扶桑会について
指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 3月21日(火・祝)14時から17時まで開催します。
場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
【関連商品】扶桑会DVD「柔(やわら)の力の完成」←Amazonへリンク
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 3月21日(火・祝)14時から17時まで開催します。
場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
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其の百三十八、片手捕小手返 
今回は小手返です。
大東流初伝一ヶ条の小手返は両手捕から始まりますが、型の考え方を分かり易く修得するために、あえて片手捕から始めています。

攻撃線を外すための身体の捌き方や親指の攻め、手刀の使い方など、大東流の特徴的な身体操作法を解説します。
まずは動画を見てください。
相手が片側の手首を掴んできます。片手捕ですね。
この時、相手のもう一方の手から攻撃を受けることを意識します。
相手の攻撃線の上に留まったままでいると、まともに攻撃を受けてしまいますね。
そうさせないためにどうするか?
このところ何度かやっているように、外側に自分の身体を移して攻撃線を外します。
足をしっかり動かして体勢を変えましょう。

それと同時に捕られた手首を自分の目の前に持ち上げます。
表現の仕方が難しいのですが、まずは自分の掌を内側に向けるようにしてみてください。
以前、「其の百二十七、手鏡」で解説した身体操作法です。自分の顔を手のひらに映すような意識です。
最初はこれだけの操作で相手を止めることは難しいと思います。
自分の手を持ち上げることにこだわってしまって、力任せになることが多いからです。
そうではなく、自分を掴んできている相手の「手を攻める」というふうに考え方を変えてみてください。

具体的には相手の親指を攻めていきます。
さらに、肘の使い方にコツがある・・・のですが、これ以上ここではバラせないので詳しく解説するのはやめておきましょう。
というのは半分冗談ですが、実際に手を捕ってみないと微妙なニュアンスが伝わりづらいのも事実です。
私のつたない文章では誤解を招いてしまうおそれもありますからね。
もちろん、稽古に来られた方には丁寧に秘訣をお伝えしますので。

さて、足捌きと腕の操作で相手の攻撃を止めたら、空いた方の手で相手の拇指丘を挟むようにします。「つかむ」というよりは、小指の締めを効かせて挟み込むように。
そして、縦に斬り落とすように手刀を使います。
小手返しは、一見相手の手首をひねっているように見えますから、最初のうちは掴んだ手を回転させようと横の動きにこだわってしまう人が多いんです。
でも、それでは力が相手に伝わっていきません。
この動画解説でも再三言っているように、手刀は縦に使うということを意識してくださいね。
相手の肩口をやや外側に削ぎ切るように手刀で斬ると、相手の腰が崩れて、きれいに力が伝わっていきます。

もったいないと思えるほど、たくさんの秘訣を書いてしまいましたが、文章を読んだだけでは習得は難しいものです。
実際に稽古で、試してみましょう。お待ちしています!
其の百三十七、添わせる 
相手が攻めてきたとき、その攻撃線を外し、手首を通じて崩す身体操作です。
一見すると、相手の肘を極めて制しているように見えますが、そうではありません。

この、「パッと見たところと違う場所を攻める」というのは、古武術である大東流の特徴だと、私は思っています。
昔の武芸者は技の本質を見破られれば即、死につながりますから、そこを隠そうという智慧の名残ともいえるでしょう。
まずは動画を見てみましょう。
受け手側の攻撃は胸捕です。胸倉を片手で掴みにきます。
慣れてきたら、上段突きを捌くようにすると、さらに動きのコツをつかみやすくなります。
さて、相手の力は自分の胸に向かって真っすぐにやってきます。
これをそのままの体勢で立っていると、まともに相手の攻撃を受けることになります。
また、胸を掴まれた後に来る、次の攻撃にも対応しなければなりません。
そこで、身体を相手の外側に捌きます。
攻撃線を外すことで相手の力を逃がすんですね。

この時、上半身だけを動かしてしまいがちですが、しっかり足を動かして身体全体で捌いてください。
重要なのは、攻撃線を外そうとして相手から大きく離れてしまうのではなく、相手の腕に添うようにして捌くことです。
そうすることで、次に自分の攻撃に移ることが容易に出来ます。
相手の手首を自分の腕が「T」の字になるように上下から挟んで捕ります。
これも足の捌きと連動するとやり易いですよ。
相手の手首を捕ったら、自分の胸にくっつけるようにします。
このことで自分の中心から出る力を活かすんですね。

胸に当たっている相手の手首を引きつけたまま、お辞儀をするようにその接点を下に下げます。
そうすると、身体全体の力が相手の手首に集中します。手首という小さな部位を、体幹を全部使って攻めるわけですから、相手にはものすごい力がかかっていきます。
たまらず、腰から崩れていくというわけです。
動画を見ると、あたかも相手の腕に当てた肘で押さえつけて、逆関節に極めているように見えるかもしれません。
実はそうではなく、これは相手の手首を極めています。
冒頭で書いた通り、これが古武術ならではの「フェイク」と言えます。
肘を極めようとすればするほど、相手に伝わる力は拡散して、逃げられやすくなってしまいます。

ポイントは、手首を捕った手に、力を入れないこと。
力づくでやると技はかからなくなります。大東流の特徴ですね。
体験してみると、たちまちこの解説の意味することが分かると思います。
一度やってみたいと思われる方は、東京稽古会に参加してみてください!
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