扶桑会について
指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
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稽古日誌 令和3年 12月16日、19日、23日、26日稽古納め 
今年最後の更新となった大東流合気柔術東京稽古会の稽古日誌。
一年間いろいろな方の支えを受けて、稽古を続けることが出来ました。何よりもまず感謝の思いを述べたいと思います。
ありがとうございました。

12月16日(木)は明大前の扶桑教太祠 本殿での稽古。
毎週2回、美しく静謐な環境で稽古させていただきました。
ありがとうございました。

前回、前々回の本稽古の内容を中心に、密着と全身の連動を修練。
正面打ちを切返に崩す動き。

小手返、半座合気上から投げ倒しての受け身鍛練、最後に外脈極で手首の鍛錬。

小手先の力を使わないことの重要性を改めて感じる稽古になったと思います。

12月19日(日)は世田谷総合運動公園 体育館での稽古。

後ろからの攻撃に対処する後捕から、両肩捻。

同じく後捕、立襟捕。

こちらは片手取りに対して、双方の身体を伸ばして制する操作。

年末の稽古納めに予定されている昇級審査に向けての確認も大詰めです。

12月23日(木)、扶桑教太祠 本殿での稽古。

両手取に対応して相手の身体を詰め、可動域をうばう操作。

手刀を柔らかく活かして、密着して制します。

同じように両手取りを四方投。これは裏を攻めます。

手刀を剣に見立て、縦に操作することで力を伝える。毎回の稽古で繰り返し修練してきた要素です。

12月26日(日)、令和三年の稽古納めです。この日も扶桑教太祠 本殿を拝借して。

胸取を一本捕に制します。攻撃線の捌きと密着の要素。

正面打ちを切返に制する。これも同じく攻撃線の捌きと、手刀の密着。
ひとしきり今年目標にしていた重点動作を鍛錬したのち、2級の昇級審査。

一カ条立合、居捕、後捕の計16本を演武します。

修練の成果を十分に発揮して、合格です。
その後は恒例の、審査を受けて気になった点を全員で稽古。
逆腕捕の詰めを緩ませないように崩していきます。

稽古が終わった後は、一年間の感謝を込めて本殿の清掃。

東京稽古会では、毎回稽古後に拭き掃除を行いますが、この日はいつもよりも数段丁寧に拭き込みます。

コロナ感染症による緊急事態宣言が長く発出されるなど、社会情勢は困難なところもありましたが、会員諸氏の熱意、周囲の温かいサポートもあり、本年も充実した稽古を継続することが出来ました。
古武術である大東流合気柔術の修練を通じて、日本に古来から伝わる精神や知恵を現代に伝えていきたいという思いから、東京稽古会を始めて七年が経ちました。
常に初心に還りながら、また気持ちを新たに進んでいきます。

冒頭に記した通り、関係する多くの方々、また人知を超えた大きな存在にも感謝の念をささげて、一年の修行の締めくくりとさせていただきます。
合掌。
感謝。

稽古日誌 令和3年11月28日本稽古 12月3日、5日、9日、12日本稽古 
大東流合気柔術東京稽古会は毎月1回、一般の人でも参加可能な公開稽古を行っています。
本稽古がそれにあたります。それ以外の会員限定の稽古を通常稽古と言っています。

この日11月28日は11月の本稽古。初参加の方を交えて、大東流の基本的な考え方を学びました。

今回のテーマは「胸取」への対処法。
身体の中心を掴んでくる攻撃にどう対応していくかを研究します。

掴まれたとき密着して崩す。あるいは腕が伸びてきたその拍子をとらえて崩す。

いずれも力を使うのではなく、自分の重心を移動させたり、優位な位置に身体を捌き、全身の連動を必要とします。

現代的な感覚からは少し難しく感じる動きの連続でしたが、これが今後の通常稽古のベースとなっていきます。

続いては12月2日(木)の通常稽古。

木曜夜は基本的に明大前にある扶桑教太祠 本殿を拝借して稽古させていただいています。

肘を攻め、相手の重心を崩す動きを連続して修練。

相手の手刀を手鏡に捕って崩す。

肘を上下に斬り分けて投げ倒す。
細かいところまで丁寧に反復して修練できました。

12月5日(日)の通常稽古は「腕を伸ばす」をテーマに2時間。

胸取を側面に捌いて、帯落に制する。
掴まれるその一瞬前に一本捕にとって制する。

重心を移動させて裏落。

肩を詰めて、肘を折る膝締。

沢山の形を次から次に稽古しながら、その中に含まれる要素への理解を深めていきます。

12月9日(木)の稽古は合気上から。

基本の訓練ですが、大東流の奥に通ずる考え方を養成します。

脱力、伸筋の使い方、剣の理合…

じっくりと基本に取り組んでいくこともまた、重要です。

12月12日(日)、今年最後の本稽古を世田谷総合運動公園 体育館にて行いました。

今回のテーマは「肘」。
伸ばし、曲げ、関節の構造を利用して崩しをかけていきます。

強い攻撃にも、無理のない体の使い方で対処する思考法が重要です。

自然に体が崩れる方向を、体感的に察知できるような稽古を目指します。

本稽古で学んだ要素を、通常稽古で繰り返し練り込んでいくのが、東京稽古会のベースにある修練法となります。

其の三百六十三 正面打切返 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回は正面打で攻撃を受けた場合に、切返で制していく動きを取り上げる。
これもまた、大東流合気柔術らしく上半身を脱力させるところにその妙味がある。

相手の打ち込んできた正面打を、手刀で受けとめる。
毎度のことだが、この時に攻撃線をずらし、自分に優位な立ち位置で受けることが重要だ。
次にあばら骨に向けて当身を入れながら、相手と横並びになる。
相手の手刀を受けた接点は自分の中心にあること。

さて、ここから相手の身体を崩すべく攻め込んでいくのだが、この動きがうまくいかない。
接点に近い腕の力で押し込もうとしてしまうのだ。

肩から先の力を使ってしまうと、自分が踏みしめている地面からの力は、切り離されて無効になってしまう。
全身を一つの塊として力を発揮するためには、上体を脱力することが必須だ。

ここのところは、日常の稽古でも常に意識を喚起してはいるのだが、実際に移すことが難しい。
「やわら」の真髄に至れば、拍子抜けするほどあっけなく相手は崩れてくれる。
たゆまぬ修練によって、その境地を進んでいってほしい。
其の三百六十二 両手取切返 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術の修練の過程では、現代人が常識としている意識の転換が要求される。
そのことをこのところ何度かにわたって繰り返し述べてきた。

今回の動きについていうと、「両手を掴まれたときに腕の力を使わず、脚を動かして身体全体で対処する」ということだ。
「身体全体で動く」という点についてはイメージしやすいが、「腕の力を使わない」」というところがやはり難しい。
稽古のときに、苦労するのもまさにその部分だ。

どうしても、肩から先の筋力で相手を動かしたくなる。
だがそれは、相手の体重を自分の腕で支えていることにほかならない。

肩から先の筋力で対応するということは、自分の腕の力で相手を動かすということだから、相手の全体重が自分の腕にかかってしまう。
古武術として、効率の悪い力の使い方なのだ。

ここで意識を転換し、相手の重心を自分の体幹の上に乗せてしまう。
すると、驚くほどの力を発揮することが出来るようになる。
そのために、「両腕の筋力を使わない」という思考を自分のものにするための修練を積むのだ。
稽古日誌 令和3年11月14日、18日、21日、25日 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術東京稽古会の稽古日誌です。
今回は11月中旬から下旬にかけての稽古内容を記録していきます。
11月14日(日)は、世田谷総合運動場体育館での稽古。

二ヶ条逆腕捕の捕り方をいろいろなパターンで訓練しました。

手刀で肩を詰める。

振り向きざまに手刀で腰を崩す操作。

一見単純に見える基本の動きですが、大東流合気柔術の核心的な要素がさまざまに複合する身体の使い方です。
この日も、深いところまで修練出来ました。

続いては11月18日(木)、明大前の扶桑教太祠本殿での稽古。

相対当身でお互いに腕を柔らかく伸ばす訓練から始めて、横面打ちを車倒しに捕る動き。

胸取りを捌いて崩す操作法。

衣紋締めを腕を伸ばして制する、帯落。

お互いに感覚を言語化して伝えることが古武術の稽古では重要です。

11月21日(日)、明大前扶桑教太祠本殿での稽古。
この日は大阪琢磨会から小林清恭先生をお招きして特別稽古を行いました。

基本の型から一本捕、逆腕捕。

立襟捕、突倒、四方投、抜手捕など

普段の稽古では触れない考え方にも出会えた、貴重な時間でした。

小林先生、ありがとうございました。

最後は11月25日(木)、明大前扶桑教太祠本殿での稽古。

胸捕小手詰に始まり、手刀で斬り落として制する小手返。

どちらも脱力が主題です。

両手取を手解きして逆腕捕に制する動き。

相手の身体を伸ばすところが肝心です。

搦投。

力を入れてつかんでしまうと、上手くいきません。

合気柔術の核心である、小手先の力を使わない思考法を練り込みました。

本稽古で学んだ基本要素を、普段の稽古で形を修練しながら反復して身につけていく。
東京稽古会では、こうしたやり方で古武術の技術習得を目指しています。
良い稽古になりました!

其の三百六十一 前に置く 大東流合気柔術 東京稽古会 
人間、どうしても変えることのできない癖(へき)というものがある。
日常の嗜好や、ちょっとしたモノの見方に至るまで、習慣やこだわりに捉えらえて全く自由ではない。

大東流合気柔術の修行は、そうした日常生活の執着にまで目を向けさせてくれるから面白い。
今回取り上げたこの動きなども、さしずめその代表的なものと言えるだろう。
両手を掴んできた相手の身体に対し、腕の力を完全に空しくして、ただ下半身の動作によって意思を伝達していく。
動画の後半を見てもらえれば良くわかると思うが、これがまさに意識の転換を要求していて、難しい。

現代人は長年の習慣から、「動かそう」という意思は、腕や手先の操作によって達成されるのものだと考えてしまう。
良し、悪しをいうのではなく、我々はそういう思考のもとに生活してきている。

比較的長く修練してきている会員でも、その考え方から脱するのは至難の業だ。
まさに、「こだわりを捨てる」ことにほかならないからだ。

一方で、素直に口伝を呑み込んで、ただ言われたとおりに脚だけを動かせば、あっけないほどに力は伝わる。
かくして大東流合気柔術は意識の転換を要求する。そのことを実感するために、とても良く適した鍛練法である。
其の三百六十 並んで極める 大東流合気柔術 東京稽古会 
掴んだ手首を何故か離すことが出来なくなり、自分の意志とは裏腹に固め、極められてしまう。
そうした大東流合気柔術の一見不可解にも見える動きを数回にわたって取り上げてみる。

前回は居捕「合気上」の変化応用について考察したが、今ここでは両者立った状態で両腕の手首を掴む攻撃を受けるところから開始する。
掴まれた手首をそのままに相手の隣に並ぶように体を転換すると、肩が詰まったように搦めとられ、動けなくなってしまう。
相手に「掴ませたままにする」というのが、大東流合気柔術ならではの考え方であり、またそれを習得するのが困難なところだ。
だが、考えてみれば元より攻撃を仕掛けようと意志をもって掴みかかってきたのは相手側だ。

心理的に見れば攻撃の意志があるものにとって、それを瞬時にまた自在に切り替えるということはなかなか出来ないものである。
技をかける方は、その心の動きを理解したうえで攻撃を受けた部分を操作していく。

つまり「違和感を感じさせないように」掴ませ続けるのだ。

言葉にすれば容易に思える思考法であるが、これを実地に移すのはかなり難度が高い。
脱力、手刀の使い方についての理解、全身の連動などが統合されて成立する非常に精緻な操作法なのだ。
東京稽古会ではその理論的な裏付けを都度行いながら、体感的に修練を重ねていく。
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