扶桑会について
指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
入会希望者が参加可能な公開稽古は 10月22日(日)14時30分から16時30分まで開催します。
場所は 明大前 扶桑会館(神道扶桑教太祠 本殿) です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
【関連商品】
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【Twitter】https://twitter.com/aiki_fusoukai
【Instagram】https://www.instagram.com/aiki_kobujutsu/
【Facebook】https://fb.com/kobujutsu
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】
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場所は 明大前 扶桑会館(神道扶桑教太祠 本殿) です。
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其の四百二十三 乗せ続ける 大東流合気柔術 扶桑会 
どのような攻撃が来た場合にあっても、大東流においては初動で我が方の有利な状態を作ってしまうことを目指す。
無論それはどのような武術においても同様であるのだが、この合気柔術という思考法が独創的であるのは、「相手に攻撃をさせ続ける」ことで、そうした優位な状況を作り上げてしまうところだ。

今回の動きでは、相手が胸をつかみに来る。
こちらとしてはその攻撃の勢いを妨げることなく、むしろより攻撃の意思を継続させるように身体を捌いていく。
これは前々回の「其の四百二十一 乗せて制する」における操作と共通するところであるが、相手の攻撃とぶつからず、相手に攻撃が届いたと錯覚させるような初動を行う。

そして次に掴みに来た小手を捕るのであるが、これも相手を崩そうと引っ張るのではなく、その精度が高まれば高まるほど柔らかく相手にからみつくような感覚で「一体となる」ことを目指す。
自分の身体操作にとどまらず、相手の意思、身体感覚に共感し、それと同一化していくとでも言おうか。

少々オカルト的な物言いに反発を覚えられる向きもあるかとは思うが、修練を重ねていく中で、初動において相手の感覚を重要視することが必要になってくる。

とっさの場合に自分の身体感覚を延長し、周囲の状況までを感じ取っていく。
それぞれの習熟の度合いに応じて、こうした「心構え」の部分にも意を用いていただきたい。
古来の日本人の考え方 
日本人の身体には希望がある 
其の四百二十二 お辞儀する 大東流合気柔術 扶桑会 
前回、「其の四百二十一 乗せて制する」では胸倉をつかまれそうになった時、その直前で回避して制する動きを取り上げた。
今回は、掴まれてしまった場合にどう対処するかというところで解説してみたい。

ここでも重要になるのが「相手を乗せてしまう」という操作であるが、強くつかまれている接点に力をかけると、相手の抵抗を生んでしまう。
やはり、ぶつかることなく相手の攻撃線を外側にはずしながら、掴んできた腕に沿うようにして身体を捌く。
この時の動きの精度が高くなれば、相手は自分の腰に「乗ってしまう」。

攻撃に対して、全身を使って寄り添うように動くことが相手を無力化するのに最も効果を発揮するというところが、古武術である大東流の真髄と言える。
さらに言えば、今となっては失われつつある日本古来の考え方の高度さを表していると言えないだろうか。

身体操作的には、この後も力任せに相手を痛めつけるということではなく、全く力を入れないような意識で相手の腕に自分の手刀を「乗せる」。その状態で手首と腕を固定しながら、腰から折り曲げるようにしてお辞儀をすれば、相手はたまらず崩れ落ちる。

試みに力を込めて相手を押し込んでみても、決してそれでは倒せない。
如何に相手への対抗心を消すかがこの動きの本質である、ということを念頭において稽古していただきたい。
稽古日誌 令和5年2月2日 5日 9日 12日本稽古 大東流合気柔術 扶桑会 
大東流合気柔術 扶桑会の稽古日誌、今回は2月前半の稽古内容の記録です。
2月2日(木)は世田谷区松原の扶桑教太祠本殿にて。

相手の攻撃意思を継続させたまま、柔らかく自分の重心に取り込んでしまう考え方を修練。

理屈は分かっても実際にそれを遂行するのは思わず笑いが出てしまうほど至難の業です。

最初こそ苦戦していたものの・・・
ぶつからず、滑らかに動けばこのとおり。大きく崩すことができました!

2月5日(日)は、多摩スポーツセンター 第二武道室での稽古。
いつもはあまり利用しない遠方の会場での開催となりました。

比較的上級者が多かったこともあり、形の稽古を中心に。

大東流合気柔術の操作法を自分のものにするためには、教わったことをなぞるだけではなく、動きや考え方に自分なりの理解を深めていくことも重要です。

この日は多くの形を矢継ぎ早に繰り返すスタイルで強度高めに鍛錬しました。

2月9日(木)は、扶桑教太祠での稽古。
この日は武術雑誌「月刊秘伝」の取材を受けました。

いつもと同じように古武術の基本動作を大東流の形の中に落とし込みながら修練。

私たちが大東流合気柔術をどう捉え、どう身につけようとしているかを上手く伝えられたでしょうか?

雑誌は来月中旬ごろ発売されるそうですので、是非読んでくださいね。

2月12日(日)は2月の本稽古でした。
会場は世田谷総合運動公園体育館にて。

古武術の核心技法として「三角点に崩す」をテーマに研究しました。

前に崩し、後ろを攻める。
無理な力の使い方をした途端に、相手は身体を固めてしまいます。

身体全体で、重心の移動を丁寧に使って相手の攻撃の意思を自分の有利なところに導いていく考え方です。
この日も充実した稽古になりました。

其の四百二十一 乗せて制する 大東流合気柔術 扶桑会 
相手の攻撃が早く、強くなればなるほど、それに対応する技は緩やかで柔らかくなければいけない。
今回の操作は、そうした大東流合気柔術の特徴をよく表すものだ。

両手で胸倉につかみかかってくる相手に対して、こちらは攻撃を受ける直前まであたかも「掴まれるのを待っている」ように自然体のまま立つ。
そして相手が前襟をつかんだと錯覚するほどの瞬間に、できるだけ緩やかに体全体を捌いて、攻撃線の外側に身体を置く。
同時に、流れるような動きで相手の掴み手を下から掬い上げるように触る。
この時相手の激しい前進の勢いを、こちらの体幹部分と接続させるような意識が必要だ。

動画内ではこれを「自分の重心の上に乗せる」と表現しているが、ここが最初の一挙動にして技の成否を決定づける操作となる。

流れるような動きが求められると書いたが、具体的にはこの操作を肩から先の動きで行っては相手とのぶつかりを生じさせてしまう。
腕を動かすのではなく、「腰を使って相手の腕を挟む」感覚と言えばよいだろうか。

腰から発する力で身体の末端を動かしていく。
これこそがいわゆる「柔らかい力の発揮」だと扶桑会では考えている。
稽古日誌 令和5年1月19日 22日 26日 29日 大東流合気柔術 扶桑会 
大東流合気柔術 扶桑会の稽古日誌。今回は一月後半の稽古内容です。
まずは1月19日(木)、扶桑教世田谷太祠 本殿での稽古です。

この日は「中心を攻める」を主題にして研究しました。
中心と一口に言っても、そこをどのようにとらえるか、お互いが動いている中でそれなりに難しいものです。

ただ単に相手の中心を見つけ出すだけではなく、次には自分の中心力を発揮することも必要になります。
筋力に依存した力任せの操作では、相手とぶつかってしまいがちです。

形稽古を通じて、流動的な動きに備えた感覚を養成していきます。

続いて1月22日(日)の稽古。

この日は前日に公開したブログの内容「其の四百十八 受け止める」をおさらいする形で進めました。
相手の力を受け止めるとき、自分が力を内に込めてしまっては、はじき返すような形になり、合気柔術の動きとは言えません。

自分の中心から放射するように「力を出す」。
そのためには身体を「伸ばす」ことが必要です。

理論で裏付けた操作法を、実践して身体に練り込む。
毎回の稽古でその過程を着実に踏んでいきます。

1月26日(木)も扶桑教太祠 本殿での稽古です。

前回に引き続き「伸ばす」動きに焦点を当てて修練しました。

さらには「沈む」動きで切返。

複雑に見える形に取り組むときほど、基本の身体操作に立ち返って反復練習します。
我々扶桑会では、そうした核心の身体操作、思考法を「要素」と呼んでいます。

1月29日(日)は、今年初めての本稽古でした。
この日のテーマは「手刀」の使い方。

これまで日常の稽古の中で何度も取り上げている考え方ですが、改めて体系的に「一から」捉え直す機会としました。

人体の一部を「道具」に見立てて使うことの意味と、その具体的な運用法。
「剣の理合」に基づいた動きが、いかに効果的な力を発揮するか。

3時間の稽古の中で、実感できたのではないでしょうか。
月に一回の本稽古では、こうした基本の考え方に、基礎からじっくりと取り組んでいきます。

其の四百二十 一筆で倒す 大東流合気柔術 扶桑会 
今回は、柔術技法における「一筆書き」ということについて述べてみたい。
私どもが普段稽古しているのは、書道になぞらえれば「楷書」ともいうべき方法である。
すなわち、「止め、はね、はらい」を着実に行って一つの文字を書き上げるように、部分的な動作をしっかりと連続させ、一つの技を形成していく。

楷書に対し、一画一画を流れるように形作っていくのが行書であり、
全体を一筆で書き上げていく草書となるとその流麗さに比して技術的な難易度は格段に上がる。
私も「下手の横好き」で筆をとることがあるが、やはり楷書の域を脱して行書・草書に達するには、余程の習熟を経なければ難しいと実感できる。
筆の運び、勢いの緩急、全体の中での部分の調和。
書道における技術的留意点はそのまま大東流の柔術技法にも当てはめられる。

話が横道にそれたので、動画解説に戻ろう。
今回、「一本捕」を一筆書きの要領で流れるように行ってみたのであるが、楷書的な柔術技法にしても、行書・草書的な合気柔術技法であっても、初動の「乗せる」という操作が重要であることには変わりがない。

「乗せる」とは、攻撃してきた相手を自分の腰(体幹)と繋げてしまうことであり、そこで無力化してしまうことだ。
その上で、柔術的技法で行う一つ一つの操作をほぼ同時的に、なおかつ簡潔に最小の動きを用いて行うことで「一筆書き」の技が成立する。

上記説明した一連の動きは、相手の攻撃の意思を妨げることなく、自分の優位なところに導くようにして制する手法であるが、「合気之術」という境地にまで達すると、この「乗せる」動きが相手を物理的・心理的に支配するような形で発動されるという。
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