扶桑会について
指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 3月21日(火・祝)14時から17時まで開催します。
場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
【関連商品】扶桑会DVD「柔(やわら)の力の完成」←Amazonへリンク
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 3月21日(火・祝)14時から17時まで開催します。
場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
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其の七十一、手刀で斬る 
前回(「其の七十、押し引き」)解説した、相手を崩す動きの応用編です。

相手が手首を掴んでくるのですが、前回が両手だったのに対して今回は片手で捕られます。
それを、手刀で斬り落とすようにして制します。
動画を見てみましょう。
捕られた手を内側から回して相手の手首に密着させます。
腕を伸ばし、相手の体がバランスを崩したところで手を下におろします。
と、書きましたが、出来ましたか?
単純に上に書いた通りやっても、かからないはずです(当たり前ですが)。

ポイントは、手を剣に見立てて使うこと。「手刀」の意識です(過去記事「其の三十三、手刀」)。
剣を使うときには、小手先で使ったのでは威力を発揮しません。必ずからだの中心で操作します(「其の三十四、中心」)。

動画にあるように、捕られた手で抜刀するように腕を伸ばします。
この時、しっかりとからだの中心が伸びた手刀の方向を向いていることが重要です。
相手の手首に密着した手刀が、からだ全体の力を相手に伝えます。
今回の稽古を通して積み上げた「力を伝える」からだの使い方です。

崩れた相手をさらに斬り落とす場合も同様です。
その場でただ手を押し下げるのではなく、手刀を使って斬り落とすように。
剣を自分の中心で使えるように足を捌いて、からだを動かします。

最初は細かすぎるくらい、足を動かしましょう。
その場に立ち止まって(「居着く」といいます)いては自分の技がかからないばかりか、相手から反撃を受けやすくなります。

マメに動く。
それから自分の最適のポジション、相手との正しい距離を掴んでいきましょう。
其の七十、押し引き 
今回の稽古の中では、この動きを一番不思議に感じた人も多いのではないでしょうか。

相手が自分の片腕を両手で捕りに来ます。
これを諸手捕(もろてどり)と言います。

これに対して力で抵抗せずに、からだの中心部分、丹田で受け止めるようにします。
以前にも書きました(「其の六十一、前に倒す」)が、実はここが核心で最も難しい部分なんです。
次に掴まれた腕の角度を変えることで、相手を崩してしまいます。
動画を見ましょう。
諸手捕に来た相手の腕は、自分の腕に二つの接点を持っています。
その二つの接点の一方を押し、一方を引きます。これを同時にかけることで、相手は崩れます。
ただ押すだけ、引くだけでは上手くかかりません。
掴まれた接点の中心部分は動かさないこと。これで、相手のバランスを崩します。

これを理解するには自分で短い棒を両手で握って見ることです。
握った中心の位置を変えずに両手を大きく動かしてみてください。
ちょうど自転車のハンドルを大きく切ったようになって、身体がねじれますね。
この状態を作り出すことで、相手を崩します。

いったん相手の体勢が崩れたら、倒したり投げたりすることは容易です。
たったこれだけの小さな動きで、体の大きい相手でも制してしまうことが出来ます。

古武術である大東流には、このように一見すると手品のような動きが随所に見られます。
ですが、稽古をして身につけていくと、とても理屈に合った動きだということが実感できるようになります。

また、腕を操作する場合には、肘の使い方、指先の使い方を意識してみてください。
この辺りは、文字で書くよりも実際に稽古の中で会得した方が面白みが増すと思いますので、書かずにおきますね。

相手が自分の片腕を両手で捕りに来ます。
これを諸手捕(もろてどり)と言います。

これに対して力で抵抗せずに、からだの中心部分、丹田で受け止めるようにします。
以前にも書きました(「其の六十一、前に倒す」)が、実はここが核心で最も難しい部分なんです。
次に掴まれた腕の角度を変えることで、相手を崩してしまいます。
動画を見ましょう。
諸手捕に来た相手の腕は、自分の腕に二つの接点を持っています。
その二つの接点の一方を押し、一方を引きます。これを同時にかけることで、相手は崩れます。
ただ押すだけ、引くだけでは上手くかかりません。
掴まれた接点の中心部分は動かさないこと。これで、相手のバランスを崩します。

これを理解するには自分で短い棒を両手で握って見ることです。
握った中心の位置を変えずに両手を大きく動かしてみてください。
ちょうど自転車のハンドルを大きく切ったようになって、身体がねじれますね。
この状態を作り出すことで、相手を崩します。

いったん相手の体勢が崩れたら、倒したり投げたりすることは容易です。
たったこれだけの小さな動きで、体の大きい相手でも制してしまうことが出来ます。

古武術である大東流には、このように一見すると手品のような動きが随所に見られます。
ですが、稽古をして身につけていくと、とても理屈に合った動きだということが実感できるようになります。

また、腕を操作する場合には、肘の使い方、指先の使い方を意識してみてください。
この辺りは、文字で書くよりも実際に稽古の中で会得した方が面白みが増すと思いますので、書かずにおきますね。
其の六十九、力を伝える 
丹田から出す力を、手首を通して相手のからだに伝える修練です。

と言われても、にわかには何の事だかわからないことと思います。
以前、大東流は自分の意識を相手に伝えることを目的としていると書いたことがありました(「其の六十五、構える」)。

あくまで私個人の見解ですが、いかに相手に抵抗する気持ちを起こさせず、自分のやりたいことを完遂できるか、というところにこの古武術の面白さがあると考えています。
動画を見てみましょう。
相手の両手首を捕って、手を前に伸ばします。
このとき手首は、小指から巻きつけるようにして握りこみます。
親指と人差し指を使うと力強く握ることが出来ます。ですが、その力は相手の腕に対して作用するだけになってしまいます
重要なことは、相手の中心部分まで力を「届ける」ことです。

同じように、力ずくになってからだを前かがみにしても、伝わりません。
むしろ姿勢を伸ばし、自分の腕を伸ばすことで、丹田の力が相手に届いていく感覚を探ってください。

小指から握りこみ、姿勢を正しくして腕を伸ばす。この動作は、刀を構えて相手に向かう動きを意識すると分かり易いかもしれません。
実際に、握りこんだ手首の角度は、刀の柄を持つようなイメージに近いものがあります。

なかなか難しく感じた方も多いと思いますが、最初から上手くいくものではありません。
受ける側も無理に抵抗せず、相手の力が伝わっているかを感じ取って、相互に上達していこうとする気持ちで稽古してください。
其の六十八、膝行(しっこう) 
座ると、足が自由に使えません。当たり前ですね。
大東流合気柔術では、座った状態で相手を制する「居捕」という技の体系があります。
座ったまま、武術的な動きをしなければなりません。

では、どうやって動くとよいのでしょうか?
これまでにも何度も出てきたので見当がついている方もいると思いますが…。
「腰」を使ってからだを移動させます。

その鍛錬が、膝で歩くこと、「膝行」です。
動画を見ましょう。
正座の状態でつま先を立てます。これを「跪座(きざ)」と言います。
そこから片方の膝を立てます。次に膝が地についている方の踵を、反対側の踵の方に引き寄せます。
さらに引き寄せた足の膝を前方に立て・・・を繰り返していきます。

こうすることで、身体は正座したまま前方に進んでいくのですが、ここで気をつけなければならないことがあります。
たいていの場合、上に書いたような説明をして膝行を始めるのですが、膝や踵(つまり足)「だけ」を動かして身体を前に進めようとすると、キツイうえに身体がぶれます。
(その上、膝も痛いです)

そうではなくて、腰を中心に動くのです。
先生の手本を見ると、腰の動きに足(下半身)が追随しているのが感じられると思います。
頭に紙コップを乗せて練習している様子がありますが、これは腰から動くことで、からだの軸をぶれさせないようにする稽古なのです。

膝行が出来るようになると、立った状態でも軸をぶれさせず動くコツがつかめますよ。
紙コップの練習は、ちょっと笑ってしまいますけどね。
大東流合気柔術では、座った状態で相手を制する「居捕」という技の体系があります。
座ったまま、武術的な動きをしなければなりません。

では、どうやって動くとよいのでしょうか?
これまでにも何度も出てきたので見当がついている方もいると思いますが…。
「腰」を使ってからだを移動させます。

その鍛錬が、膝で歩くこと、「膝行」です。
動画を見ましょう。
正座の状態でつま先を立てます。これを「跪座(きざ)」と言います。
そこから片方の膝を立てます。次に膝が地についている方の踵を、反対側の踵の方に引き寄せます。
さらに引き寄せた足の膝を前方に立て・・・を繰り返していきます。

こうすることで、身体は正座したまま前方に進んでいくのですが、ここで気をつけなければならないことがあります。
たいていの場合、上に書いたような説明をして膝行を始めるのですが、膝や踵(つまり足)「だけ」を動かして身体を前に進めようとすると、キツイうえに身体がぶれます。
(その上、膝も痛いです)

そうではなくて、腰を中心に動くのです。
先生の手本を見ると、腰の動きに足(下半身)が追随しているのが感じられると思います。
頭に紙コップを乗せて練習している様子がありますが、これは腰から動くことで、からだの軸をぶれさせないようにする稽古なのです。

膝行が出来るようになると、立った状態でも軸をぶれさせず動くコツがつかめますよ。
紙コップの練習は、ちょっと笑ってしまいますけどね。
其の六十七、受身後に備える 
基本動作の鍛錬です。
この東京稽古会では、受身の修得を初期の目標にしています。

回を重ねるごとに段々と習熟度も上がってきていますが、受身をとることで安心して動作が終わってしまっていることが多いようです。
武術的に言うと受身をとるという状況は、相手に投げられたり倒されたりしたことによって起きます。

ですから、うまく受身をとった後でも、相手の次の攻撃が迫っていることを想定しなければなりません。
動画を見ましょう。
前方回転受身、後方回転受身ともに、自分が元いた場所に相手がいるわけですから、その方向から攻撃が来ます。
受身から起き上がる一連の動作の中で、受身を始めた方向に向き直ります。
動画にあるように、いったん起き上がった後に向き直っていては間に合いません。

しっかりと相手の来る方向に対して態勢を整えます。
先生は「一歩前に出る」と教えて下さっています。

一人で基本動作を稽古するときでも、常に相手があることを意識しなければいけません。
この鍛錬は、それを気づかせてくれますね。
この東京稽古会では、受身の修得を初期の目標にしています。

回を重ねるごとに段々と習熟度も上がってきていますが、受身をとることで安心して動作が終わってしまっていることが多いようです。
武術的に言うと受身をとるという状況は、相手に投げられたり倒されたりしたことによって起きます。

ですから、うまく受身をとった後でも、相手の次の攻撃が迫っていることを想定しなければなりません。
動画を見ましょう。
前方回転受身、後方回転受身ともに、自分が元いた場所に相手がいるわけですから、その方向から攻撃が来ます。
受身から起き上がる一連の動作の中で、受身を始めた方向に向き直ります。
動画にあるように、いったん起き上がった後に向き直っていては間に合いません。

しっかりと相手の来る方向に対して態勢を整えます。
先生は「一歩前に出る」と教えて下さっています。

一人で基本動作を稽古するときでも、常に相手があることを意識しなければいけません。
この鍛錬は、それを気づかせてくれますね。
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