東京稽古会への入会について
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)の2回行っています。通常稽古は会員限定です。
入会希望者が参加可能な本稽古は 5月22日(日)14時30分から17時30分まで開催します。
場所は 神道扶桑教太祠 本殿 です。
東京稽古会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
入会希望者が参加可能な本稽古は 5月22日(日)14時30分から17時30分まで開催します。
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稽古日誌 令和4年 5月4日、5日、12日 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術 東京稽古会の稽古日誌、今回は5月上旬の記録です。
まずは5月4日(水)の稽古から。

今年の大型連休は各地に人出も戻り、ようやく社会も平常に近づいてきたようです。
私たち稽古会も終盤にかけて二日連続の稽古となりました。

大東流合気柔術は小指の使い方にその武術的な特徴を有しています。

それは、小指を意識することで体の裏側の筋肉を使って効率的な身体運用を図るためであると捉えています。
「捉えています」という曖昧な表現をしたのは、この考え方が間違っているかもしれないからではなく、より説明しやすく、習得しやすい新たな理論を見出す可能性があるからです。
修練を重ねるなかで、私自身何度もそのような気付きを得ています。

だからこそ、古武術の修練は気を抜くことができません。
そしてまた、知的好奇心を刺激してくれる、楽しいものでもあります。

続いて5月5日(木)の稽古です。

「中心を攻める」というテーマのもと、手首の鍛錬や、正面打ちへの対処法に取り組みました。

初心者にとっては「中心」という概念をとらえることがまず難しいものです。
一方、修行がある程度進んだものには、双方の体勢によって常に揺れ動く中心に対してどのようにアプローチするかという課題が出てきます。

そのために脱力や姿勢の意識を高めることを、いくつもの形を通して習練していきます。

この日は上段から手刀を打ち下ろす正面打ちでの稽古でしたので、お互いの正中線を意識しやすかったと思います。
今後もこうした基本的な動きに連続して取り組む稽古を重ねていきます。

稽古の後は、この春に20歳の誕生日を迎えた会員の「成人加冠の儀式」を執り行っていただきました。
いつも稽古場所として本殿を使わせていただくなど、大変お世話になっている神道扶桑教の管長さんのご厚意で、古式ゆかしい衣裳を着けての貴重な経験となりました。

古武術と同様に、神道や宮中儀礼の所作には日本古来の精神や考え方がしっかりと息づいています。
こうした所作、作法を次の世代に受け継いでいくことも、我々日本人にとって大切なことです。

儀式を終えて、懐石弁当をいただいての懇親会。
稽古仲間との楽しいひと時を過ごさせていただきました。

最後は5月12日(木)。世田谷総合運動公園体育館での稽古です。

「相手にからみつく」動きについて研究しました。

普段の生活ではなかなか意識しないという意味では、少し難易度が高い操作です。

ただ力を抜くだけではなく、相手の身体の緊張を取り去るように身体を柔らかく使わなければいけません。
やわらかく、それでいて自分の体の芯は力強く維持する。
相矛盾するような問いを満たす答えを修練の中で見つけていきます。

難しくはありましたが、稽古後の表情は充実していました。
身体よりも、頭の方が疲れたかもしれません!

其の三百八十四 ひったくられない 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回も、女性や比較的力の弱い人でも使える古武術の思考法を紹介していきたい。

状況としては、歩いている状態ですれ違いざまに持っているカバンなどを奪われそうになるところを想定して行う。
単純に言えば、相手の力に逆らわずついていきながら、その進む方向を相手の重心の崩れやすいところ、つまり「重心の裏」に自分の身体をもっていくという考え方だ。
とは言え、とっさの時にそうした心得のもとに正しく武術的にふるまえるかどうかということは日頃の訓練による。
身体操法というよりも、むしろ精神的な鍛錬によるところが大きいだろう。

慌てていたり、心が動揺していればいるほど、人は力任せに体を使ってしまう。
自分の置かれた状況を瞬時に理解し、冷静に取りうる手段を選択出来ればすでに達人の域にいるといってもいい。

その意味では武術的思考法を訓練する場合にも、ただ漫然と行うのではなく、このように起こりうる状況を想定するということは有効ではないだろうか。

ちなみに直接的な「ひったくり犯罪」への対応策としては、カバンの持ち方、壁側に荷物を携行して通行するなど、有効な予防方法が複数存在するので、興味のある方はぜひ研究していただきたい。
其の三百八十三 腰で捌く 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回も大東流合気柔術の身体操法の根幹に与る「自然体」について述べていく。

なお動画の中で実技している動きについては、実際の剣での攻撃に対する回避法を展示しているわけではない。
あくまで体捌きの練習法の一環として行っている「約束稽古」であるのでご承知いただきたい。
さてこの動きについて特筆したいのは、上半身と下半身への意識の向け方の違いだ。
前回も解説した通り、下半身は股関節、膝、踝を緩めて沈み、上半身は天井から吊り上げられるようなつもりで立つ。

すると一つの身体の中で、二つの力が拮抗するところが現れる。
それが身体の中心であり、骨盤周りである。古武術で丹田と呼ばれる領域もそこに存在する。

この身体の中心は、上半身と下半身のバランスによって生まれるのであるから、自ずと全身は一体となる。
「身体の中心を移動させる」という概念はこの意識によって修練しやすくなる、というのが現在われわれ東京稽古会が採用している思考法だ。

腰で動く、中心で動くということは自然体による体捌きの核心でもある。
決して一朝一夕に成ることではないが、さりとて鍛錬を始めなければたどり着かない境地でもある。
倦まず稽古を続けていきたい。
其の三百八十二 痴漢から逃げる 大東流合気柔術 東京稽古会 
【動画を公開しているYouTubeでのチャンネル登録者数が4月末に1万人を超え、現在2万人に迫ろうとする勢いです。
東京稽古会では今後も日本古武術の継承発展を目標に研鑽を続けていきますので変わらず御支援をよろしくお願いいたします】
今回は少し毛色の変わった動画の内容について若干解説を加えたい。
女性や、力の比較的弱い人のための護身術、というようなつもりで作った動画だが、案外古武術の面目をよく表している。

後ろから抱きつかれた場合に、これを手の力で引きはがそうとしても決して逃れられない。
腕を固定して、体全体の力を伝えるように相手に密着し、腰を回す。
こうすることで相手の腕はかなり容易に動く。
そこに出来た隙間から、後ろに抜けていくという設計になっている。

これは大東流合気柔術 二ヶ条後捕の逆小手という形を応用した動きだが、手先の力を使わず、腕を脱力して体幹部分と一体化する操作を抽出すると、簡易的な護身術となる。

さらには、攻撃を受けている相手の身体にくっつくように密着するというところが古武術的であって面白い。

とはいえ、実際にこのような仕儀に陥ってしまった場合、修練を積んでいない女性などはまず精神的に平常ではいられないことと思う。その意味でも、武術的な素養や訓練をお勧めしたいというのが、今回の動画の本旨でもある。
稽古日誌 令和4年4月21日、24日本稽古、29日 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術 東京稽古会の稽古日誌です。
今回は4月後半の記録です。
まずは4月21日(木)の稽古から。

二ヶ条に手首を取る基本操作を修練しつつ、脱力と手刀で相手の肘を攻める動きへと…。

脱力の考え方で、さらに全身を崩していきます。

この日は通常受けを取っている有段者が欠席でしたが、代わりに手本に立った会員が十分にその役目を果たしました。
最初の演武展示はどういう技が出て出てくるかわからないので非常に難しいものですが、日ごろの修練の成果が現れたと思います。

稽古後に、お世話になっている扶桑教太祠さんから日向夏蜜柑の差し入れをいただき、皆でおいしくいただきました。
いつもありがとうございます。

稽古が終わってからのひと時、会員同士の懇親も楽しみの一つです。

続いて4月24日(日)。この日は4月の本稽古でした。

この日のテーマは「中心の力を使う」。

両手取、片手取、袖捕、正面打と、様々な状況に応じて身体の使い方を学びました。

この日は3人の新入会者を迎えました。
今年に入ってから、感染症の状況が落ち着いたこともあってか入会者が増えています。

日本古武術の継承発展を目指す我が稽古会としては大変喜ばしいことですが、会場のキャパシティなど物理的な制約も出てくるかもしれません。今後の動向を見て本稽古参加については制限をかけることもありますので、ご了承ください。

最後は4月29日(金)、扶桑教太祠 本殿での稽古。

手首を柔らかく使って手刀詰、片手取を腕の反しで崩す基本動作。

これらはどちらも「接点を意識せずに動く」という身体感覚を養成する修練です。

掴まれたところ、せめぎ合っているところを敢えて意識の埒外に追いやって、相手の本体である体幹部分を攻める。
そのためには小手先の力に頼ることなく、全身を一体化させた運用が必要になります。
日々の稽古でどこまで思考を転換することが出来るか。難易度は高いですが、楽しみながら取り組んでいきます。
