扶桑会への入会について
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)の2回行っています。通常稽古は会員限定です。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
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其の三百四十一 曲げて運ぶ 大東流合気柔術 東京稽古会 
相手の身体をこちらの意図通りに動かすということの本義を改めて考えてみる。
古武術である大東流合気柔術の状況設定は、相手がこちらに害を加えようと対峙して来たところにある。
そこに斟酌や譲歩はない。

そのような相手にこちらの意図を通し、身体を動かし、制していかねばならない。
そこで、いくつかの方法を考えてみる。
相手を上回る膂力や攻撃力をもって圧倒し、物理的に対応していくことが一つ。
これが可能な力の差があり、かつ完全に相手を無力化できるならば有効な方法であろう。

もう一つは、相手の攻撃の意志を半ば達成させながら、そのことによって生まれた隙をついて制していく。
相手の害意は反射するように循環し、もって抵抗の意志を無くさせる考え方だ。

言葉にすれば夢物語のようであり、実際の闘争において、そのような理想は通用しないと断じられる向きもあろう。

しかしながら、大東流合気柔術はそうした闘争が日常であった世界で生成した。
その術理の根幹には、彼我の戦力の差で圧倒するものとは異なる思想がある。
このことについては、引き続き考察を重ねてみたい。
稽古日誌 令和3年7月11日、15日、18日 
東京稽古会の稽古日誌です。毎日の修練の備忘録的に。
まずは7月の11日(日)扶桑教太祠 扶桑会館にて。

この日は稽古中にものすごいゲリラ豪雨があり、
一時中断するほどでした


手首の鍛練連続技から、正面打小手返。

居捕正面打小手返…

中段突きを内腕返で制する動き。

最初の捌きに技の成否がかかります。

続いて居捕横面打ち肘挫。

体幹の動きで崩します。

見取り稽古の会員さんも。自分のペースで稽古に参加できます。
最後は天地投げで締めました。

この翌日から4度目の緊急事態宣言が発出。もはや感染予防のための行動制限とは誰も信じていないような社会情勢です。
歴史的に見ても、こういう時は民心が揺らぎ、思いもよらぬ危険な流れが起きがちです。

続いては7月15日(木)扶桑教太祠 本殿にて。

少人数でしたが、搦投、小手返などの修練に励みました。

普段あまり取り組まない受けの稽古にも時間をとって…

いい表情です


最後は7月18日(日)。この日は7月の本稽古でした。
場所は扶桑教太祠 本殿です。
肩から先の脱力、中心での操作、軸に重心を乗せる…などをテーマに修練しました。
が!機材のトラブルで撮影データがすべて破損してしまいました。
映像は最後の集合写真のみです。

充実した表情ですね。
この間、緊急事態宣言の実効を上げる思いからか、政府要人が飲食業者への圧力ととれる発言を行うなど、ますます日本中枢の劣化が進みつつあるように感じます。

武術を志す一個人として、この状況下で為すべきことを考察しています。

自分の頭で考えること。自分の判断で身を守り、生き延びる術を探ること。
古武術の鍛錬を通じ、日々正しい道筋を見出していきましょう。

其の三百四十 連続極 大東流合気柔術 東京稽古会 
手首関節を様々な形で刺激することで、相手の身体を操っていく技法は、古流体術に特徴的なものである。
古武術としてその遺産を受け継ぐ大東流合気柔術にも、その体系が存在している。

今回取り扱うひとつながりの動きは、手首を攻める動きを連続的に用いる。
身体の方向転換や手刀の使い方の変化も理に適っており、効率的に操作法を学ぶことが出来る。

また、受け手側も手首を様々な手法で攻められることから、関節極めに対する鍛練にもなる。
無理に抵抗せず、可動域を広げていくとよいだろう。

捕り手側は肩から先の力に頼ることなく、全身の連動を意識して稽古してほしい。

外形上は手首の攻めではあるが、関節を通じて相手の体幹に力を伝えることが目的である。
東京稽古会では今後もこの操作を日々の鍛錬に取り入れ、一層の技術向上を目指していく。
稽古日誌 令和3年7月1日、4日、8日 
大東流合気柔術 東京稽古会の稽古日誌。
今回は感染症による緊急事態宣言が2ヵ月ぶりに解除された7月の前半の稽古の様子です。
まずは7月1日(木) 扶桑教大嗣本殿を拝借しての稽古。

基本稽古を行ったのちに、合気上げ鍛錬法。

全身の連動をテーマに胸捕逆腕捕で体幹を崩す操作

上半身の力だけでは、相手は崩れないということを体感します。

続いて両手取小手返。初動で相手を乗せてしまうのにも、全身の連動が必要です。

その後は二組に分かれ、初級者は正面打ちを一本捕に捌く稽古…

もう一組は四方投げを中心に3級技に取り組みました。
少人数でしたが習熟度に合わせた鍛錬で、充実した稽古になったと思います。

続いては7月4日(日)、この日も扶桑教大嗣 本殿での稽古。

基本稽古での受け身、膝行など…。漫然と行うのではなく、意識的に動くことが重要です。

合掌捕で手首の鍛錬ののち、ガッツリ掴んできた片手取を手解き…

その要素を利用して抜手捕…

崩しをかけるには姿勢が重要です。

その後しばらく後取両肘返の組と、4級技の組に分かれて研究したのち…

最後は合気上げ鍛錬で締めました。

脱力、姿勢、大東流合気柔術の思考法のベースとなる技です。

技術の入り口は狭く、初心のころは途方にくれますが、たゆまず鍛錬すれば必ず道は開けます。

お互いに切磋琢磨していきましょう!

最後は7月8日(木) 扶桑教大嗣 本殿での稽古。

合気上げから受け身の修練。

肩から先を脱力すれば、相手はこちらの動きについてきます。

中段突きを捌いて入り身する動き…

自然体を意識して正しい姿勢を保つ修練

さらにそこから、小趾丘を捕って内腕返。
少し難しかったかも…

その後は二組に分かれ、三級技、抱締。

居捕搦投。

初級者は正面打ちの一本捕を丁寧に練り込みました。
緊張感を持続させて稽古に臨めたと思います!

継続して稽古できることに感謝をしつつ、社会混乱を招いている感染症騒ぎが着地するよう願わずにはいられません。
其の三百三十九 包む 大東流合気柔術 
末端の器官である手。古武術の経験の浅いうちは、その筋力を使って術を行おうと試行錯誤する。

しかし、手首~掌に至る筋力は、どのように鍛えたとしても、おのずと限界がある。
無論、力士などパワー系の競技者は素晴らしい膂力を発揮できるだろう。
大東流の基本思想は、自分がそうした体力を使って優位に立てない場合にも、生き延びるためには何が必要か、という観点に立つ。

たとえば、加齢による衰え。筋力やスタミナが落ちた場合であっても、強い相手から蹂躙されないためにはどうするか?
あるいは、けがや体調不良の際に危機が訪れたときでも、致命的状況に陥らないためにはどうするか?

今回の操作法はいわゆる二ヶ条手首極めの形であるが、手の筋力を発揮せず、「カゴ」を作って相手の手を包むように手刀を作り、それをもって斬り込み、制する動きだ。

「カゴ」や、「包む」という概念は、私が個人的に発想したものであり、異論のある諸先生方もおられると思う。
大東流合気柔術に既存しない、現時点での私の仮説であることを補足しておく。