扶桑会への入会について
通常稽古は毎週木曜・日曜(または祝日)の2回行っています。通常稽古は会員限定です。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
入会希望者が参加可能な本稽古は 2月12日(日)14時から17時まで開催します。
場所は 世田谷区総合運動場 体育館 第一武道場です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
稽古日誌 令和4年5月15日 19日 22日本稽古 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術東京稽古会の稽古日誌、今回は五月中旬の稽古の記録です。
5月15日(日)は扶桑教太祠 本殿を拝借しての稽古です。

この日は基本操作の確認ののち、「乗せる」動きについて修練。

様々な形に派生させて練り込んでいきました。

東京稽古会では、稽古終了後に会員それぞれが当日の感想を述べます。
自分の感覚や気づきを言語化することは、技術や思考法を自分の血肉にするためには非常に有効です。

そしてまた、他者の意識化した感覚を聞くことも大きな学びになります。
この日も良い稽古ができました。

続いては5月19日(木)の稽古。

基本動作である「手刀の使い方」について、多種多様な操作法を反復練習しました。

詰める、突く、斬る、摺り上げる…

原点に立ち返って修練するうちに、基本の奥に隠されたものがおぼろげに見えてきます。

古武術修業は、熟練者も初心者も等しく、新しい発見を与えてくれることを実感します。

最後は5月22日(日)。この日は5月の本稽古です。

新しく入会を希望する二人を受け入れての稽古でした。

日本文化を外国に伝えたり、武術とは全く違う分野で活躍しながら、そこで活用するために日本古来の身体の使い方を研究したいという明確な目標を持った人たちが、この大東流合気柔術の門を叩いてくれています。

稽古会を主宰するようになって8年。もっとも手ごたえを感じるのはこうした人たちとの出会いです。

現代日本人が失ってしまった古武術の思考法や身体運用法、またそこに秘められた知恵を、できるだけたくさんの人に伝えていきたい、またそれをより深く研究し、身につけたい。
そうした思いで始めたささやかな会が、少しづつ育っています。

原点を忘れることなく精進を重ね、着実に進んでいきます。

其の三百八十六 胸取裏落 大東流合気柔術 東京稽古会 
自然体でいることでこそ、本来自分が持っている力を発揮できるということを、大東流合気柔術の技法を通じて体感する。
東京稽古会の修練は、そうした実感をもとに本来日本人が有していた身体感覚を取り戻すことを一つの目的にしている。

今回取り上げたこの古武術特有の動きも、その実感を得るのにとても適した操作だ。
相手が掴みかかってくる動きに対して、手刀を中心に差し出しつつ、すれちがうように側方へ捌く。
すると当然手刀が相手に接触するが、そこには意識を向けずただ自然体のまま身体を動かしていくことに集中する。

この時に相手との接点である手刀に力が入ってしまうと、相手の身体との「つながり」が切れてしまう。
現代人には感覚的に腕の力で物事を進めようとする習性があるので、どうしても最初の内はそこで滞ってしまいがちだ。

そこを乗り越え、手刀を身体全体のものとして使えたとき、つまり全身が一体となった時、相手の身体は苦も無く動く。
全身を一体化する、すなわち自然体で動くということだ。

自然体については語るべきこと、伝えたいことがまだ多く残るが、それもまたおいおい稿を改めて述べていきたい。
其の三百八十五 逆襷 大東流合気柔術 東京稽古会 
相手の攻撃に対して自分の体勢を崩さずに応じる動きについて、これまでに何度か解説を加えてきた。
今回の操作法ではその動きから転じて相手を崩すために働きかける。

当然のことながら、攻撃を仕掛けてくる相手も最初から自分が技をかけられて倒されることを前提にしているわけではない。
こちらを圧倒し、制することを期して立ち向かってくるのである。
そういう相手に対して効果的にこちらの力を伝えるために、古武術では脱力の思考法で応じていく。

逆説的に聞こえるだろうが、この逆襷の動きもまさにその思考法を体現したものだ。
中段を突いてくる相手に対し、その攻撃線に沿うように身体を捌く。腰を中心に動いていくことはこれまでに見てきた通りである。

さらに相手の裏に入り身しながら、腕を斜めに巻き付けるように相手の腕と首に伸ばす。
この時に自分の上半身を柔らかく脱力した状態で使えるかが成否を分ける。
腰で捌き、腰を中心に力を発揮する意識が、上半身の筋力を使わない操作につながるのだ。

相手に力を伝えるときこそ、接点ではなく自分の中心を意識する。
思考の転換が必要となるこの動きを、反復修練してほしい。
稽古日誌 令和4年 5月4日、5日、12日 大東流合気柔術 東京稽古会 
大東流合気柔術 東京稽古会の稽古日誌、今回は5月上旬の記録です。
まずは5月4日(水)の稽古から。

今年の大型連休は各地に人出も戻り、ようやく社会も平常に近づいてきたようです。
私たち稽古会も終盤にかけて二日連続の稽古となりました。

大東流合気柔術は小指の使い方にその武術的な特徴を有しています。

それは、小指を意識することで体の裏側の筋肉を使って効率的な身体運用を図るためであると捉えています。
「捉えています」という曖昧な表現をしたのは、この考え方が間違っているかもしれないからではなく、より説明しやすく、習得しやすい新たな理論を見出す可能性があるからです。
修練を重ねるなかで、私自身何度もそのような気付きを得ています。

だからこそ、古武術の修練は気を抜くことができません。
そしてまた、知的好奇心を刺激してくれる、楽しいものでもあります。

続いて5月5日(木)の稽古です。

「中心を攻める」というテーマのもと、手首の鍛錬や、正面打ちへの対処法に取り組みました。

初心者にとっては「中心」という概念をとらえることがまず難しいものです。
一方、修行がある程度進んだものには、双方の体勢によって常に揺れ動く中心に対してどのようにアプローチするかという課題が出てきます。

そのために脱力や姿勢の意識を高めることを、いくつもの形を通して習練していきます。

この日は上段から手刀を打ち下ろす正面打ちでの稽古でしたので、お互いの正中線を意識しやすかったと思います。
今後もこうした基本的な動きに連続して取り組む稽古を重ねていきます。

稽古の後は、この春に20歳の誕生日を迎えた会員の「成人加冠の儀式」を執り行っていただきました。
いつも稽古場所として本殿を使わせていただくなど、大変お世話になっている神道扶桑教の管長さんのご厚意で、古式ゆかしい衣裳を着けての貴重な経験となりました。

古武術と同様に、神道や宮中儀礼の所作には日本古来の精神や考え方がしっかりと息づいています。
こうした所作、作法を次の世代に受け継いでいくことも、我々日本人にとって大切なことです。

儀式を終えて、懐石弁当をいただいての懇親会。
稽古仲間との楽しいひと時を過ごさせていただきました。

最後は5月12日(木)。世田谷総合運動公園体育館での稽古です。

「相手にからみつく」動きについて研究しました。

普段の生活ではなかなか意識しないという意味では、少し難易度が高い操作です。

ただ力を抜くだけではなく、相手の身体の緊張を取り去るように身体を柔らかく使わなければいけません。
やわらかく、それでいて自分の体の芯は力強く維持する。
相矛盾するような問いを満たす答えを修練の中で見つけていきます。

難しくはありましたが、稽古後の表情は充実していました。
身体よりも、頭の方が疲れたかもしれません!

其の三百八十四 ひったくられない 大東流合気柔術 東京稽古会 
今回も、女性や比較的力の弱い人でも使える古武術の思考法を紹介していきたい。

状況としては、歩いている状態ですれ違いざまに持っているカバンなどを奪われそうになるところを想定して行う。
単純に言えば、相手の力に逆らわずついていきながら、その進む方向を相手の重心の崩れやすいところ、つまり「重心の裏」に自分の身体をもっていくという考え方だ。
とは言え、とっさの時にそうした心得のもとに正しく武術的にふるまえるかどうかということは日頃の訓練による。
身体操法というよりも、むしろ精神的な鍛錬によるところが大きいだろう。

慌てていたり、心が動揺していればいるほど、人は力任せに体を使ってしまう。
自分の置かれた状況を瞬時に理解し、冷静に取りうる手段を選択出来ればすでに達人の域にいるといってもいい。

その意味では武術的思考法を訓練する場合にも、ただ漫然と行うのではなく、このように起こりうる状況を想定するということは有効ではないだろうか。

ちなみに直接的な「ひったくり犯罪」への対応策としては、カバンの持ち方、壁側に荷物を携行して通行するなど、有効な予防方法が複数存在するので、興味のある方はぜひ研究していただきたい。