扶桑会について
指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 3月21日(火・祝)14時から17時まで開催します。
場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 3月21日(火・祝)14時から17時まで開催します。
場所は 高津スポーツセンター 第二武道場です。
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其の百四十七、剣を使う(立合) 大東流合気柔術 
前回の鍛錬法「其の百四十六、剣を使う」の続きです。

今度は双方が立ったままで行います。受け側の攻撃は横面打ちです。
捕り手はそれを捌いて受け、刀を突き込む要領で相手を崩し、制します。
動画を見てください。
前回と違うところは、座った状態と比べて移動が簡単なことです。
その代わり、相手も下半身が自由ですのでその分しっかりと崩さなくてはなりませんね。
そのために大事になってくるのが相手の手刀の捕り方です。
横面打ちの受けはこれまで「其の四十九、車倒」、「其の八十九、横面打ちを受ける」 などで解説してきましたので、そちらを参照してください。

受けた手刀を斬り落とし、刀の柄を握るように相手の手首を捕るのですが、この時大事なのが腕を縦に使う意識です。
皆さん初めのうちは、相手の手刀を回すようにして握ってしまいがちですが、それをまっすぐ縦に斬り落とすように意識してください。言い換えれば、自分の中心で操作するんです。それが足の捌きと共に体の向きを変えることで、あたかも相手の手刀を回し制しているように見えているんですね。
ここがうまくいけば、体幹の威力が効果的に伝わり、相手は大きく崩れます。

その後は、前回と同じように剣を正眼(中段)に構えるようにして、そのまま斬り落とします。
相手の肘の向きに注意してくださいね。肘の先端で逆の肩を狙うようにすると、崩れが大きくなり反撃を防ぐことが容易になります。
これも、実際にやってみるのが一番ですね。百聞は一触に如かず、です。
東京稽古会は、常時参加者受付中ですよ!
其の百四十六、剣を使う 大東流合気柔術 
相対稽古による鍛錬法です。
これまでにも何度か出てきましたが、大東流合気柔術は剣の動きをもとにした武術です。様々な動きを、剣を使う意識で行うと、理解しやすくなります。

今回行う鍛錬法も、手首を掴んできた相手の腕を剣に見立てることによって制していきます。
まずは、動画を見てみましょう。
お互いが座った状態で向き合います。
受け側が片手で手首を掴んできます。捕り手は相手の攻撃線を外すように外側に捌きながら、相手の腕を掴み返します。
更にもう片方の手で相手の掌を掴むのですが、この時に相手の手首から手の甲までを「刀の柄」だとイメージします。
両手で刀の柄を握るようにするんですね。
先ほども言いましたが、相手の腕は刀だと意識するんです。肩口が剣の切っ先です。
小指から絞るように握りこみ、正眼(中段)に構えます。

更に剣を擦り上げるように立てます。
すると相手は肘が垂直に立ち上げられ、腰が浮きます。
続いて膝行して、身体の中心で斬り下ろすと、相手は肩から崩れてしまいます。
さあ、やってみてください。最初はなかなかうまくいきませんね。
一生懸命握って振り回しても、思ったように相手が動いてくれないので、ますます力一杯握りしめてしまうんではないでしょうか?
上手くできない最大の原因は、「力をこめて握る」ことです。

少し、考え方を変えてみましょう。
皆さんが木刀なり、何かの棒を振るときに、どのくらいの強さでその棒を持ちますか?
棒そのものをうまく扱うためには、握った手にはそれほど力を入れていないはずです。
試しにその辺にある箒でもゴルフクラブでも何でも振ってみてください。
持ち手は軽く保持するくらいの方がスムーズに振れます。
これを、人間を相手にしてやってみるんです。
人の腕を剣に見立てる。これには意識の変換が必要です。
相手を痛めつけよう、崩し倒してやろうと思い過ぎず、ただ剣を正しく構え、振るように自分の動きを練り上げていきます。

相対稽古でこの鍛錬法を行うのには、そうした「意識の変換」の訓練という側面もあるんですね。
次回も、この鍛錬法について研究してみましょう!
其の百四十五、正面で構える 大東流合気柔術 
相手との接点を自分の中心で操作する動きの続きです。大東流の技法として重要なところですので、繰り返しやっていきますよ。

今回は「腰車」を取り上げます。
この形は攻撃してきた相手の腰を浮かせることがポイントです。腰を浮かせて、爪先立ちにしてしまえば、簡単に投げ落としてしまえます。
では、どうやって相手を浮かせるか?
まずは動画を見ましょう。
相手が奥襟を捕って締めに来ます。「衣紋締(えもんじめ)」ですね。
そのままにしていると、数秒で頸動脈から頭への血流が止まって落とされてしまいます。相手の腕が伸びてきたのと同時に外側に身体を捌いて、当身を入れます。
この時、相手の腕は交叉して締めにかかってきますので、上になった腕(上手=うわて)の方に捌きます。身体全体で動くことが重要ですよ。

さて、とりあえず首を絞められるピンチは脱しましたが、当然これで終わりではないですよね。今度はこちらが相手を制する番です。
相手の肘の下側に手刀をあてて持ち上げます。
こうすることで相手の体は斜めに崩れます。
ただ、やってみればわかると思いますが、腕の力だけで相手の上半身を持ち上げ、崩すのは思ったより大変です。
グイグイ首を締めに来ているわけですから、おとなしく為すがままになるわけもありません。
先ほど、「手刀をあてて持ち上げる」と書きましたので、文字通りに取ると腕の力で対処しているように読めますが、実際にはここで「全身の連動力」を使って崩していきます。

まず、手刀を自分の中心に摺り上げるように掲げます。相手の腕は自分の奥襟を起点として伸びていますから、必然的に掲げた手刀は相手の腕に接触します。
手刀が当たったら、力づくで上に伸ばそうとせずに、腰を内側に切ります。ここで使うのが「千鳥足」の技法です。
「其の百十六、千鳥足(一)」http://daitouryu.blog.fc2.com/blog-entry-120.html
「其の百十七、千鳥足(二)」http://daitouryu.blog.fc2.com/blog-entry-121.html
足の方向を変えることによってコンパクトに身体の向きを変えるんでしたよね。
身体の向きを変えながら、手刀を自分の鼻先辺りまで斬り上げます。
何度も言っていることですが、この時に手刀と身体の動きがバラバラではいけませんよ。しっかりと連動させましょう。必ず身体の中心で操作してください。
こうすることで、相手の体は驚くほど簡単に崩れます。
全身の力を接点に集めた威力が発揮されるんですね。

相手が上体を崩し、つま先立ちになったら。下手を引き込みながら、腰の上を転がすように、投げます。
最後まで、相手の肘に当てた手刀が自分の中心にあることを意識しましょう。
文章では書ききれなかった細かな動き、例えば手刀をあてる際の方向転換や、相手を浮かせる時のわずかな沈み込みなど、形として成立させるためには他にも技術が必要になりますが、それは実際に道場でやってみましょう。
東京稽古会で、お待ちしています。
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