扶桑会について
指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
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其の三百五十九 くっつける 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術に通じるには多くの階梯を経る必要があるが、中でも重要でありかつ難度が高いのが「意識の転換」である。

これから数回にわたって取り上げる操作、思考法はそうした意識の転換によって成立する。
いわば大東流の極意に近づくものと言っていい。
動画で取り上げた動きは、いわゆる「合気上げ」の変化応用形である。
座ったままにして、相手の攻撃を受け入れ、逆に投げ返し、制してしまう。

さまざまな要素がからむ技術であるから、単純に要約することは出来ないが、やはりここでも初動が最も核心だ。
相手の攻撃を受け入れるように、手刀を柔らかく開き、手の甲を接点に密着させる。

常識的に考えて、攻撃してきた相手の掴み手に対して、「柔らかく受け入れる」ということはナンセンスに思われるかもしれない。
上手い譬えではないが、自宅に押し入った強盗を奥の間に招き入れ、お茶を出してもてなすようなものだ。

しかしそうするうちに、相手は何も奪わずに大人しく帰っていく、それが大東流の動きに対して私が抱いている理想のイメージだ。
そのくらいの意識の転換を要求される考え方が、この合気上げ変化技には含まれている。
それを念頭に稽古していただきたい。
稽古日誌 令和三年 10月31日、11月3日、7日、11日 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術 東京稽古会の稽古日誌です。今回は10月後半から11月中旬にかけて。
まずは10月31日(日) 扶桑教太祠本殿での稽古。

手首の鍛錬で合掌捕を行った後、習熟度に合わせて形の稽古。

裏に踏み込んで重心移動で倒す技の系統で裏落、車倒。

搦投、切返で上半身の脱力に拠る操作法を習練します。

少数精鋭で密度の濃い稽古となりました。

続いては11月3日(水・祝)、世田谷総合運動場体育館での稽古。

手首の鍛錬連続極。だんだんと流れるように動けるようになってきました。

逆腕捕で相手を崩す操作法。

手先でなく、体幹部を使うことが大事です。

抜手捕。気迫を出して技にしていきます。

同じ攻撃は二度となく、技を外せば命を落とす。
稽古においては一期一会の心構えで取り組むことが重要です。

11月7日(日)の稽古は、明大前にある扶桑教太祠 本殿で行いました。
安土桃山時代から続く伝統ある信仰の場所で稽古が出来る幸せを感じます。
静謐な神殿と美しい空。

千鳥足の操作を使って剣の理合いで崩す操作法。

それを発展変化させて四方投 裏・表。

身体の中心で斬り落とします。

同じく千鳥足の操作で後捕両肩捻。

どの動きであっても上半身の脱力は必須です。

最後は11月11日(木)、扶桑教太祠本殿での稽古。

正面打ちの訓練から、居捕小手返。
座ったままで斬りかかる相手を投げ飛ばします。

立合で両手取小手返。

初動で相手を乗せ切り、腰を使って変えられるか否か。

先に進むほど難度は上がりますが、技術習得、開眼の喜びも大きくなります。
稽古に励みましょう!

其の三百五十八 四方投 大東流合気柔術 東京稽古会 
最近の稽古では会員たちが「ぶつかる」「引っかかる」という言葉を使うことが多くなってきた。
これは、私としては喜ばしいことでもある。

なぜなら「ぶつかる」というのは柔らかく動いていくために乗り越えなければならない「壁」が見えている段階に達しているといえるからだ。
初心者にとって、攻撃の意志をもって掴んだり打ちかかったりしてくる相手に対して柔らかく身体を使って対処することなど想像もつかないのが現実だ。

つまり「ぶつからない」「引っかからない」ことを意識できるようになったということは、合気柔術の何たるかを理解しているということにほかならない。

今回の「四方投」は大東流合気柔術においても様々に変化応用できる核心技法であるが、それだけに柔らかい身体操作を要求される動きでもある。
特に相手の手首を捕って体幹部分を動かしていく際には、小手先の力を使って動かした途端に「ぶつかり」「引っかかって」しまう。

そうした感覚をどのようにして乗り越えていくかというところに古武術稽古の真髄がある。
かつそれは修練を積み重ねていくことで必ず乗り越えることが出来る壁でもある。
稽古日誌 令和三年 10月14日、17日本稽古、24日、28日 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術東京稽古会の稽古日誌。今回は10月後半の稽古を記録していきます。
まずは10月14日(木)。場所は世田谷区松原の冨士道扶桑教太祠 本殿です。
最近問い合わせが多く来ますが、京王線、京王井の頭線の2線が利用できる「明大前駅」より徒歩3分程度の神社で稽古させていただいています。

脱力をテーマに合気上。
この鍛錬法はさまざまな要素を取り上げて修練することが出来ます。

胸取を手刀で制する動き。

さらに胸取を腕を柔らかく伸ばして制する。上半身の脱力が必要です。

稽古の最後に手刀詰。これも脱力が必須となります。
大東流合気柔術らしい動きの連続でした。

10月17日(日)は、10月の本稽古。
接点を密着させ、相手を思い通りに操作する合気柔術の極意につながる動きをテーマに。

掌をくっつけて「合気上」の変化応用。

女性でも柔らかく手刀を使えば投げられます。
筋力を必要としない思考法が重要です。

掴んだ両手を離せなくなるので、この通り。

積み重ねて修練した一連の操作法を「切返」に応用しました。

難易度は高かったかもしれませんが、興味深い動きを取り上げて満足度も高かった本稽古でした。

木曜日は一回お休みして、10月24日(日)。明大前 扶桑教太祠 本殿での稽古。

居捕逆腕捕に始まり、

手解きからの抜手捕。

衣紋締を千鳥足で無力化して帯落。

後捕の両肘返。

このほか立襟捕、二カ条引落など、多彩な技を修練しました。
充実の表情です。

最後は10月28日(木),扶桑教太祠 本殿での稽古。

この日は受け身の稽古から。

正面打ちを切返にとる。

相手の攻撃を腕を搦めて制する搦投。

熱心に稽古しすぎて道着の袖が破れてしまいました

それもあってか、ちょっと妙なテンションの集合写真です


其の三百五十七 内腕返 大東流合気柔術 東京稽古会 
顔面に殴りかかってきた相手を一挙動で搦め取って投げ返す。
大東流合気柔術らしいダイナミックな操作であるが、これも攻撃線の理解で可能になる。

前回まで、相手の攻撃線に密着するように捌き、あるいは攻撃線を延長させて相手の体勢を崩すことについて見てきた。
取り上げたのは中段突、または短刀取など相手の体幹部分から発せられ、まっすぐ自分の方に向かってくる攻撃だが、そういう時こそ有効になる考え方だ。

その上で今回特筆するのは、「相手の中心に向かって攻める」という要素である。

突きを放った相手の拳を柔らかくつかみ、肘の内側に手を当てて腕を折り込むようにして腰を回転させる。
この時に相手の拳を顔面に向けて折り曲げることで相手は大きく体勢を崩す。

実際に修練した場合に、思ったように腕を折ることが出来ずに難しさを感じるかもしれない。
上半身の脱力と、柔らかい腕の使い方に留意して稽古してほしい。
其の三百五十六 搦めて投げる 大東流合気柔術 東京稽古会 
攻撃線の考え方はいろいろな角度から考察することが出来るが、今回は「相手の攻撃を止めない」ことから得られる効果について考えてみたい。

胸取り正面打ちは片手で胸倉を捕まえたうえで手刀による攻撃を指す。
現代では顔面に拳による打撃を試みることの方が一般的であろうから、今回は正面打ちではなく顔面突きとした。
さて、正面打ちでも顔面突きでも同じことなのだが、このように攻撃側が相手を片方の手で固定してかかってきた場合、捕り手は防御が取りにくいと考えるのではなく、攻撃側との接点を有利に活用できると捉える。

すなわち、攻撃側は胸倉をつかむことによって自ら可動域を狭くしてしまっているのだ。
捕り手はそこを見込んで、相手に攻撃「させる」。

顔面突きが来た場合、その打撃の軌道上にできる限り相手の腕を伸ばさせるのだ。
こうすることによって、攻撃側の両肩は必然的に詰まっていく。
正面打ちの場合にも、同じ考え方が成立する。

試しにやってみてもらえれば良く理解できるが、相手の腕をつかんで引き伸ばそうとしても上手くいかない。
抵抗を受けて、相手の腕はあるところで止まってしまう。
しかし、自らの意志で伸びようとする腕は、攻撃側が容易く自縄自縛に陥ってしまうほど良く伸びる。

脱力して攻撃線を外し、敵に攻撃させることで我が方を有利にする。
これもまた、大東流合気柔術の興味深い思考法であって、現代処世術としても含蓄を含んだものであると感じられる。
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