扶桑会について
指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
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其の三百五十 引きつける 大東流合気柔術 東京稽古会 
片手取に対してその初動をどのように行うか。
大東流合気柔術の中心にある「剣の理合」の考え方を用いていくつかの動きを紹介してきた。

全身の連動で剣を構えるように肩を詰めて動きを止め、さらに重心を下げることで攻撃の下に潜り込んで優位に立つ。
これらを一瞬のうちに行うことで相手を制する動きに繋げていく。
今回はそれに加えて、重要な概念を導きいれたい。
それは「縦」の考え方だ。

刀を操作することをイメージすると分かり易いが、刀身を寝かした状態で上下に振ることは無意味であることがわかる。
「その方向には斬れない」からだ。

だが、これが手刀になると、どうしても捻ったり、持ち上げたりという動きになってしまう。
「剣の理合」とは刀が効果を発揮する方向、すなわち「縦」に手刀を操作することが含まれる思考法だ。

常に剣を使っていることを念頭に置いて大東流の動きを解釈することで、相手への力の伝達が高まることを体感してほしい。
其の三百四十九 手刀で乗せる 大東流合気柔術 東京稽古会 
「乗せる」という考え方を使うと、無理なく相手に自分の力を伝えることが出来る。今回は小手返の初動を通じてそんなことを考察してみたい。

前回の動画では、片手取に対処するために手刀を使って相手の動きを止めた。
この時に剣を構えるようにして全身を連動させると、相手は身体を自由に動かせない。
ただこの時、相手に力を届けようとするあまり、手刀で相手を押すようにして反発が起きてしまうことが多い。

なぜそうなるか。
それは、相手が攻撃してきた力を、自分の体の表面、もしくは接点に近い位置だけで受けていることに起因する。
そうではなく、相手の力を一旦自分の中心に通すようなイメージで「受け入れる」ことが必要になってくる。

その上でさらに接点の下に自分の重心を潜らせるようにする。
膝を柔らかく使い、沈み込むように体を使うのだ。
この操作で、相手を「乗せて」しまう。

手刀で突き込むだけでなく、同時に相手の重心を捉えてしまうことで自由をうばう。
「相手の下に立つ」とは、現代では否定的なニュアンスを持つ言葉だが、古武術においては奥義につながる思考方法なのだ。
稽古日誌 令和3年9月5日、9日 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術 東京稽古会の稽古日誌です。
9月5日(日)は扶桑教太祠本殿での稽古。

両小手返で手首の鍛錬を行った後、攻撃線の捌きの訓練から小手返。

どちらも剣の使い方をイメージしながら修練します。
基本動作の後は、形を中心に。
車倒。

切返。

裏落。

どちらも相手の裏に踏み込んで崩していきます。
久々のメンバーの顔も見られて、にぎやかな稽古になりました。

9月9日(木)は夜の稽古。
扶桑教太祠 本殿をお借りしての修練です。いつもありがとうございます。

合気上げ鍛錬の後、中段突を裏に踏み込んで逆襷(ぎゃくだすき)。

重心の置き方に秘伝があります。
また、力が入ってしまうと技がかかりません。複雑な動きですが脱力が必要です。

居捕、短刀での中段突きを捌いて一本捕。
鼠径部で極め、膝行で崩します。

さらに胸取から突いてくるのを捌いて搦投。

四級審査技の組は裏落、肘返、車倒を中心に。
姿勢が美しくなってきました。

充実した稽古となりました。
徐々に気温も下がり、稽古に最適な季節となりつつあります。
体調管理に心がけ、古武術稽古で免疫力を昂進させていきましょう!

其の三百四十八 対片手取 大東流合気柔術 東京稽古会 
小手返は武術を知らない人にとっても比較的ポピュラーな技だろう。
アクション映画などでも、手首を捻るようにして痛みを与えて取り押さえるような場面を何度か見た記憶があると思う。

大東流合気柔術にも当然その技の体系があり、手首関節をとって倒すというところは変わらない。
ただ私個人としては小手返の操作法そのものよりも、その技をかけるに至るまでの過程に大東流の特徴なり優位性を感じている。
以降、何回かに亘ってそうした観点から解説してみたい。
対峙した相手の圧力をどのように無力化するかということが最初の課題になる。
ここでは片手を掴んできた相手の攻撃にどう対処するか、その方法が問われる。

この時に大東流が使うのが「剣の理合い」だ。
腕の力を使わず、剣を構えるように手刀を張り、相手の肩口から詰め込んで、腰の動きを止める。

瞬時にこれを行い、相手が次の攻撃を仕掛けられない状態にしておいてから、小手返しの操作へと移っていく。
剣を使うように全身を動かすということの本義についてはこれまでにも何度も言及している。
「脱力」「姿勢」「中心力の発揮」など、基本的な要素の複合であるが、これを体得するのが至難の業でもある。

次回以降もそうした剣の動きにまつわる私個人の見解を述べるつもりだ。
東京稽古会での修練で大東流の技術に対する認識は日々改まるが、現時点での到達点を記すことに、いくばくかの意義があると信じたい。
稽古日誌 令和三年8月22日、29日、9月2日 
東京稽古会の稽古日誌、8月の下旬から9月初旬にかけての記録です。
まずは8月22日(日)、扶桑教太祠 本殿での稽古。

相手の攻撃を捌いて、優位に立つ動きを取り上げました。
正面打を小手返し、横面打ちを車倒に。

攻撃線を外して、重心の移動で崩します。
両手取を掛け手に取って搦詰。

合気上げ鍛錬法を立って行う形を試しています。
このほか手首の鍛錬法として、両小手返、小指の締めで握る操作。片手取りを肘を崩して2ヶ条小手詰めなど…

多彩な種類の動きを修練した時間となりました。

続いては8月29日(日)、扶桑教太祠 本殿での稽古。
この日はコロナワクチンの副反応で稽古に来れなくなった会員が数名・・・。無理は禁物ですので、しっかり休んでもらいました。
稽古の方は正面打への対処法、十字受けで崩して倒す、一本捕に捕る・・・

相手の胸捕を中心で挟んで無効化する動き、さらに逆腕捕・・・

少人数ならではの基本動作にじっくり取り組む稽古となりました。
この2日後から9月12日までの緊急事態宣言の延長が決定。

武術を志す者として、現在日本で、世界(先進国)で起きている事実をどう評価し、どう向き合っていくかが問われています。
後の世代に対して恥ずかしくない思考を堅持して生きることが求められている、そのように感じています。

最後に9月2日(木)、扶桑教太祠本殿での稽古。

手首の鍛錬・搦詰に始まり、片手取を当身で崩して裏に踏み込み倒す動作。

横面打を両手刀で受けつつ、裏に崩して車倒。

袖捕を体重移動で崩して裏落。
すべて相手の裏に体重移動して崩す動きでした。
全身を脱力させて移動させることで、強い攻撃に対しても力みなく対処できます。

こうした修練を重ねることで、大東流の極意へと徐々に近づいていきます。

誰しも社会の情勢と無縁ではいられません。そうした中で、自分の判断において正しい選択を行っていきたいものです。
それもまた、重要な武術修行の道であると捉えています。
其の三百四十七 抱締 大東流合気柔術 東京稽古会 
これまで「腕の反し」という要素を数回にわたって取り上げてきた。
腕を反転させることがその外見上の動きとなるが、ただそれだけでは効力を発揮できない。

今回は、大東流合気柔術の一つの型である「抱締捕」を通して、「腕の反し」という思考法を掘り下げてみた。
相手が両腕を使って頸動脈を締めに来る。
衣紋締めという攻撃法であるが、稽古とは言え頭部への血流が止まると、数秒で意識が失われる。
上級者の適切な指導の下に修練を行ってほしい。

具体的には顎を引き、相手の小手が頸動脈を圧迫するのを防ぐことが必須となるので、特に初心者にはこの点を強調して伝えなければならない。

首を絞めに来る相手は、当然優位な立場でこちらを無力化しようと図るのであるが、それに対して遮二無二振りほどこうとしても不利な状態からは抜け出せない。
「腕の反し」は腕の柔らかい伸展をもって力を発揮するが、それは上半身の力のみで打開することを意味しない。

むしろ、接点である腕から遠い腰~下半身から来る力によって相手はなすすべなく崩される。
合気柔術ならではのこうした術理は、稽古を積み重ねていくことをもって漸く会得できる。確信と謙虚さを二つながらに携えて精進していきたい。
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