扶桑会への入会について
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)の2回行っています。通常稽古は会員限定です。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
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其の三百五十五 肩をつける 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回は相手を崩し倒した後に、無力化するために身体を固定する合気柔術の技法について述べてみる。

地面に倒れた相手とは言え、放置していれば起き上がって反撃を試みるのであり、その動きを許さないように適切に対処しなければ制することは出来ない。
大東流合気柔術では筋力に頼った身体運用を行わないということを、このブログの場でも再三言及してきた。

動画で示したように、うつ伏せに倒れた場合に肩を地面につけて固定するのは一つの方法であるが、これもまた上半身の力、なかんずく腕力を使って行ったのでは効果的に抑え込むことは出来ない。

むしろ膝行による重心移動と、相手の体の部位を腰に密着させることで生まれる体幹の力で制していくことが必要だ。

東京稽古会ではこの理合を体感的に修得して、様々な場合に応じて応用変化させていくことが可能になるところを目指している。
稽古日誌 令和三年 9月30日、10月3日、7日、9日秋合宿 
日本に伝わる古流の武術である大東流合気柔術を研究している東京稽古会の稽古日誌です。
不定期更新とはいえ、一か月近くも滞ってしまいました…が、活動はしっかり継続しています!

9月30日(木)扶桑教太祠での稽古です。

袖捕を外に捌く動き、片手取りを内に捌いて二ヶ条に極める動きで基本動作を確認し…

胸取り正面打ちを搦投にとる動き。攻撃線の捌きを使って制します。

先日の本稽古で取り組んだテーマをおさらいしつつ、練り込みを行いました!

7月から長く続いた緊急事態宣言が明けた10月3日(日)。明大前の扶桑教太祠 本殿での稽古です。

正面打を手刀詰に捕って手首の鍛錬に始まり

両手取を手刀で突き込みながら側面に並んで崩す動き

直下に沈む動きが重要です。

同じく沈む動きを修練する肩落。
片羽締を大きく沈んで肩から落とします。

さらに衣紋締を沈んで制する帯落。
共通のテーマでいくつもの技を行うことで、本質が見えてきます。
扶桑教さんから秋季大祭の御神札をいただきました。皆で手に持って集合写真です。

10月7日(木)、明大前にある扶桑教太祠 本殿での稽古。

袖捕を手刀で崩します。腕の反しを使うところが重要。

中段突を鎌手詰で制する操作法。

手解きから肘を逆にとって投げる動き。脱力しないと成功しません。

両手取を小手返で制する動きも、腕の力をいかに排するかが重要です。
体格や力の差があればあるほど、大東流合気柔術の良い鍛錬になります。

10月9日から10日にかけては、千葉の南房総市での秋合宿を行いました。

例年訪れている「三富荘」さんに今年もお世話になりました。
畳敷きの道場がある、広い宿です。

昨年来の感染症騒ぎ、また令和元年の台風19号による被害で、三富荘さんもなかなか営業再開が出来ず、我々東京稽古会が2年ぶりの客とのこと。

社会情勢が平常を取り戻し、また元通りに活況を呈する日が来ることを切に願います。

合宿の稽古の方は「一本捕」をテーマにじっくりと取り組みました。
正面打、短刀取、胸捕などを腕を一本に伸ばして腰を崩す…。

一本捕という操作法の核心をさまざまな角度から研究しました。

稽古の後はバーベキューで栄養補給。

こちらも時間を忘れて、じっくりと。
三富荘さんからは内房の海の幸をたくさんサービスしていただきました。

翌朝は早くから起き出して魚釣り。

意外と釣れました。

普段の稽古ではなかなか時間が取れず、ゆっくり話をするのも難しいのですが、
日常を離れた場所でお互いにコミュニケーションをとれて、有意義な合宿となりました。

またやりましょう!
其の三百五十四 腰で制する 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術は古流の柔術をルーツに持つ「やわら」の技術である。

「柔と剛」という分類が適切かどうかという議論はあるにせよ、現代スポーツの要求するパワーとスピードをもって相手を凌駕するという方向性は持たない。
無論、柔らかさ、しなやかさのなかにも厳しい勁さ、ゆるぎない芯は必要であり、柔弱であって技となるようなものはない。

今回取り上げたこの動きは相手が短剣で突いてきたときの対応についての研究だが、腕や上体の力に拠ってしまうと抵抗を生まずに相手を無力化することは出来ない。

相手が刺突する剣と伸ばした腕に添うように捌き、次にその腕を腰の縁周に巻き付けるようにして身体の向きを変える。
ここで「やわら」の思考法を活かし、絡みつくように操作できるかが技の成否を分ける。

体幹部分を使って、相手に絡みつくというのは言葉にすれば奇異に感じられるところだろう。
これも、実際に修練してみることで感覚的に理解してほしい。
其の三百五十三 内外に捌く 大東流合気柔術 東京稽古会 
人が自分に殴りかかってくるような状況は普通の人にとってはまれだろう。
特に今の日本の現状においてはそういうことは起こりづらい。

古武術たる大東流合気柔術においてはそうした想定のもとさまざまな対処法を修練するのだが、現代日本でそれを行う意義はどこにあるのか。
私は、自分に向かってくる悪意を単純に回避するだけではなく、その悪意を無力化してしまうことを目的にするというところが、一つの回答だと考えている。

今回の動きで紹介したのは、相手の攻撃の意志に対して遠く離れるのではなく、近づいて密着すること。
相手の攻撃に近寄れば近寄るほど、その攻撃の意志を無力化する確率が高まるということを提示してみた。

とはいうものの、稽古ではやはりある種の約束のもと攻撃が行われる。
ここに示したように動くことが出来るのも、相手の攻撃が予測できるからであって、無限の選択肢に対応するわけではない。
また、現代社会における「攻撃」は、暴力によるものとは限らない。

日常修練を重ねる中で、害意を持った他者との距離感の取り方を学びながら、「約束のない」攻撃に対して自分がどう振舞うことが出来るかを考えてみることも、また必要であろう。
其の三百五十二 担いで投げる 大当流合気柔術 東京稽古会 
両腕を掴んできた相手のその腕を自分の肩に担ぎあげて、大きく振り落とすように投げ倒す。

柔道や少林寺拳法などにも相手を投げる技法は数多くあるが、今回の動きは大東流合気柔術の独特の考え方に基づく。
相手の攻撃を受け止めるようにして手刀でつながりを作る。これは前回まで繰り返し述べたところ。
そのつながりを維持しながら相手と並ぶように転換する。

この動きで相手は肘を逆にとられ、肩が詰まって身動きできなくなる。
その場で真下に沈むと、支えを失った相手はなすすべなく前方に投げ落とされる。

剣の使い方などを利用する技の詳細は動画の解説に譲るが、特徴的なのはこの一連の操作の中で、捕り手側は一切力づくの押引きを使った崩しをかけないことだ。

最初に受けた攻撃の圧力を極力維持するように、自分の体の位置と手刀によって形づくられた接点を移動させる。
それだけで敵を制しうるとする、合気柔術の奥深い思考法である。