをもって鍛練に臨まれることをお勧めする。

今回、相手の体に「張り」を作って無力化していくという概念が出てきたが、次回以降、その思考法を発展させた動きを取り上げてみるつもりだ。
東京稽古会への参加については、ブログ内に設置してあるメールフォームから問い合わせください。
其の二百八十五 腰で斬る 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術の考え方を、修練を通して学んでいく東京稽古会の本稽古。
本稽古で基本の動きを習ったあとは、それを型の稽古に落とし込んで繰り返し練り込んでいくという方法で古武術の上達を目指しています。

今回の動きは、手刀を全身の連動で使うということを一つの主題としていますが、大東流の型としては、片手取小手返と呼ばれています。
まずは動画を見ましょう。
片手を掴んで攻撃してきた相手に対し、手刀を活かして肩を詰めます。
前回、前々回から取り上げている手刀の概念をいま一度おさらいしておいてください。
柔らかく指を開き、掌から丹田の力を放出するような意識が重要です。
身体を捌きながら、手刀で外側から斬り込むようにします。相手の親指を斬っていくようなイメージを持ってください。

ここが今回の最大のテーマですが、肩から先の力で手刀を動かしてしまうと、相手の力とぶつかり合って、崩すことはできません。いわゆる、「小手先の動き」になってしまうんですね。
刀を振る時のように、足を使い、腰を動かして手刀を操作しましょう。
相手の身体の中心を、腰を使って斬るような意識で稽古してみてください。

手刀がうまく使えれば、相手の身体は体幹部分から崩れます。
続いて、斬り込んだ手の先を小手返しに捕ります。
小手返しのポイントは動画内で説明していますので、そちらを見てください。
それよりも注意したいのは、この小手を取りに行くときに、手先だけを伸ばさない、ということです。

先ほど今回の最大のテーマといいましたが、手刀を操作するときに小手先だけで動かしたのでは、力を伝えることができません。
ここでも同じように、腰と連動させるようにして、小手返しに手首を極めましょう。
この動きを習慣づけられるようになりましょう。
基本の考え方ですが、非常に効果的で、重要です。

もちろん小手返は、この手刀の操作法だけではなく、ほかにも様々な技法を組み合わせて行われますが、こうした一つ一つのアプローチを引き出しとして習得することで、総合的に技術向上へとつなげていきましょう。