扶桑会について
指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
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稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 6月25日(日)12時30分から14時30分まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
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其の三百七十六 掴む/開く 大東流合気柔術 東京稽古会 
片手取は大東流合気柔術の形稽古の中でも頻出する攻撃方法だが、単純なように見えて奥の深い動きでもある。
その基本的な操作について考えてみる。

手首を握ることによって相手の全身を制するのが片手取りの目的であるから、局所への入力を通じて全体に影響を及ぼさねばならない。
ただ手首だけを痛めつければ良いという言わけではない。
初心のころはそれが理解できないために、握力を込めて手首を懸命に掴もうとしがちだが、これはかえって逆効果で、相手の身体の体幹部分には全く力が伝わっていかない。

むしろ握力は使わずに、小指を締めるようにして手刀を効かせる必要がある。
ここでは剣の柄を握るような意識をもって操作することが重要だ。
すなわち、相手の手首が剣の柄で、相手の肩が剣の切っ先と仮想して、片手取りを行う。
そしてその剣が斬り込む先は、相手の体幹部分である。

同じく、その片手取りに対抗する操作も、手刀を開き、全身の力を使って相手の肩先から体幹部分に向けて斬り込む意識によって完遂される。

局所から全体へ。全体を制するには自らの全体をもって対すること。
この思考法の根幹に、剣の理合が明確に含まれていることも古武術の奥深さを示しているように感じられる。
稽古日誌 令和4年 2月27日、3月3日、6日 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術 東京稽古会の稽古日誌。
今回は2月下旬から3月上旬にかけての稽古を記録していきます。

まずは2月27日(日)、この日は2月の本稽古を行いました。

掴む、指を張る、乗せる。形稽古が中心となる大東流合気柔術だからこそ、受け手側の攻撃の意思が重要になります。
基本の操作であり、よき修練のための心構えでもありますね。

さらにこの日は3級審査を行いました。
初伝一カ条の立会・居捕、計二十一本を演武します。

堂々と気迫のこもった形を披露して、無事合格です。
技術の巧拙もさることながら、審査演武では日常の稽古の到達点を見せるという気持ちが重要になります。

引き続き、日々の修練での研鑽に励みます。

続いては3月3日(木)、扶桑教太祠本殿での稽古です。

この日は2月の本稽古から入会した会員さんも参加しました。
東京稽古会の本稽古は一般公開しますが、日常行われている通常稽古には会員のみが参加できます。

よく質問を受けるのですが、本稽古では主に古武術の基本的な要素を取り上げますが、通常稽古はそれらを応用して大東流に伝わる形の習得を目指していきます。

古武術の思考法に触れたうえで、より深く大東流を修めたいと思われる方は入会してみてはいかがでしょうか。

続いて3月6日(日)も扶桑教太祠本殿での稽古。

姿勢の重要性、手刀の使い方、体の捌きなどを意識して多くの形に取り組みました

手首を連続して極める鍛錬法から肘を攻めての二カ条極め、半座入身投、腕の返しを使って崩す動き、胸取一本捕、片手取逆腕捕…、

動きはそれぞれに要求されるところが異なりますが、突き詰めていけば「如何に自然体を維持できるか」というところに帰着します。

力みを取り、地球の重力を素直に受けて在り続ける。
そこが一番難しいところでもありますが、理想を高く掲げて進んでいきましょう!

其の三百七十五 胸取帯落 大東流合気柔術 東京稽古会 
相手から胸倉をつかまれたら、通常であれば危険を感じることだろう。
少なくとも次に襲ってくるだろう殴打や引き倒しなどの動きに備えなければならないと考えて身を固くしてしまうはずだ。

今回取り上げる大東流合気柔術の操作法は、相手が胸をつかんでくれたことを「あ、助かった」と思ってしまうような、そんな動きである。
掴むという動きを相手が選択する場合は、次の攻撃を確実に到達させるためである蓋然性が高い。
冒頭にも言ったように、突きや蹴り、などを想定しなければならない。

その場にいては、まともにその攻撃を食らってしまうので、相手のつかんできた腕を「盾」にするように体を動かす。
つまり、相手の腕の外側に立つ。

と同時に、自分の腕を柔らかく伸ばし相手の体に軽く触れる。触れる場所はつかんできた腕の反対側の肩のあたりだが、これはその状況に応じて微調整が必要となる。
いずれにしても、ここで重要なのは「同時に、柔らかく」という点である。
この要件を満たさないと、相手は無力化されない。

柔らかく軽く、自分の体を伸ばせば、不思議なほどに相手は次の攻撃を出せなくなる。
逆に力みが入ってしまうと、相手は嵩にかかって攻めこんでくる。
このあたりの操作の機微も、いずれ合気の概念につながっていくように感じている。
其の三百七十四 半座脇挫 大東流合気柔術 東京稽古会 
相手が攻撃しようとしてくる場所から「いなくなる」という動きについて考えてみたい。

大東流合気柔術では初動で相手の攻撃線を外し、自らを有利な位置に置くことを基本的な考え方としている。
今回取り上げた半座半立(自分は座位、相手は立ち)の形「脇挫」においても同様である。
ただその運用法として、ぎりぎりまで相手に攻撃対象としての自分の姿を認識させつつ、まさに相手が自分をつかもうとするその刹那に、あたかも本体が消失するように動くことで、技の効果が発揮される。

自分の胸をつかもうと伸びてくる相手の腕を上下の手刀で挟む、その腕に沿うように体を密着させるなど、初動に続く動きの中に様々な要素が含まれるが、それらも全部この「相手の前から消える=いなくなる」という操作によって可能となるのだ。

またこの「攻撃線上からいなくなる」という考え方の要素は、一本捕や逆腕捕などあらゆる形の崩しの際に利用される。
それは「相手が崩れることのできる空間をあける」というふうに解釈を変化させていくことによって運用されるのだが、それはまた項を改めて解説していくつもりだ。

大東流の思考法としての「いなくなる」を実現するには、相手の心理状態を読み、操る過程が必ず含まれる。
これを考究していく中に、いわゆる「合気」につながる動きが現れるのではないかと感じている。
其の三百七十三 胸取一本捕 大東流合気柔術 東京稽古会 
胸をつかまれようとするところを大東流合気柔術の基本的な操作法である「一本捕」で崩していく要諦を解説してみる。

一本捕は相手の腕を伸ばし、一本の棒のようにすることで肩~腰をコントロールする。
その際、腕の中間地点にある肘関節の構造を利用して、この「一本にする」動きを実現していくい。
初心者の場合は腕の力を使って無理やりに相手の体を処理しようとしがちだ。
陥りやすいところではあるが、いつも言うように相手との位置関係を適切にとった中で技を行わなければうまくいかない。

体の末端である腕や手を直接使うのではなく、それらを体幹の付属物のように認識したうえで体全体の動きの中に追随させることが肝要だ。

なおこの動きは、胸をつかまれてしまってからでは無効になる。
したがって相手がつかんでくる動きを察知するか、あるいは相手に胸をつかませるように誘いを入れるなどの工夫が必要となる。

日常の稽古の中でも、そうした意識をもってお互いの動きの精度を上げていってほしい。
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