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扶桑会について

指導者: 石塚嘉 【達人・名人・秘伝の師範たち】
稽古日時:日曜14時半~16時半 / 木曜19時~21時
稽古場所:神道扶桑教 世田谷太祠 東京都世田谷区松原1丁目7−20 【道場紹介】 

入会希望者が参加可能な公開稽古は  10月22日(日)14時30分から16時30分まで開催します。
場所は 明大前 扶桑会館(神道扶桑教太祠 本殿)  です。
扶桑会への入会を希望される方は 左のメールフォームよりお問い合わせください。
  
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其の四百四十九 合谷を使う 大東流合気柔術 扶桑会  




今回も接点に力を入れず、柔らかく操作することで力を発揮する大東流合氣柔術の技法を紹介したい。



合谷1



前回(其の四百四十八 親指で乗る)と同じく、肩から先の筋力を使ってしまうと機能しなくなる身体操作である。

両手首をつかまれたところ、今回は自分の両方の手刀を刀を持つように合わせ、中心に構えるようにして沈む。







筋肉の力をもって押したり、引いたりすると相手は敏感にそれを察知して対処行動をとってしまう。
ただただ素直に手を合わせ、自由落下するかの如く垂直に重心をかけてみてほしい。



合谷5



手の親指と人差し指が二股に別れたところを「合谷(ごうこく)」というが、これは刀の柄を握る際に縦一直線に「谷」の部分を合わせるようになることをイメージしてほしい。

これを相手に掴まれた手の上でも再現すると、非常に大きな力を発揮できるのだ。



合谷6



まさに剣の構えかたを身体操作にも活かしていく代表的な例だが、大東流は「剣の理合に基づく」との言葉通りである。
最初はうまくいかないかもしれないが、姿勢、肩から先の脱力は、実際に刀を握り、振ってみてその身体感覚を確かめてみてほしい。



合谷7



動画の中で、動き始めの「予備動作」を作らずに沈むようにとの表現があるが、これもまた、刀を使うことを想定してみると腑に落ちるところだろう。

剣を使った鍛錬も有効である。扶桑会では今後もこうした理合の研究を続けていきたい。






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Posted on 2023/08/26 Sat. 19:00 [edit]

category: 両手捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 合気柔術  手刀  姿勢  剣の理合  重心 
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稽古日誌 令和5年8月11日 13日 17日 大東流合氣柔術 扶桑会  




大東流合氣柔術 扶桑会の稽古日誌です。
今回は8月中旬の稽古内容を記録していきます。

まずは8月11日(金・祝)、この日は世田谷総合運動公園体育館での稽古となりました。



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普段は世田谷区松原の神社、神道扶桑教さんのお宮で稽古させていただいていますが、祝日などは場所を変更して、公共の施設を使うこともあります。

この日はたっぷり3時間半の修練です。



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自然体とは何か、立ち方、座り方、歩き方、体の捌き・・・。

基本中の基本というべき身体の使い方を丁寧に繰り返しました。



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この日稽古に参加できた人は得したね!というくらい重要ポイント目白押しの内容でした。



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続いて8月13日(日)。

扶桑会には幅広い年齢層の会員さんたちがいます。



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仕事や、普段の生活も様々な人たちが、古武術の考え方に則って体を動かすことを楽しむために集まって修練しています。

ひとりひとりがそれぞれの立場や、責任をもって社会で活躍しながら、週に二回の稽古で分け隔てなく交流し、お互いに切磋琢磨しあう、こうした場はどこにでもあるわけではありません。



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職場でも、家庭でもない、利害関係に基づかない人とのつながりがあること。

「第三の居場所」と呼ばれる、こうしたコミュニティーは、人の人生を豊かにする重要なファクターであり得ると思います。



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沢山の有難いご縁で成立している「扶桑会」。
この集まりの場を、これからも大切に守り育てていきたいと思っています。



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最後は8月17日(木)の稽古。

基本の形は両手取り合気上げから。


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剣を構えるような意識で、全身を脱力してやってみます。



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この日は全員で二カ条の形を修練してみました。

衣紋締めから背挫。



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少数精鋭で密度の濃い稽古になりました。



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Posted on 2023/08/20 Sun. 20:14 [edit]

category: 稽古日誌

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術 
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其の四百四十八 親指で乗る 大東流合気柔術 扶桑会  




攻撃してきた相手と接しているところを脱力し、柔らかく使うことで打開していく動きについて、これから数回にわたってお伝えする。

「接点でぶつからない」、大東流合氣柔術ならではの考え方だ。



親指1



たとえば拳による突き、足による蹴りなど、勢いづいた攻撃者との接点を柔らかく捉えるということは、それだけで大変難しい技術だ。
最初からそうした動きが自在に出来るようにはならないので、その訓練として片手首をつかまれる状況を想定する。







最初のうちはこうした入力に対しても、やはり体がこわばってしまい、力任せに振りほどこうとするような形になってしまうだろう。



親指6



動画の中で説明している通り、初心者はまず肩から先の筋力を「オフ」にすることを目指してみてほしい。

実際には手首で相手とぶつからなければ良いのであるが、接点だけを脱力するのは慣れないうちは難しい。



親指3



そのうえで、手のひらに関しては指先を柔らかく開くようにする。
扶桑会ではこれを「手刀を活かす」と言っている。

さらに開いた手刀の親指の「背」の部分で、相手の親指の付け根に触れるようにするのだ。



親指5



この時に、先ほどの「肩から先の筋力オフ」が重要になる。

足を動かし、全身を使って相手の親指に触れていくような意識で操作してみてほしい。
このことが「ぶつからない身体の使い方」につながっていくのであるが、今回はここまで。

次回もまた、同様の動きについて解説してみたい。







Posted on 2023/08/19 Sat. 19:00 [edit]

category: 交叉捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀 
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其の四百四十七 柔らかく使う 大東流合気柔術扶桑会  




害意ある相手に対して力で立ち向かうから、相手もまたそれ以上の力で向かってくる。
するとまたこちらもさらに大きな力で対応し…と終わりのない軍備拡張競争の寓話にでも出てきそうな話ではあるが、これは我々の身近なところでも、常に起こりうるジレンマだ。

大東流合気柔術は、力に対して違う角度から対処することを教えてくれる技術の体系を持っている。



柔らかく使う2



今回の動きは、古武術大東流の考え方を使って、ちょっとした身体上の実験を試みたものである。
「遊び」と言ってもいいだろう。

対人護身に使えるというような類の物では全くないので、ご了承いただきたい。







実験と言っても、やることは簡単で「いかに掴まれたところの力を抜くか」ということ。

あたかも自分の手首とその周辺が、良くしなる「鞭(ムチ)」にでもなったイメージで相手の手首に巻き付けていくのだ。



柔らかく使う1



少しでも自分の身体に硬くぶつかるところがあると、相手もまた身体を固めてしまって動かない。
手首をつかんだ相手が拍子抜けしてしまうほどに、力を抜くことが出来るかが問われる操作だ。

この脱力を完全に行うと、相手の抵抗はほぼなくなる。
そして自分の思うとおりに動かしていくことさえできるのだ。



柔らかく使う



ただ、一点断っておかないといけないのが「完全なる脱力」というものが、まったく物体として重力の支配下にあるものかというと、それとも言いきれないところがある。

この完全脱力した手刀(肩から先、手の指先まで)の芯には、操作する人の「意志」が通っていなければならない。
あるいはエネルギーと言い換えてもいいだろうか。

これを先達たちは「氣」というような言葉で呼びならわしたのかもしれない、と今の私は考えている。



柔らかく使う3



「芯を作って脱力する」。

音では簡単に言える短い言葉だが、これを実際に運用できる身体になることが私たちの修行の目的なのだ。








Posted on 2023/08/12 Sat. 19:00 [edit]

category: 両手捕

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tag: 大東流  合気柔術  手刀  古武術 
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稽古日誌 令和5年7月30日 8月3日 6日 大東流合気柔術 扶桑会  




日々の修練内容を記録する大東流合気柔術 扶桑会の稽古日誌。

まずは7月30日(日)、世田谷区松原にある扶桑教太祠本殿で稽古を行いました。
私たちはこちらを常設の稽古場として使わせていただいています。



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この日、稽古前の雑談と稽古後の感想で出てきたのが「幸せ」に関する考察でした。
米ハーバード大の84年にわたる「幸福感の追跡調査」によると、人間が自己を幸せであると認識する要件は、収入や職業、学歴などの定量的なものではなく、「充実した人間関係」であったといいます。



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我々は古武術を志す者の集まりですが、修行を通してたどり着くべきは究極のところそれぞれの「幸せ」であるはずです。

私は個人として、技量や立場をもって人と競い、争い打ち破ることを目的とする武術のなかに、人生の充実が見出せるとは考えません。



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稽古中、生き生きとした表情の会員さんたちの姿を見ながら、
「充実した人間関係を得る」ために大事なものを、この修練のなかで生み出していきたいと改めて感じさせてもらいました。



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続いて8月3日(木)。



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この日は基本の形から、脱力、正しい姿勢、全身を使って力を伝えていくという、こちらもごく基本的な考え方を意識して修練を行いました。



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腕の筋力だけを使っていては、自分より体格に優る相手を動かすことは出来ません。



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武術的に細かい急所の攻め方や、位置取りなどの定理はありますが、やはりそれらを統合するのは先に述べた基本的な思考法です。



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最後は8月6日(日)の稽古。



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この日は「腕を伸ばす」という動きに焦点を当てました。

ともすれば相手を「押し返す」ような操作をしてしまいがちですが、



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むしろ相手の身体への接触は少ない方が力が伝わるという、不可思議な理合です。

自分の身体を脱力して伸ばすことで、相手の身体も同じように伸びていきます。



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「腕を伸ばす」という言葉に囚われがちですが、実は身体全体を伸ばさなければいけません。

こうした概念の習得も、古武術大東流の稽古の中から掴んでいってほしいところです。



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Posted on 2023/08/10 Thu. 18:44 [edit]

category: 稽古日誌

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  古武術  姿勢  中心 
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其の四百四十六 持たせる 大東流合氣柔術扶桑会  




相手につかまれた手を、そのまま離させずにこちらの思うところに動かしてしまう。
今回はそんな大東流合気柔術に特徴的な操作を紹介する。



持たせる1



術がうまくかかればかかるほど、これを見た人の不審の念は深まるかもしれない。
技の受け手側が忖度して手を離さずにいるのだと思い、インチキだと片付けてしまう人もいるだろう。

しかしこれまでに何度も解説してきているように、攻撃の意思を持って掴みかかった人間の手というのものは、そう容易なことで開くものではない。







それはちょうどカバンを持っている人が、突然誰かにそのカバンを奪われそうになったとき、思わず反射的に力を入れて把手を握ってしまうのと同じ心理的な働きがあるからだ。

もちろん、この譬えは一瞬の間に限り有効なものであって、技をかけるほうは相手の心理的規制が有効な間に取り押さえてしまわなければならない。



持たせる4



この時に捕り手側(技をかける方)が、精妙な感覚で攻めなければならない急所がある。

それが相手の掌底、さらに言えば拇指丘と小指球のちょうど間にある窪みの部分なのだ。
動画の中では「掌の谷間」と表現しているが、正確には上の表現がイメージしやすいだろう。



持たせる3



術者はここを攻めなければならないのだが、その攻め手にも微妙な感覚が要求される。

まず、腕の筋肉を使って突き上げるようにしたのでは、相手の心理的規制は起きにくい。
刀を使うように、手刀の小指側(刃)の方を意識して斬り上げるように操作する。
つまり「摺り上げ」の動きなのだが、これは全身を連動させて行うことが前提となる。



持たせる2



急所を攻めて相手の体が吊り上がったら、接点の感覚を変えないようにして素早く相手の腕の下をくぐり、後ろに回る。
慌ててしまうと、小手先の力になってしまいがちなので注意すること。

最後の極めの形は「脇詰め」となるが、この詳しい技法についてはいずれ項を改めて解説する。




Posted on 2023/08/05 Sat. 19:00 [edit]

category: 片手捕

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  手刀  連動 
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稽古日誌 令和5年7月20日 23日本稽古 27日 大東流合気柔術 扶桑会  




大東流合気柔術 扶桑会の稽古日誌。今回は7月下旬の修練内容を記録していきます。

まずは7月20日(木)の稽古から。



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相手が力いっぱい掴んだり、絞めてきた時にまず大事なのは「力で対処しない」ということです。
攻撃の意思に対して抵抗するような動きを見せると、必ず力のぶつかり合いになって膠着します。力が互角であれば、攻撃を受けた方が必ず不利になります。



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窮地に陥っても、慌てず心静かに正しい姿勢で、形稽古で培った動きで打開すること。



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特に首を絞められる「衣紋締め」のような攻撃を受けたときには、いかに落ち着いて自然体を崩さないようにできるかが問われます。
これからも習熟度に合わせて負荷を調整しながら取り組んでいくつもりです。



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7月23日(日)は、7月の本稽古でした。

「接点を柔らかく使う」をテーマに、多種多様な動きで大東流の核心技法に取り組みました。



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片手取り、両手取り、諸手取り、両肘取り・・・。

どのような設定で攻撃を受けても、初動で相手と「つながる」ことができてしまえば、そのあとの展開は容易になります。



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相手の攻撃に対して反発するのではなく、その意図に「沿い」、いったん受け入れたうえで、自分を活かせる道を切り拓いていく。



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身体操作もさることながら、こうした意識の変革こそ、この武術の神髄に近づきうる極意です。



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競争原理一色のこの日本社会にあっては難しい価値観かもしれませんが、現代において古武術大東流を修練する意義はこの辺りにあると考えています。



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最後は7月27日(木)の稽古。

前半は中段突きを内外に捌いて相手を崩していく動きに取り組みました。



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攻撃に勢いのある相手に対して、常に真っ向正面から立ち向かうのではなく、適切な距離感をとって「間合い」を空けることも必要です。



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仮に体格や筋力の差があったとしても、この「間合い」によって無理なく相手より優位に立つことができます。



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一方で、接近してきた相手に対して、さらに密着することで自分の重心に「乗せて」しまうという考え方も有効です。
真逆の考え方ですが、ぶつからずに対処するという基本的な概念は共通しています。

これからも様々なバリエーションで、古武術大東流の奥義に近づいていくつもりです。



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Posted on 2023/08/01 Tue. 20:16 [edit]

category: 稽古日誌

thread: 古流武術・武道 - janre: スポーツ

tag: 大東流  合気柔術  古武術  姿勢  重心  連動 
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